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没・Karma Gear Story  作者: D.D
流れ着いた歯車
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失われた歯車 Ⅳ

 Side:Gados

 もうすぐで村だ。もう日が落ちきている。間に合ったか・・・これなら


「おめえらは先に村に戻って報告してこい」

「あ、あんたは?」

「あいつらのとこに」

「何故だ!アイツも言ってたろ!それにもうすぐくるさ!」

「あいつらはおそらく囮になったんだろう。もし、やられたら誰かが行かなきゃいけねえ」

「なら俺が!」

「馬鹿言っちゃなんねえ!おめえみたいなひよっこが何秒もつんだよ」

「ぐ、」

「それに俺は夜目が効くんでな」


 じゃあ行ってくる、と言ったその時


「ぐわあああああああああああああああああああああああああああ!!!」


 悲鳴、獣と人の悲鳴だ!


「何だ!」

「やられたのか!」

「わからん!お前らは村長のとこへ」

「お、おう」

「頼んだぞ」

「こっちこそ、あいつら頼んだぞ!」


 走る、走る

 道は覚えてる

 できるだけ速く!もっと速く!

 見えた!

 大量に横たわるウーボアの群れ

 その一際でかいウーボアの近くに満身創痍のフルプレートに治療してるサラが


「大丈夫か!!!」

「意識が、無いの」


 周りには多量の血

 おそらく、失血多量による気絶だろう、無茶しやがって


「治癒は?」

「してるけど、してるのに!・・・目が覚めないの」

『左腕がロスト、筋肉断裂、衝撃に拠る骨折武器も全壊、意識もありません。かろうじて

 脈拍と呼吸はあります』

「なんでそんなに冷静なんだよ!」

『そんなこと言われても知りません、というかある程度は回復しましたが揺らさないでく

 ださい』


 目、覚ましやがれ!クソ!俺も残っていれば!


「…っつ!そいつは、ゆらすな、っつうに」

「ヨミキリ!大丈夫か!」

「ヨミ!」

「ニック、ネーム、が略、されるのは、アイ、ツ、以来、だ」

「まだ危険だ!しゃべんじゃねえ!」

『そうです。血は魔法でも戻らないようですから、黙ってください』

「なんで、庇ったの?」

「なん、と、なく、かな。と言うより、んっぐ!ガハッ!」

「「ヨミ(キリ)!」」

「ああ、おっさん」

「何だ!」

「武器、壊しちまって、すまん」

「ヨミキリ!」

「もう、眠い、おや、すみ」


 ぱたん、とかろうじてあげていた首が下がる


「よみいいいいいいいいいいいいい!!!」

「くそっ!俺がついていたら・・・」

『それは結果論です』

「だが!」

『それに、彼、本当に寝てますから』

「「へっ?」」

「…すー」

「はあ?」

『彼、武器のメンテナンスのせいで全然寝てませんでした』

「はあ」

『更に彼、緊張の緩みがとれたから寝てます。重体に変わりはありませんが』

「はぁ、よかった、のかな?」

「全くだぜ、担いでくから、抱き起こせ」

「え、ええ」

『ああ、その前にボス格の口にある銃をとってくれます?』

「え?」

『唯一、無傷で残ってますから、多分』

「あ、ああ」


 大変なのに、こう、なんというか、脱力した気分なのは気のせいじゃないはずだ、絶対に


 村


「大丈夫なのかの?」

「回復魔法が効いたんだろう、寝ていやがる」

「吐血したと聞いたがの?」

「らしいが、フェイスガードが全く取れねえ」

「それは・・・置いとくとして、何があったんじゃ?」

「あいつらから聞いたんだろ?」

「うむ、じゃから、お主にも聞こうと思うてな」

「10体ぐらいののウーボアに挟み撃ちされ、うち一体がボス格だった」

「挟み撃ちとな?」

「ああ、で魔法で後方の群れを倒してから、サラとアイツが殿をした」

「じゃが、あやつらは残ったとな?」

「時間稼ぎだったのか、二人でも大丈夫だったのかは知らんが、結果はあのとおりだ」

「10体ぐらいと言っておったが33体じゃったぞ」

「途中、破裂音が続いていたから、おそらくそのせいだと」

「ふむ、ところでボスの群れに会うまでは何体ずつじゃった?待ち伏せにあったのかの?」

「3,4体だったが、待ち伏せにも会ってないがそれが?」

「なら何故、急に待ち伏せでしかも33体はおかしくないかのう?」

「それは、俺とクライが、ってしまっ」

「ふむ、つまり、お主らが騒がなければこう為らなかったというわけじゃな」

「っぐ、猛省してます」

「わしより先に言う奴がおるじゃろうて」

「あ、ああ」

「ああそれと、武器直してやってくれるかの」

「もちろんだとも!」

「たのんじゃよ~」


「さて、どうすんだコレ?」


 今、俺の前にあるのは鎧の兄ちゃんの特注モーニングスター

 刺がほとんどなくなってるし、肉がそのまま、柄もポッキリと折れてる

「作りなおしたほうが、早いか?」


 そう思いながらも直しつつ、どう謝るかも朝まで考え続けた

  


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