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没・Karma Gear Story  作者: D.D
組み込まれた歯車
31/78

詰まった歯車 Ⅰ

「何処だ!お前たちは向こうを探せ!俺達はこっちだ!絶対に逃すな!」


「・・・ふぅ、行ったか?」

「誰か居るのか?何処にいる?」

「!?」


 近づく足音、それに伴い上がる心拍数、見えてくる影

 ここで隠れ続けるか?それとも、気絶させるか?

 いや、ここは


 Side:Yomikiri

 19:00a.m 中央ギルド前


「ここが中央ギルドか・・・」

『聞いていた通りの高さですね』


 中央ギルド本部 通称:時計塔

 ここの交通流通などを担当とする超大規模ギルド

 CGUCにおけるギルド加盟者のほとんどがここの所属だ

 ここに直属してるギルドは科学ギルド、商人ギルドやクラフトギルド、錬金術ギルドその他多数のギルドだ。その一方でクランと呼ばれる少~中規模の冒険者チームは少ない

 大抵のクランは他のギルド群やメタルズギルド、賢魔書庫に入るようだ

 ワールドスカイはどちらかと言うと騎士団の部類に入り、他のギルドに入れないという閉鎖的なギルドで治安維持の担当だ

 評議会ギルドは聞くからに法の番人らしい、謎のほうが多いみたいが


「登録ですか?」

「そうです」

「では、ここに必要だと思う項目をお書きください、代筆は必要ですか?」

「いえ、結構です」


 項目は性別、名前、年齢から主に使う得物はなにか、魔法適性はあるのか、あるならば属性は?と2ページにも渡る程の多さだった


「出来ました」

「では確認しますね、少々お待ちください」


 2分後


「確認できました、少々質問よろしいですか?」

「ええ大丈夫です」

「主に使う得物が空欄ですがそれは?」

「その時に応じて使い分けていたので」

「それでは、.......」


 15分後


「有難うございます。続きまして、ランクの説明に入ります」

「分かりました・・・」

「当ギルドはランキング制になっており、依頼の達成数、規定ランク内の高難度依頼の達成などで上がります。

 一定の順位を取られますと、ギルドからの昇級依頼が来て、それを達成いたしますとその先の順位に上がることができます。

 上位に入りますと指定依頼などが入りやすくなります。昇級はこちら以外の依頼以外にも賢者の記せし魔導書庫、Metal's Guilds、評議会ギルドの推薦等で上がることがあります。

 ここまでで何か質問は?」

「ギルド以外の推薦とかもあるんですか?」

「そうですね、他国の英雄が推薦することもありますね、それ以外にもトップランカーのメンバーがすることも時たまあります。ほかには?」

「いえ、ありません」

「では、このカードに魔力を通して正式に加入になります。なくしたら再発行に5Gです」


 ギルドカード、CGUC以外のいろんな国でも使用可能な身分証明書

 縁の色が今どのくらいの順位なのかの目安で面の方は一番適正がある属性の色になる

 準アーティファクト品らしい。どんな素材でどのような製法なのかは極秘

 大きさは7cm*10cm*2mmで重さは100gぐらいといったところだ

 縁の色は茶色で面は透明で少しライトブラウンだ


「早速依頼を受けますか?」

「いえ、もうひとつ寄るところがあるので」

「ありがとうございました」


 テンプレと呼ばれるものはなかったぞ


 Side:clerk


 今日も今日なりに忙しい午前の仕事を終えようとした時にフルプレートにフード付きのマントをかぶった怪しい人が来た

 最後まで奇妙な人だったけど、礼儀もまあまあ正しいし、多すぎる登録書にも殆ど書いてくれた。得物が決まってないけど、小型のモーニングスターを使ってるみたいだ

 そういえば、昨日、盗賊団をとらえた冒険者たちの中にフルプレートにマントの男の人が居ると訊いたけれどまさかね

 彼は依頼を受けずに、メタルズギルドがある方面に行ってしまった

 噂を知らないのか、知っていて入ろうとするかはいいんだけど、せっかく入ったのに死んでしまうのはあまりにも惜しい

 一応、上の方に提出しますか


「カードの面の色が透明ということは無属性持ちのようでした」

「魔法に関しては外れだな、でみた感じどうだった?」

「初印象は怪しいですね、手練という感じはありますが得物が定まってないという発言が気になります」

「今彼は?」

「おそらくはメタルズギルドのほうかと」

「金属に惹かれたのか、それとも・・・」

「訳あり、ですか?」

「いや、その線はないが、手配書は準備しておこう」

「しかし本当に向かったという確証は」

「賭けるか?」

「いえ、賞金の用意をしておきましょう」

「ああそうしてくれ」


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