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没・Karma Gear Story  作者: D.D
空回りの歯車
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思考する騎士

手渡された紙には見たことのない文字で書かれていた

更に一区切りごとに文字の形が大きく変わっている

だがどこかで見たことがある……どこだ?

ああ、そうだ謎の情報屋が出て行った後でヨミキリが燃やしていたな

チラと見えたがこんな感じだったはずだ


「ヨミキリの泊まっていた部屋で燃え残っていたのを見つけた」

「にしては綺麗に直ってるが」

「この程度の修復ぐらい魔道具で一発だ」

「何だこの滅茶苦茶な文のような羅列は、解読できたのか?」

「それは私の専門ではない」


完全に丸投げかよ!

これはどこに依頼すればいいんだ、探偵ギルドか?

でなんて書いてあるんだ


受け取った上に書かれているのは何やら細かく書かれた記号とミミズがのたくり回ったような字体の文それと見たところ三種類の文字が複合されている文だった

ぱっと見、反転しているみたいのもあるな





これもしかして、落書きではないよな?

いやいやいや、紙といっても未だに値段は高いから、無駄なことは書かれてないはずだ

それに、受け取ったということは解読できたんだろうから、何かしらの意味はあるはず

……駄目だ、さっぱり分からん


何はともあれ、教都アポストルで落ち合うことになっているから、捕まえることを隠して接触するか


「ウンウン唸るのはいいがアレの行動についておかしな点がいくつかあるのには気付いているか?」

「ん?ああ、どうやって手配書を調達し、手がかりを残さずに部屋に置いたか、だろ?」

「後半はあの鎧自体の能力だとして、前半が気になる 1日にも満たない期間で手配書を作り配布することが出来た?」


時間としては半日程度か

不可能ではなさそうだが対応が妙に早いな

彼女(座長)ならどう推理する?

おそらく

「一つ、本人と当組織が繋っている 但し、それをするメリットを見つけることができたら成立するがね 二つ当組織が仕事のできる有能な奴ら 但しそこまで有能なら重要人物を一人にするほうがまずおかしい 三つ、対象の悪戯 但し対象がそんな倫理的に劣る行動をするか否かが不明 四つ、別組織の介入 但し一と同じくそこまでの偶然をどうやってピンポイントで当てられた? 以上4つかな?このことから役者は仕立て上げられたと考えて相違ないね」

とでも言うだろうな


「可能性としては4つあるが、どれも可能性が低い 何よりあいつが誘拐したと即座に判断できたのがおかしい」

「ミー、単に手配の発行から配布までならどのくらいでできると思う?」

「半日あれば事足りる、更に言えば配布場所を限定するなら更に短くできるだろう

教会のことだ複製系統のスキル持ちか魔道具ぐらい抱えていてもなんら不思議でもないな」

「大体だ、教皇とあろう方が国境外れの巡礼村にいること自体おかしい」

「確か今代の教皇は若くて行動的だって話でしょ?」

「それでも、一人で出歩くようなことは立場上不可能だ」


不可解な点があまりにも多いな

国の対応の速さ、ヨミキリの凶行そして当時の教皇の所在

局地的な混乱が渦巻いているにしても、周りが暴動を起こさないのは国が有能か教皇がじつは無能か、それとも……

食事を終えて再度思考に耽っていたところに姿消しのローブと呼ばれる隠蔽用魔道具に身を包んだギルダーが近づいてくる


「メタルズギルズCGUC本部所属ミルス、ミーティア並びにワールドスカイ銀の座所属ミラオス 双ギルドマスターから伝言を伝える」

「もう深く関わちゃってるから今更抜けれないわよ」

「否、水面下で何が起きていても我々は関与が出来ない、だがこの一件必ず解決せよ」

「はぁ?情報網も?」

「無論、他ギルドからの要請も資金も一切の支援ができない」

「俺たち三人で捕まえろだって?!いい加減無理も過ぎるんじゃないか!」

「我々とて支援ができないのは歯痒い事態である、ただ現状としてCGUCが関与するのは得策でないと中央ギルド並びに評議会ギルドが提唱、他三ギルドも賛成とのことだ」

「二つ程聞いていいか?」

「応、ミーティア、なんだ?」

「互いにギルドとしてではなく、客商人の関係なら大丈夫か?」


揚げ足取りだが重要性は高いな、だが二つのギルドマスターが言ったことだから


「否、いかなる理由いかなる方法であろうとも支援はできない これは無償の提供でも有償の取引拘らずだ

現に新規でこの国に訪れているのを正式に許可されているのは私だけだ」

「なるほど、では私らがギルドマスター、アルンクレスから何か言伝はあるか?」

「応、では伝える『事情はあらかた聞いた、スキルの限定使用を許可する これはミルス並びにミーティアのみ適用される』以上だ」

「了解、早急に解決に当たる」

「では、これにて失礼する」


もうその場にギルダーはなく、あるのは効力を失った只のローブだけが残されていた

単独で動いている分自己責任でスキルが使えるのは大きいな


「で、どうする?」

「察知完了っと、数日前にココらへんにいたみたいだね、食料でも買ったのかな?通り過ぎる感じで去っていたね どうやら無理やり連れて行っている様子はないみたい

あー、だるぅ、森の中じゃないから歩き回りながら気配絞るの超辛い」

「反映完了だ、どういうルートを取ったかはいくつか絞れた、だがいくつか途中で掻き消えている、だが最終予想到達地点は全部教都アポストルだ」


早っ!

喋っている間にスキルでも使ったのか、伝言聞く前に使ってもいいのかよ!


「まあ、ギルドから支援が受けれないなら最大限使えるとは思ってたんだけどね、ミラへの許可が降りないとは思ってなかったよ」

「戦闘系統だから、どうせ役には立てんさ」

「ちょっと待て、追加情報が出てきた」

「状況?それとも時間?」

「到達地点だ、場所は教城アルテミナだ おそらく直属護衛騎士に捕まる可能性が大きいだろうな」

「うわぁ……あれに捕まるとか俺たちと落ち合う以前に死ぬんじゃないか?」

「飽く迄も可能性だ、むしろ……」

「むしろ?」

「どうやって入るか、だ 私達冒険者じゃ入れるわけ無いからな」


そうだよなぁ、普通は近づく許可すらもらえないだろうからな

普通はな


「じゃあ、行くぞ」

「何処へ?」

「決まってるだろう」




「アルテミナ教総本山、教城アルテミナへ」


※個人で依頼を正式に請け負うことが出来、なおかつギルドとの連携を取ることができる者たちをギルダーと呼んでいる

現在ギルダーは100人いるとされている

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