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没・Karma Gear Story  作者: D.D
組み込まれた歯車
48/78

出会う歯車 Ⅴ

 8/22

 20階層


「・・・・・何の冗談だこれは」

「冗談であって欲しかったぞ・・・・」

「誰かこれを石像と言ってくれ」

「全体に赤みがある、目は青い、てことは変異種だな」

「変異種というよりも亜竜と名乗ったらいいんじゃないか」

「案の定昇降機を塞いでいたな」


 ジャイアントアナコルダ

 ベルゴース迷宮本来45階層から出始める魔物

 討伐難易度は3人パーティーに付き1匹、複数匹だとクランで動かないと殺られる相手

 動きが早く、後ろに回りこんで絞め殺すのが主な攻撃方法だ

 群れでは行動しないが共闘する習性があり、一匹に気を取られている間にひとりひとり絞め殺す

 オオアナコンダと違って大きさは桁違いで4mls(約5m)級8mls(約10m)級12mls(約15m)級16mls(約20m)級といる

 以前撃ちぬいたのは5m級

 15m級からは単体でもクランは3つ必要とされる

 そして目の前にいるソレ(・・)は20mは軽く超えている、更に青い目赤い体をしているということは変異種

 ギルドが動くレベルじゃないのか

 だから俺はここにいるのか・・・・・ではなく、数十名は必要じゃないのか!

 その青い目は俺たち(獲物)を見据えている

 ただでさえ堅いその鱗が変異種によって鋼鉄すら凌ぐ

 打つ手無しだな


「まだこちらを襲ってはこないが」

「逃げたら死ぬな」

「・・・・・・・・・・」

「何か策でもあるか」

「いま練ってる黙ってろ」


 以前変異種と戦った時は関節を狙って撃った

 どれだけ硬かろうが柔いとこを突けば勝ち目はあるか?

 腹?・・・伸縮性があるとも聞いた

 目?・・・蛇は薄い瞼があり常に閉じている、特にここは砂漠の迷宮だ、より分厚くなっているだろう見てみれば紫に見えなくもない


「『口ですね(だな)』」

「どうやって誘導する?」

「俺が援護する、囮になれ」

「断るお前がやれ」

「俺の銃を見ただろ」

「なら俺に渡せ、弓なら慣れてる」

「勝手が違う」

「スャアアアアアアアア!」


 避けろ!そう叫ぶ前に目の前に尻尾が見え向こう側の壁に吹き飛ばされる

 っ痛!壁がもう少し固かったら動けずに飲まれたかもしれない

 早くVOLVを・・・無い!

 マジックバッグが衝撃で吹き飛ばされたか

 予め腰に帯びておいた、モーニングスターと拳銃を持ち態勢を整える


「盾が、曲が、った」

「ごほッ、それは、ご愁傷、様」

「一旦、引けたらいいんだが」

「この状態で、上の大群と戦いたくは、ないな、来る!」


 地面を思い切り蹴りジャンプをし何とか避ける

 ミラは地面に伏せてやり過ごした

 マジックバッグはまだ無事だ


「気を逸らす取りに行ってこい!」

「わかった!」


 時間稼ぎをしなくちゃな

 標準を目に合わせ数発撃ちこむ

 狙いを俺に合わせ尻尾をしならせ攻撃してくる

 何とかしてあいつが取りに行くまで粘らんとな

 ぐっ!当たらなくても衝撃だけでもこの威力かよ!

 というか、相当伸びるなあの尻尾


 何度も既の事で避け続ける、そしてミラがマジックバックを掴んだところで

 グレネードのピンを抜く

 5、4、3、今だ!


「「投げるぞ!」」


 グレネードが口の中に入る前に噛み砕かれる、これでいい

 完全再現できなかったがためにニトログリセリンを粘土状に固めたのを入れている

 それをインパクトの派生系クラッシュを雷管として爆発させる

 開発を条件に武器を作ってもらえなきゃ、確実に死んでたな

 現在使われている手榴弾はフラグメンテーション、破片手榴弾だ

 一方これは攻撃手榴弾、コンカッションだ

 勢い良く噛んでくれたおかげで、見事爆発、理解できていないのか大口開けている

 放り投げられたマジックバッグを手に取りVOLVを取り出す

 装弾よし、安全装置OFF、発射!


