第2章 第14話
そして同棲を始める1週間前、
太陽と心は陽子のお墓参りに来ていた。
太陽の手には花が、陽子の手には御線香が。
「これがお母さんのお墓だよ。私は毎年、お盆と命日には来てるから、軽く手を合わせるだけにしとくね。」
そう言い心は軽く手を合わせ、
太陽と結婚を前提に同棲すると伝えた。
そして太陽が墓前にしゃがみ、手を合わせると
10分間ほど手を合わせ、その間いろいろな
報告や会話をしたとあとから聞いた。
太陽は陽子へ話した内容はいろいろあったが
全てシンプルに伝えた。
「心さんのお母さん、庄司 太陽と申します。
心さんと結婚を前提に同棲することに
なりました。
心さんの過去のことは本人から直接聞きました。
その傷は治す事は難しいですが、そんな過去をいつか思い出せなくなるくらい、幸せと笑顔を
必ず約束します。
次は結婚のご報告ができるように
心さんと2人力を合わせて精進して
いきますので、どうか見守っていてください。」
それから長く陽子へ手を合わせた。
そして太陽がしておきたい事は、
こうして終わり、帰りの車中で、
「太陽は誠実な人だね。出会ったときから
思ってたけど、知るたびにその誠実さが
好きになっていくよ」
と心から言われて照れながら太陽も、
「心がそう言ってくれると本当にそうなんだなって思えるよ。心ありがとう。」