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没・Karma Gear Story  作者: D.D
空回りの歯車
62/78

外された歯車

 Side:Yomikiri

 0:18p.m.

 宿屋個室内


『また状況判断が鈍りましたか?ここの所同じミスが見られますが』

「しかしだな、これから途中滞在する国なんだ国教の神がどんなのを司るのかぐらい」


 PDSに格納してあった異空間キューブを弄りながらベッドに寝転ぶ

 PDS自体は現在そのストレージ内に仕舞ってある

 今まで使用不可能だったがちょっとしたいざこざで使えるようになった

 そのおかげもあって、電力問題も改善された

 そのいざこざも時が来たら話すこともあるだろう

 思えば向こうの世界も別ベクトルでファンタジーしてるな


『一神教ということがわかってるのなら、創造神しか該当しないです』

「実際は最低でも神2柱はいるけどな、そのどちらも創造神ではないみたいだが」

『そんな国教とか国柄とかはどうでもいいですが、依頼とかはいいのですか?』

「あー、今回はアルテミナ神聖教国はギルド自体が極端に少ないしな、それに調査期間が長いからか、出費は後払いだから、ここいらでいくつか受けないとな」


 義手と銃のメンテナンスを終え、PDSを付け直した直後ノックがする


 トントン、トトン、トトントン


 事前に決めておいたノックの仕方だ、ということは客人ということか


「入ってきていいぞ」


 そう返事をして扉を開けて部屋に入れる

 中に入ってきたのは古びたローブに身を完全に包み見えるところは包帯をしている人

 ところどころ肌が見えているが傷はなく綺麗な肌をしている、身を隠すためらしい

 そんなわけで俺自身こいつの正体は知らないが以前向こうに関係があった一人であることだけは分かっている

 そう、召喚者だ

 どういう経緯で、召喚主と離れて行動できるかは知らないがどこにも属していないフリーということになる、今回は俺と契約をしている

 ああ、魔法的なそんな重い契約ではなくて、極々一般的なものだ

 氾濫の調査に大いに役に立ってくれた

 彼ないし彼女がいなければあそこまでの情報が手に入ったかどうかさえわからない

 あー、そういやその時の報酬もらってないな、後で請求しよう


「ここで接触するということは、やはり正気の森ではナニカがいるのか?」


 肯定するようにかすかに頷くのを感じる

 声からでも正体が割れてしまうのを恐れているのかは分からないが喋ることをせず

 主に筆談をする、しかも筆跡からでも特定できないようにバカ丁寧に字を書く、しかもご丁寧に、一文一文言語を変えてその大半が暗号化している

 ありがたいことに地方の訛りがないが、正直読むのが面倒だ

 で、なになに?


 ”木を隠すなら森のなか、では森を隠すには?その答えは虎穴に入るべし、さすればその命を持って虎子を手にするだろう。

 自然こそが、全くの不自然であることを忘れることなかれ”


「神託かなんかか?いや確かに神聖教国には似合っているが」


 その場でさらさらと紙に書き、投げ渡される

 今度はなんだ?


 ”鍵いまだ見つからず、栄えし場所で一時休息取るべし、人助けると尚良

 こっちも、神託 ここまでしか見えなかった ご飯頂戴”


「鍵って、誰かがどっかで落っことしたのか?どっちかというと御神籤の気がしなくもないが、ほれ駄賃含めた一時報酬だ好きなもん食ってこい」


 銀貨を数枚投げ渡した後、今度は紙を火で炙ってから手渡し出て行ってしまう

 何気に芸が細かいよな……


 ”どうも、これからも良きビジネスパートナーであることを、今回の目的が終わったらまた会う、あと投げ渡さないで取るの大変”


「わざわざ炙るギミックつけるメリットあったのか?」

「どうした?さっきのは誰だったんだ?」


 その入れ替わりでミラオスが中に入ってくる

 ノックもしないとは図々しいな

 近くにあった灰皿に紙を乗せて燃やす

 何が書かれていたかは記録しているし、この情報は信頼度は高くても証明が出来ないから見せたところで信用されないからな


「ミラオスか、ノックぐらいしろ。まあ、フリーの情報屋といったところだ」

「悪かった、胡散臭い見た目の女だな」

「腕は確かだということは知ってるがな……って女だと?」


 あの一瞬でどうしてわかった!?

 歩き方もその都度変わっているから判別できないでいたのに

 だが、言われてみれば筆跡もどことなく……?


「いや、匂いがな」




 なるほど


「……実はお前って変態?」

「なっ!?ふ、ふざけるな!あ、アルテミナ教司祭にせ、洗礼を受けた俺がそんな不埒な趣味を持ってるわけ無いだろ!」

『人は大方図星を点かれると黙るかどもるか早口になるらしいです』

「だとさ」


 恥ずかしさなのか怒りなのか赤面してるなぁ

 見ていて面白い


「ぜってー、お前笑ってるだろ!最近判るようになったぞ不本意だが!」

「そんなことないさー」

「白々しく嘘を吐くな!!俺は人より鼻が利くから勝手に分かっちまうんだよ、だから今回も分かっただけだ」

「まあ、常日頃から嗅いでるなら見分けて当然だ、な……」

「言い方が癪にさわるな……どうした?そんなに考えこんで」


 勝手に匂いが分かってしまう、道中で水浴びできたところの少なさ

 とするならば……


「やっぱりお前変態じゃね?」

「今ここで切り飛ばそう、その首を刎ね飛ばそう」


 ミラオスが剣を抜こうとしていた時に、絶妙なタイミングでミルスがやってくる

 助かったのか?剣技とか実戦でコイツに勝てる自信なんて一切ないからな


「何騒いでんのふたりとも」

「いや、ただミラオスが……」

「だ、黙れ!お前は余計な口を開くな!!」

「何?またヨミキリが妄言でも口走ったの?」


 妄言とはひどい、失言だ

 といっても、全面的に否定が出来ないから肩をすくめるし程度しかできないが


「で、なんでミラオスは顔赤くしてるの?」

「な、ななな何でも無い!俺は部屋に戻る!」


 そう言って部屋から飛び出ていくミラオスを見送りながら

 依然として俺を睨めつけているミルスに言われる

 ふむ、一通りからかって満足した

 よし依頼を受けにでも行くか


「男の子なんだから反応するのも仕方ないでしょ、デリカシーぐらいないの?」

「そういう察しの良さのほうがデリカシー無いと思うぞ」

「むしろあなたは、そういうのでも反応しなさそうだね、どっからどう見ても人には見えないし」


 いやお前以前生身の俺に矢を射ってきただろ


「あの時は手加減してもらっていたとはいえ、辛辣すぎるんじゃないか?」

「正直このパーティの中で一番信頼無いの君だからね、じゃあ依頼受けてくるから」

「終いにゃ、泣くぞ」


 なんか疲れたもう寝よう、早いけど寝よう


「なにかあったのか?って何昼間から寝てるのだ?」

「五月蝿い」


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