歪んだ歯車 Ⅲ
Side:Yomikiri
視界が真っ白だ。頭がいたい
【おや?目が覚めたかい】
何だこいつは?
目の前にはラフな格好の青年が立っている妙に神々しい、起きたばっかなのに気分が最悪だ
【ひどいなぁ怪しい神じゃないよ】
変な格好の変な奴が変なコト言ってやがる上に神だと?
【君に言われたくないなぁ。鎧の男君】
む、心を読んだ?
【変な目で見ないでよ。と言うかなんか喋ってよ。】
「ああ、すまないっと」
怪しいやつに遠慮することはないさっさと撃つに・・・何も手にしていない、だと?
【ああ、一応君寝てるからね、で僕は君の夢の世界ってやつに入り込んでるってやつだ】
「じゃああんたも夢の住民てか」
神と言っときながら夢の住民かよ。明晰夢ならすぐに醒めるに限る
【違うよ違う。僕は本当に神様。時間の神やってるよ。よろしくね】
「ああよろしく、ヨミキリだ。神って・・・ほんとに精神科に行かなきゃな」
怪しすぎる
ッ!?
また頭の痛みが!それに腕も・・・引いた?
【少し君の時間をいじって痛みを戻してあげた。信じてもらえる?】
「ててて、ああわかったよ形だけ信じてやる」
またやられたらかなわん
【はぁ】
「で時の神様がなぜ、俺の夢の中に?」
【やっと本題に入れるね。なぜ君がここにいるかって?それはこっちも聞きたいほどさ】
偶然ってことかよ、おい!一番釈然としねぇな
ていうかそんなこと聞いてねぇ
【ああ、ああ、なぜ この!時の神様!がここにいるかだったね?ちょうど暇だったからさ】
おい!マジでふざけるな!
【どうどう】
ふざけるなよ!ちゃっちゃと教えろこの○○○○○!
っとと。取り乱した
【ここに来た理由はずばり】
「ずばり?」
【君に情報を与えるためさ、感謝し給えよ】
なんだろう非常にありがたいのに、なにこの上げて落とされた感は
【1つ、世界は神上世界、空白世界、宇宙世界、そして今君が寝ている未踏世界あとひとつあるけど、まあ君に関係するであろうものはこの4つだね】
「神上世界ってつまりあんたらが住んでるとこでいいとして空白世界は?」
【順に話すからこれらの世界の名はアルンヘイド、クノウ、ガイア、ディスガンティア。でそれぞれ神々が住みし黄金郷、崩壊した桃源郷、夢幻に満ちた理不尽、果て無き無限回廊】
「崩壊した桃源郷、つまり世界が壊れたのか?」
【そゆこと、其の情報は自分で調べてね。んで次】
情報を与えるのに調べさせるって不親切きまわりない
【固有能力についてだよ】
「スキル?ゲームやらジャパニーズ・フィクションに出てくるアレか?」
【そそ、でスキルは一人基本一つ、僕の知る限りじゃ二つ持ちは一人しかいない】
「基本一つか」
俺のはなんだろうなチートじゃないことを祈る
【例外はあるけど。まあまだ君は潜在的なだけで一つも持ってないよ】
むしろ持ってないとかか、まあ向こうじゃあったとしても精神科行きだからな
「そうそううまい話はないってことだな」
【物分かりが良くてほんと助かる】
「ところで他にも俺みたいな奴がいるのか?」
【んー偶然という例だと2,3人かな】
召喚があるのか。ご愁傷さまだな。俺もだが、何人こっちへ来た?
「それ以外にも?」
【時間無いから先説明行くね。漂流者だとスキルは強いけどリスクも大きいし成長しづらいね、育てる価値は大というわけだ】
時間制限付きかよ!
一体どういうものかも気になるが、反動で死ぬとかやめてくれよまったく
【その分強いからいいでしょ。んじゃ最後】
ますますチートじゃないことを祈る、って早いな
【この後1つ質問受け付けるからね。最後は君が起きたら面倒事が起きる以上説明なし】
おい、一番重要なの弾くんじゃねぇ
【さあ質問してね】
1つだけか…じゃあ
「死んだ人間を生き返らせることはできるか?」
【無いよ、そんなふざけたもの、あるわけがない】
無いか・・・そりゃそうだ。当然だ。当たり前だ。
【代わりに、幽霊とかはいるよ】
いるのかよ!?まあ、駄目元で聞いただけだし有ってもしなかっただろう
「じゃあありがとな」
【じゃあね~またすぐ】
「!?また直ぐって何が」
――――――ッ!?また頭が