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没・Karma Gear Story  作者: D.D
流れ着いた歯車
22/78

閑話 スモール・ギア 其弐

 Side:Cly

「いち!に!さん!いち!に!さん!」


 絶対に!勝ってやる!あの男に!勝ってやる!


「いち!に!さん!いぃち!にぃ!さぁあん!」

「勢いがなくなってきているぞ、泣き虫小僧」

「誰が泣き虫小僧だ!」

「おお!そういう時の反応速度はすごいな」

「てめえ、いつからいた!決闘しろ」

「やだね」

「なめてんのか!」

「どうした素振りを続けないのか?」


 あの野郎・・・いつかぜってー泣かす!


「力を込めすぎて効率が悪くなってる。リズムよくしっかり振れ」

「んなもん、わか!」

「って無いから、こうして指導してるんだ。エルフは長命なんだろ、俺より歳上なのになんでそこまで血気盛んなんだ?」

「俺が知るか」

「相対的から考えれば妥当じゃろうに」

「爺、また現れたな」

「フォフォフォ若いとはいいのぅ」

「一回死ねば新しい生を手にするかもしれないぞ」

「賭けはせんでの」

「・・・」

「どうした続けないのか?」

「や」

「や?」

「やれるわけねえだろ!」


 Side:Yomikiri

「行っちまった」

「当たり前じゃろう」

「してお主はなぜここに?」

「弓の練習しにきたのだが」

「お待たせ、って村長?」

「おお、サラか。ではわしはこれで」

「?まあいいわ。さあ!はじめましょう」


 30分後


「ひどいわね・・・」

「言うな・・・」

「短弓は構え方がおかしいけどまあ及第点ね!長弓は・・・」

「上手く引けない・・・」

「どうしたら弓が逆さになるの?」

「知らない、むしろ聞きたい」

「こうやて構えるのよ」


 おお・・・

 透けるように美しい金色の髪が風を受け舞う

 エメラルドグリーンの瞳は狙いを付けたものを放さない鋭さをも持っている

 真珠のような肌は星のごとく

 神々しさすら感じ取れる

 長弓は新月前夜の月のようにしなっている

 これは画になる。撮っておくか・・・いや、これを取るにはあまりにも美しすぎる


「ヨミキリ?」

「ん、あ、いや。難しいなそこまで引くのに」

「私だってそうよ、強化魔法なきゃ無理だもの」

「強化魔法か」

『(あなたが見とれるなんて珍しいですね)』


 強化魔法

 身体に属性の付与を与えることによって、自己の力以上に引き出す魔法

 火は屈しない粘り強さと戦う強さを

 水は受け流す滑らかさと包む癒しを

 風は迷わない正確さと導く疾さを

 土は何かを成す器用さと阻む守りを

 氷は寄せ付けない力と留まる意思を

 光は行動を移す瞬発さと罰する決意を

 闇は欲する知恵と飲み込む意味を

 無は無垢なる思いと空虚な感情を


 今回の場合、サラが使っているのは風と火の強化

 弦が耳の所まで来ている、コンポジットボウだろうか

 作り方を伝授したいものだ

 限界まで引き絞られた弓は矢を風の如く吹付け切りつける

 少し離れたところでも鋼鉄を貫きそうだ

 まあ今彼女は矢をつがえていないが


「もう一度」


 術式《フォースオブノー エンハンス》 対象自分腕 発動

 術式《フォースオブウィンド エンハンス》 対象矢 発動


 物にも掛けられる、ここでは普通だ

 持つのは3分

 息を整え矢をつがえる

 風が道を標す、そこに向かい放つ


「違う、そうやると上手く飛ばない、体を水平に、目は・・・両目を開くように、風が教えてくれるけど大切なのは得物がどうするかを考えること、

 矢が何処に行きたいか考えること、脇をもう少し引き締めて、弓は地面に垂直に、地面に付けない」


 日本では弓道というものがあったな、日本の伝統武芸は静かに厳かにやることが大切なのだろう

 日本か・・・弧状列島は沈み、艦上国家となった

 それでもその伝統は受け継がれてきた

 ・・・・・・・・・今だ!


 放たれた矢は狙いを付けた木に当たることなく素通りしていった


「・・・・・・」

『あなたはいつも左に寄り過ぎです』

「あ!でも、別のには当たったみたいよ」


 急いで見に行ってみると猪が頭を横に貫く形で刺さっていた

 今日の飯はイノシシか

 その前に解体をしなきゃな

 まずその場で祈りを捧げる

 森には神が宿るとされ、そこに住む生き物もまた神聖とされる

 猪も鹿もウーボアも人間もエルフもだ

 そこで生きるために殺したものは祈りを捧げ、その肉体の一部を森に帰す

 これが森の掟だ


 その後解体を始める

 あご骨から切り、首を落とし、腹を割く、どうやら雌のようだ

 内蔵を取り出し、肉を切り取るその後脚を切り取る


 内臓と25kgぐらいの肉を森に置く

 そうするとオオカミたちがやってきて肉を巣に持って帰る

 内蔵はそのまま食っていくが

 これが共生というやつか

 血抜きも忘れずにやる


 貯蔵庫


「これはこれはでかいのう」

「ビギナーズラックですら無いがな」

「数日もすれば熟成しきってうまくなる、内臓はあるかの?」

「森に分けてきたわよ」

「心臓を軽く火に炙ったのを酒のツマミにするのが一番なのじゃながのう」

「たしかにうまそうだな、生姜醤油で食いたいな」

「醤油?はないが生姜はあるぞ、あれを刻んで肉と一緒に食うのが一番だ」

「おっさん・・・分かってないな」

「何?」

「おろして醤油と混ぜたのを肉に漬け込んで焼くのが一番だ」

「醤油・・・一度頼んでみるかのう」

「最短でいつだ!」

「5ヶ月後かの」

「ぬう」

「ふぉふぉふぉ、ビギナーズラックここに尽けりじゃの」

所々異世界者が残していった技術等があります

ほとんど食事関係に限りますが

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