閑話 スモール・ギア 其壱
Side:Yomikiri
小鳥がさえずる声、人々が談笑する声、森がざわめく音そして紙をめくる音
今日はいい天気だから休みになった。あの木は何なんだ一体・・・
「ふぅ~魔導書ねぇ」
『元の世界では、とてつもなく胡散臭いものですね』
「代わりにノアの方舟に近い状態だけどな」
「ここに居たの?」
「ああ、そうだがどうした?」
「もう昼だから昼食にしない?」
「あーもうそんな時間か」
『相変わらず本読むと周りが見えなくなりますね』
「・・・もう読めるの?」
「ああ、そうだが」
『語学に関しては誰よりもすごいですから』
「上は存在するんだが」
「ちなみに、どこまで?」
「後は・・・誹るものよ、侮る無かれ。汝らさらば与えん云々ぐらいか」
「終わりじゃないの!いつから読んでたの!」
「朝食をとってからだが?」
『他に作業していた時間を削ると12時間ですね』
「はあ・・・呆れた。あれ?この本・・・はぁ村長。これもらってくね」
なぜ其処でため息をつく?
そんなことより、魔法はすごいな
どうしてイメージをすればその通りの魔法が出るのかさっぱり分からん
陣で刻んだり詞で謳ったりするのとは違うようだが
・・・もしや、オドか?
オドはエーテルが対象に感化され変質するもの
ならば、そこに設計図がインプットされているのか?
・・・
「・・・リ、ヨミキリ!」
「ん?どうした?」
「だから!ご飯食べましょ」
「ああ、そうだな」
ちなみに、3週間で書庫にある本は読みきった
「のぅ」
「何だ?煙爺」
「わしのへそくり何処にあったか知らんかのぅ」
「・・・紙幣制度なんてあったのか?」
「アルテミナ神聖教国100エルン紙幣じゃ」
「・・・87冊目のとこにあった気がするが」
「いやそれが何の本なのじゃ」
「・・・!クソジジイいっぺん死ね!」
「何の本か聞いてるんじゃが」
「何処であんな本仕入れてきやがった!」
「何の本じゃ!」
「誰が言うか!」
「んなもん何処で使うんだよ!」
「お主に言う義理はないわい!」
どういう本なのかは俺とあいつの名誉にかけて言わない
後日無数の矢が木ごと刺さっていたのを見つけた、へそくりの行方はわからない
分からない!




