出会う歯車 Ⅲ
迷宮
ダンジョンとも呼ばれるそこは魔物の巣窟か、それとも罠が張り巡らされ危険に満ちた遺跡か
迷宮内に現れる獣たちは皆魔物であり、何処から現るのかは依然として不明である
誰が何の目的で作りどうして発生するのかも定かではない
特徴としては、魔物がはびこり罠が仕掛けられ、そして宝箱があることである
階層は様々であり、1階層しか無い迷宮だったり、ベルゴース迷宮やソラニア大迷宮は20階層を超える
上に続くものであったり地底を目指すもの、海中に沈んであるものなど千差万別である
決して侮る事なかれ、そこに安息など無いのだから
~元迷宮探険家ゲネッツ~
ベルゴース迷宮1層
Side:Miraosu
ベルゴース迷宮、大砂漠にある迷宮で大規模迷宮で知られている
最深階層不明、記録上最高到達階層72層、迷路状になっておりトラップは少なく、砂漠の生物を主とした魔物が多く見られる
「なあ」
「なにか見つけたか?」
「いや、なぜあの時止めた?」
「人にはわかっていても他人に指摘されたくないこともあるのさ」
「お前の人生に何があったのか真剣に知りたい」
「それは・・・おっと初魔物だ、数3大きさからしてサンドスネーク」
「魔法もできて接近もできて索敵も出来るとは、居るのか?俺」
「情報が全く足りてない、防御に関しても不安要素あり、適性属性無の俺としちゃ、いなきゃ困る」
出会ってから、ずっとフルプレートにマントという奇妙な格好でいつづけるヨミキリ
手に持っているのは左手にショートソード右手に鎖のついていないモーニング・・・変形機能付きのモーニングスター、それと肩掛け型のマジックバッグ
魔法が使えるとはいえいささか不用心ではないか?
「まあ、一階層としてはこんなものか・・・ん?」
「どうした?」
「いや・・・何でもない、気のせいだ」
「そうか、とりあえず今日は、異変が起き始めた18階層を目指すぞ」
5階層
「おかしい」
「どうした?ミラオス」
地図と実際の地形が合致しない
敵の数も多く感じる
「地図は捨てるか?」
「いや、もしもの時にとっておいてくれ」
「了解、そっちはさっき来たとこと同じだぞ」
「なんだって!?」
よく見ると三叉路の分かれ道の壁に傷が付いている
いつ付けたんだ?
「これじゃ迷路みたいじゃないか」
「そのようだ、サンドフロッグ7匹!」
頻度も増えてきている!どうなっている!
いつの間にかヨミキリの剣はしまわれている、脂で切れなくなったか
清浄化のエンチャントがかかっているこの剣は、刃毀れしない限り切れ味は悪くならない
替えがもう一本あるが渡すべきか?
「替えの剣、いるか?」
「モーニングスターの力が加わらないから、いらん!」
「分かった・・・・・くそ!多すぎる」
行く前にハーフプレートに変えていても疲労がたまるのが速いな
最終的に追加で6匹現れた
「階段だ、行くぞ」
13階層
「まて・・・また罠だ」
「またか・・・ここは罠が少ないことで有名じゃないのか?」
「そのはずなんだが・・・・」
解除完了
魔結石の方は順当に稼げてはいるが、どれもこれも大きい
戦闘による疲れで進みが遅くなっている
「休憩しよう、今何時だ?」
「20時、夜のだ」
「休憩と食事を済ませたら一時帰還だ」
「わかった」
不味い固形食料と塩っ辛い干し肉を生ぬるい水で流し込む
食べ終わってもまだアイツは食い終わってない
「早く食え、直ぐ出発だ」
「ん?・・・・なにか聞こえないか」
「なにかって・・・なんだ?」
ゴゴゴと唸るような音があたりに響きだす
そして崩れる音がした後来た道が塞がれた
閉じ込められた!
やっと食べ終わったヨミキリがさっき塞がれた壁に向かい、モーニングスターで一叩きした
そんなことやっても無駄だ、知られているようで知らない人が多い
迷宮の壁は壊せない
「そのはずだが、基本砂岩で部分的には作りたてだ。やりようを変えれば」
マジックバックから黒色の粉を取り出し始めた。なんだ?
更に無色の油みたいのを混ぜ始める
「これにこいつを混ぜてっと、よし設置OK。離れとけよ」
「何をしている?無駄だぞ」
「まあ見てなっと」
もう一つ取り出したヨミキリが持っていた鈍色の塊が黒く塗られていた
「元ガバメント現対魔物用48口径試作型自動拳銃HORNET」
たしか武器に名前つけるような奴がいたことを思い出した
こいつもそんな奴だったのか、俺は決してそんなことはしない
よりにもよって蜂とは、わけが分からん
なあ、ジャニフ
「何剣叩きながら悦に浸っている、耳塞げ。鼓膜破れるぞ」
「ん?・・・ああ」
黒色の粘土状の塊に黒い塊を向け引き金を引く
耳をふさいでいたにも関わらず、轟音が鳴り響く
塞いでいなかったらどうなるんだ
「思ったよりも強くなったな、この銃」
「銃なのかそれ」
「細長い云々は聞き飽きた、見てみろ開いたぞ」
「開いたっていうのか開けたっていうのか」
「さっさと行くぞ」
ラビリアン・クラウズ ルーナの宿屋
「完全に日が昇っているな」
「そんなことはいい、さっさと寝るぞ」
「ああ、逃げ疲れた」
そのまま部屋のベッドに横たわり意識を手放した