 マガジンを落とす、落ちた薬莢に当たりカランと音がなる

 口からは青い血を吐き出している大蛇

 頭を地面につけ見た感じぐったりはしている

 だが、それでもなおその目は俺達に向けている

 生きている、あの攻撃を受けてなおだ

 60口径のライフル弾20発でさえ殺しきれない・・・完全に見誤った

 マガジンを取り出し、装着

 というかミラオスの野郎、いくら持ち運びやすくしていると入っても重さは変わらんのだぞ、何故持てる

 尻尾は完全に俺を狙っている


「ミラオス」

「なんだ」

「覚悟決めるぞ」

「そうかよ」

「尻尾頼むぞ」

「帰ったら新しい盾奢らせるからな」

「了解」


 剣を両手で構え、尻尾に向かい走りだす

 俺も行くか

 狙いは大蛇の口

 避け切れない尻尾はミラオスが防いでくれている

 10m・・・・5m・・・3m!もう少

 あぐっ!15mほど吹き飛ばされた。な・・・ぜ?

 ・・・・・なるほど

 いつから、蛇のしっぽはひとつしかないと言った?

 ここは異世界だ、曲がりなりにもファンタジーだ

 犬と猪が合わさった奴もいる

 エルフもいる、ドワーフも、冒険者だがゴブリンもオークもみんないる

 これは完全に油断していた

 体に力が入らない、足の接続部に異常


「パージ」


 以前の教訓で追加でブーツを履いている

 細い尻尾は速さが出るようだ

 避け続けられるのも時間の問題か


 壁に激突する音

 ミラオスが飛ばされたか

 両方の尻尾は俺を挟み撃ちするように差し迫ってきている

 残り5m・・・引き付けろ!引き付けろ!

 もはや視界に見えるのは赤い壁と青い目だけ

 スキルを発動!


 体が燃えるように熱い

 目が焼きつく

 だがまだだ!

 周りが遅くなる俺は変わらない

 走り抜けた!

 とぐろを巻いていなかったのが幸いしたのか、周りが開いている


「くたばりやがれ!このバケモンが!」

 カチリ


 21:20a.m


「なあいつまで続けんだ、ヨミキリ!」

「まあ待て、・・・あった」

「本当か!」

「ふぅ~、送られた絵があっているならばアーティファクト〈躍る屠殺場〉アイツの予想通りのものがこんなところにあるとは・・・・」

「眉唾ものだと思ったが、本当にソレであっているか?」

「隣にあった魔結石と同じオドが感じ取られる、更にこの迷宮に漂うものとほとんど一致している」

「ソレである可能性を示唆して、探しまわるんだからすごいよなお前は」

「最初に情報をくれなかったらほったらかしにしていたところだ特に心臓の中に隠されているとか気づくわけ無いだろ、ところで、素材持てるだけ持てよ」

「ああ」

「骨と皮と鱗と瞳と瞼、あと筋!これで強化が捗る」

「しかしこいつが変異種であると同時に異形種だったとはな、幸運なのか悪運なのか」

「見た目と違い虚弱体質じゃなかったら、無理だったな」

「それでも、苦戦を強いられていたな、本来一ギルドは動くほどの大物なんだがな・・・」

「こいつをこうして・・・・・・とれた」

「一応これで昇降機も使えるな」

「通路にはまっていなかったらと思うと寒気しかしないな」

「無駄口叩いて死にましたとか笑い話にすらならんな」

「運が良くて勝てたが二度とこういう目に会いたくない」

「そうだな帰るか」

「そうだ、な!?重!」

「詰めるだけ詰めたぞ」

『どんどん鎧も体も壊れますね』

「そうだ!あれは何だったんだ?急に蛇が遅くなったが」

「さあてな時の神が融通してくれたんだろう」

「あのトリックスターがか?ありえないな」

「う」

「どうした?」

「血、吐きそう」

「再生補助使えよ」

「上手く練れん」

「我は守人、汝に癒しを与えん《ヒール》」

「どうも」

「これで原因解明だな」

「そうと決まったわけではないし解決はまだだ」


今回二人が勝てたのは、本当に幸運で少しでも小さかったり、武器が整ってなかったり、異形種じゃなかったり、たった一つでも当てはまったりしていたら全滅していました


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