始まりの歯車 Ⅲ
Side:Yomikiri
さて、どうしたものか
「決闘を申し込む!!!」
全く面倒だ
数時間前
久々に重労働だきつい
元の世界じゃずっとコレに頼りっきりだったからな
「ここが鍛冶屋よ」
「まさしくって感じだな」
「よう鎧の兄ちゃん」
「はじめましてヨミキリです」
「堅苦しいのはやめてくれ、改めてガドスだ」
こらまたいかにもって感じのガタイの良いおっさんだな
「で、何の用かい。鎧の兄ちゃん」
鎧の、と呼ばれるのには慣れよう
「どういうのを鍛えてるのか知りたい」
「農作業系と鏃、それと解体用のナイフだが・・・まさか幻滅したとか?」
「いや、むしろなぜ?」
「まさしくっていったろ、最近の若いのは剣とか槍とか無いのかとか聞くもんでな、バト
ルハンマーは趣味で時々作ってるが持てる奴がなぁ」
村の人間なのに鍛冶屋の売ってるものとか知らないのか?
「ヒョロヒョロのガキンチョ共が毎日来ると思うか?」
「いや、思わんな」
「にしても変な鎧だな、隙間が全くと言っていいほど無いな。頭も含めて。前みえんのか?」
「ああ、バッチリ見える。作り方はご生憎検討もつかん」
正確には知ってるが設備が足らない、材料も含めて何もない
「いや作らんし興味もない、それにアーティファクトの類だろ」
「興味ぐらいあるかと」
「鎧は動きにくいからな」
「なるほど」
狩りに近接とかたしかに自殺行為だな
「そいやあの時も見たが右手だけ露出させてるのは何故だ?」
「それはウーボアに噛み付かれたからよ」
「あれに噛まれたのか、ご愁傷さまだな」
「むしろ骨折で済んだから幸運ね」
「違いねえ」
「二度と噛まれたくない」
「そりゃそうだ、で?なんか用あったんだろう」
「しかし、金がないしな」
「がっかりしなかったお礼だ一つやるよ」
うわっと、ナイフ投げやがったまあ鞘に入ってるからいいが
「危ないな」
「と言いながら普通にとってるじゃねえか」
「にしても理由が悲しいな」
「言うな」
「おい!」
なんだ?
反応から見て、後ろ3m
後部カメラはっと20代ぐらいの男か
って剣持ってやがる刃は潰れて・・・ない、殺す気か?
種類からして
「おっさん、じゃなくてガドスさん、ショートソードは取り扱ってるのか?」
「なんで分か、いや俺は取り扱ってない。先々代ぐらいかな」
「なに無視してやがる!!決闘を申し込む!!!」
しかたない振り向くか
ああ面倒だ
「どなたでしょうか」
「はん、俺の名もしらねえのか。俺の名はクライだ」
知ってるも何もここにいるやつで知ってるのはザークとサラとガドスのおっさんとウー
ボアぐらいだ。
「ヨミキリです。理由を聞いても」
ここは冷静に逆上してはいけない
「サラさんから離れろ!!このクノウの死にぞこない!!!!」
足震えてやがる
ああ、あれかこいつは怖くて小屋もとい俺の仮住まいに入れなかった奴らの一人か
「はあ」
「やれやれだな」
『彼は何をいってるのでしょう?』
「はあああああああ」
「何だ怖気づいたのか」
あ、しゃんとした
「いや、いいよ、決闘かあ。ここのやり方知らないから教えてくれおっさんじゃなくて
ガドスさん」
「おっさんでいいぜ、防具は自由、得物も自由だが近接武器だけだ、無論魔法もなし」
「魔法使いが申し込まれたときどうすんだよ」
「できないほうが悪い」
「まじでかよ、ご愁傷さまだな」
「まったくね。で、首につきつける若しくは負けを認めるで勝敗が決まるわ」
「なるほど」
「サラの嬢ちゃん、俺のセリフ・・・」
「ふん、すぐ勝つに決まってるさ」
「せいぜいがんばってください。泣き虫さん」
「な!?」
「ガッハッハ、おもいっきりバレてるな」
「ああ、それともう一つ質問」
「何?」
「得物が壊れた時は」
「手があるだろ」
「分かった」
「じゃあ、」
「始め!」
「だから俺のセリフ・・・」




