第3章 第23話
2時間…いや3時間は溢れ出る涙を
止められなかった。
声を押し殺しながら泣いていていたが
端から見ても泣いている姿が分かった。
そんな心をそっとしておこうと太陽は
少し前に病院に来ていたが病室に入るのを
やめ心が落ち着いたときに入ることにした。
傘をさして屋上へいるが雨はなかなか
止むことはない。
そんなとき太陽は
「きっと心の涙に一緒に泣いてくれてるんだね、空も心と同じ気持ちでいてくれてるんだね」
そう言って空を見上げた。
「神様がいるなら恨むよ。心がどんな思いで今まで人生を歩んできたか、これからの幸せも奪うのですか?」
悔しさで空を睨みつけたが、何も出来ないことの方が太陽は悔しかった。
雨が止み少しして心の病室に戻ることにした。
すると心も泣き止んではいたが、
涙の痕が顔にあった。
「心、今日はずっと傍にいていいかな?」
ぎゅっと抱きしめ耳元でそう呟いた。
「いいよ、でもどうしたの急に?」
急だった為不思議に思った心は
太陽そう尋ねると
「今日はずっと心を見ていたいんだ」
そう言って2人は唇を重ねた。
そして太陽はこの次の日に婚姻届を
取りに行き、自分が書かなければならない
ところを全て埋めた。
きっと心は受け取らないと思った。
咲き誇る花びらを散りゆく花びらが
邪魔をしてはいけない。
そんな思いをしていると思ったが
太陽はエゴでもいい。
本当の意味で1つになる証明が欲しかった。
そして太陽は花屋さんへ行き、店員に
「結婚を考えているのですが、どんな花を
プレゼントすればいいですか?」
と尋ねると
「アイリスの花束なんかオススメですよ。
花言葉はあなたを大切にします、ですよ」
紫と赤に咲き誇るアイリスを見て
一目でこれだ!と思った太陽はアイリスの
花束を購入して、婚姻届と一緒に
病室へと向かった。
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