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没・Karma Gear Story  作者: D.D
空回りの歯車
66/78

巻き込まれた歯車

 Side:Yomikiri

 同時刻

 教都アポストル 裏路地


「降参だ、武器を下げてもらえると助かる」

「この状況でよくそんなことが言えるな、この痴れ者が!」

「これは何かの間違いだって、言ってるのになんで聞いてくれないんだろうか」


 純銀の鎧を身にまとった騎士達に囲まれたヨミキリは近くにいた青年を右手で引き寄せた、左手には鍔まで刃のついた無銘の剣、意志ある剣を握りしめていた


「往生際が悪いぞ!、今ここで神罰を下してやる!」

「おいおい、一介の人間がそんなことを口走るんじゃない、それこそ神罰ものだ」

「ええい、黙れい黙れい!ここで成敗してくれる!」


 さて、どうしようか

 情報はある、手札もある

 だが明確な敵がいないそして状況もすこぶる悪い

 こんなことになるなら放っておけばよかった

 今更言い訳しても聞いてくれなさそうだしな

 向こうが動けば、何もすることなく首撥ねられるな

 こっちの武器性能良さすぎやしないか?


「全く、この世界はつくづく俺に厳しい」

「嘘はいけません、神が見ておられますよ」

「そうだな、神は嫉妬深いが懐が深いもんな 人を愛されておられるだけはあるもんだな」

「いえ、そうではなく……この際どうでもいいですね 皆さん!」

「教皇様!その痴れ者を今片付けますからしばしの辛抱を!」

「あなた方に命じます!私を攫ったこの者に……」






「この者に対して武器を下げなさい、彼は恩人ですそれを傷つけるのは私が許しません!」


 わーお、ここで非協力的だったお前がデレてくれるとは幸先がいい


「なんと!?正気ですか!此奴は!」

「黙りなさい!私の言葉が聞けませんか!」

「聞けるわけ無いだろ、常識的に考えろ」

「あなたも余計な荒波を立てるだけですから黙っていてください」

「はいよ」


 全くどうしてこんなことになったんだか

 注意はしていたのになぁ

 で中途半端に武器を遊ばすんじゃなくて、心配なら構えろチキンなら下げろよ


 “俺達に委ねれば解決するぜ”


 断る、(お前ら)に意識を託すのはあの一回で充分だ


 “だが剣技も魔法も中途半端なお前はどう切り抜ける?技を貸してやろうか?”


 その台詞後3分ぐらい前に行って欲しかったなぁ


 不肖ヨミキリこと俺は、8日いや4日前に出会った10代後半の白髪金眼の若者を見下ろしながら振り返る

 

 4日前

 巡礼村1:16p.m.


「このまま寝るのも無駄な浪費だからギルドを探しているが一向に見つからんな」


 村とは言ってもアポストルとかいう首都に続く道があるから、賑わっているみたいだ

 行く先々で何かをつまみつつ、道を訪ねているとふと狭い路地で若い男が絡まれているのが目に入った


『さて普通に考えれば助けを求めているように見えますがどうしますか?』

「どっちでもいいが、もしかしたら路銀が稼げるかもしれん、行ってみるか」


 左手に喧しい剣を構えながら気づかれないように偽装しつつ距離を縮める

 ふと迷宮で意識を貸した人格で意思ある剣〈無銘の剣〉が呟いた


 “あの御仁の顔どっかで見たことあんな、どこだっけ?”


