歯のない歯車 Ⅱ
扉から入ってきたのは白髪蒼眼のしわくちゃの爺さん
うかつに近づいたら、そのままく刺しにされそうだ
「彼女を離してくれるかのう」
それが合図だったようで村人が、ぞろぞろと来たなこりゃ
「なら取り囲むことはないだろう」
「(まだ無理しちゃダメ!まだ治ってないのに)」
「(ご忠告どうも)」
「何じゃ気づいておったんのか」
白々しい爺さんだ、立ち上がると同時にはいってきたくせに
と言うか全員耳長いしバラバラではあるが大抵若いのが多いな
これは本当にエルフでファンタジーか?
「んな当然だろ。」
「ええと、こういう時どう言うんじゃったかな。おお、そうじゃ、人質を開放してはくれんかのう、抵抗しなければ射殺しはせぬ。」
ほんとに白々しい爺だこと、せめて人をさらに入れさせるのは止めようか
「信じられるか!なぜ包囲する?」
「遠いとこから来た・・・さしずめクノウ、かのう」
「ご生憎様、これが違うらしいんだな」
「まあ、よい。構え!」
取り囲んでいたエルフたちが弓をつがえる。一人ハンマー持っているが
やばいなこれは、本当に
長弓を近距離で射られたら確実に貫通する
と言うかあの野郎笑み浮かべてやがる
「まさか射ちはしないだろうな」
というかサラ目つぶってやがる
マジで射る気か
「じゃから開放してくれるか?」
「無理だな」
【ああ、もうせっかく忠告したのにありのまま受け入れるどころか、呼び寄せるなんて】