「どうでもいい、付与(エンチャント)〈スタン〉〈鈍ら〉」


 気付かれないよう近づくと薄汚れてしまっているが聖職者の格好をしている青年が

 黒と紫の不気味なクロークを纏っている3人の人間に囲まれているようだ

 片手にはスティレットか、装飾剣だが刺さると致命傷は免れんか

 その三人が短剣を振り下ろそうとする前に呼びかける


「ちょっとそこの三人何してるんだ?見るからに格下相手によってたかって傷めつける下種にしか見えんのだが」

「!?」


 二人は即座に標的を俺に移し構えたな

 もう一人は動きを止めようとしない、か

 だけどもう遅い


 既に左手で構えていた拳銃(・・・・・・・・・・)で短剣を握っている方の腕目掛けて発砲

 そのまま腕が引きちぎれていくのを確認

 魔物用に口径大きくしていたがやはり対人向けじゃないな

 サプレッサーが壊れたのも地味に痛い


「サプレッサーを見様見真似で作ったがまあ及第点ではないが上手くいったな」

『苦し紛れの強がりですね』

「い、いったいなにが?!」

「取り敢えず安心しな、敵ではないから」


 動揺している二人組に近づき片方は剣で切りつけ、もう片方を拳銃で殴り倒す

 これで全員鎮圧完了


「終始動揺しているなんて、プロではないな」

「だ、誰ですか、貴方!?」

「通りすがりの冒険者、そこの腕吹き飛んで気絶してるのを縛ってくれ」


 さっき気絶させた二人の手足を縛り、武装を解除する

 不気味な格好をしている割にはむしろ神聖さを感じるスティレットだな

 武器はこれと指輪型の魔法具か軽装だな

 あとは鎖帷子となんか魔法陣の書いてある羊皮紙か

 おそらく姿消しとかそんな魔法だろうか

 二人の身ぐるみを剥いでいると後ろから声が掛かる

 どうやら治癒もできるみたいだ、血は既に止まっている

 とはいっても結構流れたからすぐには動けないだろう


「で、出来ましたが、貴方は何をやっているんですか、神が見ておられますよ!?」

「どんな隠し玉持っているか分からないからな、それと神は見ているだけだ、何もしない」

「貴方、助けてくれたのは感謝しますがこれから我が国に入られるんでしょう?態度を改めてください」


 面倒くさいのを助けちまったな

 他になんかないかな、コイツからは報酬いただけなさそうだからもう片方も探ってみるか


「ご忠告どうも、正気の森に入るために通過するだけがな」

「正気の森って……それこそ貴方正気ですか?!」

「依頼だからな」


 ふむコッチはスティレットと羊皮紙は共通であとは投げナイフと毒か

 しかしこの襲撃者全員若いな、年齢としては中高生といった具合か

 少年兵とは違うが、それに近いことをやっているのか?

 どう見ても違法の組織団体だな、短剣とクロークしか共通点はなく

 エンブレムなんかもない


「まだやっているんですか、ってその子女の子ですよ!?破廉恥な!」

「五月蝿いぞ、そんなこといちいち気にしてたらきりがない」


 後は腕を失った襲撃者に向かおうとするが、予想外のことが起きてしまった

 意識を取り戻しても動けないと下した判断を覆すかのように立ち上がっていた

 咄嗟に銃を構えるが動揺したせいで一拍遅れてしまい、構える頃には跳躍されて逃がしてしまった


「ちょっ!そんな訳の分からないものを向けないでください、罰が下りますよ」

「逃げられたか……これは厄介だ、殺っておくべきだったか?」

「物騒なこと言わないでください、全く……ってさっき倒れてた人は!?」


 ようやく気がついたのかこのボンクラは


「なんで襲われていたかは知らんが、お前の不手際のせいで俺まで巻き込まれたじゃないか」

「それは……そうですが、この二人をどうするんですか?」


 尋問紛いの事でもして口を割らせるか

 どういう方法を取るか考えながら気絶している二人に近づく

 すると、ある意味では聞き慣れない音とこちらに近づく大勢の足音が聞こえる


 ピーピーピー


「衛兵でも来たのか、全く対応が遅すぎるな」

「あ、あの!」


 ピピーピピーピピー


「取り敢えず武器を仕舞ったほうが」

「あー、だが今仕舞うのを見せると色々と」


 一応、この国の神とは違う神の加護だからな

 見られると色々と面倒事が起きる


 ピピピッピピピッピピピッ


 どんどん周期が早くなっているということはもしや

 理解したくないそれを思い立った瞬間、衛兵とは思えないほど立派な武装をした集団が現れた、むしろ騎士というべきか


「……様!ご無事ですか!む、貴様何奴!」

「……通りすがり?ちょっと衝撃強いけど我慢しろよ」

「え?!ちょっと何を!」

「貴様!襲撃者か!」


 襲撃者はそこに伸してる方だぞ、俺に武器構えるな

 今は何振り構えないか、ちょっと手荒だが

 仕方なく加護(・・)を使い拳銃を仕舞い、青年を抱える


 ピ


付与(エンチャント)〈軽量化〉〈姿勢制御〉〈フォースオブファイア エンハンス〉」

「た、助け」


 ピ


 鎧のせいで可能か分からんがやってみる価値はあるな

 両足に力を込めて跳躍する


 ピ―――!


「て、ええええぇぇぇぇええええ!?」


 集団の一人が何かを取り出し、何かからパシャッという音と共に光を出した

 瞬間襲撃者の二人が爆発し、周り一帯を巻き込んだ


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