天才と秀才の戦い――私怨だらけの新年会(そのに)
「なんてことでショウ!! 開始早々、逃走者チームが次々と脱落していマス! コレについて、リノ君はどう見マスか?」
「どうも何も、殺戮班の方々が頑張っているだけでしょう。なんたってあそこは血の気が多いですからね。それ故に、失格者が出そうなものですが」
「まあソコはリーダーの器量にかかっているデショウ」
☆
「気い付けるのは、医療班と諜報班だけにせい。諜報班を見かけてもまだ戦闘はするんやないで。雑魚を片してからや。医療班に怪我一つでも負わしてみ? 損するのはうちらやからな。あぁそれと、まず西側に集中的に抑え込め。今なら人数が大分おる筈や。それと紅厨と祈にはちかづくなよ。無理言わすと、あの二人を遭わすな、ええな? あとは全員好き勝手やれ。ええか? これは訓練とちゃう。絶対に殺すなよ」
「了解」
「おお流石、舞裏さん。指示が的確」
「別に相手が知っとるからできたことや。やから手を出しにくいのもあるけどな」
「ん? それってどういう?」
「あいつらの頭がそこまでいかれていなければいいんだけどな」
☆
「――と言う訳で、今指示した場所にさえいれば、一先ず安全なので。よろしくお願いします」
「お前らいくつ危険物作っているんだよ!?」
「だってここの所有者うちと殺戮班だし、向こうも快諾してくれたんだってば。なあ、狂瀬」
「未許可のものも大量にあるけどな」
「でも、敷いているのは西側だけだろ?」
「たまに違反しているけどな」
「…………」
「我々は班長の指示の下で行っているが?」
「あー、えぇと、その……まあ!! おそらく、向こうは、まず西エリアを攻め込むはずなので! 敢えて、そこにいましょう!!」
☆
西エリア
「おいおい。これはどういうことなんだよ」
「知らん」
「知らん、ってそりゃないよ」
どうでもよさげにアサルトライフルを構える祈。「いや、構えちゃ駄目だろうが」とタグは諌めた。
「だって兄ちゃんが言っていることは正しいんだ。だから、偶然俺らがいる場所がこうなっているんだろう」
「えぇっ。それでいいのかよ」
「当たり前だろう!!」
「でも流石にさあ――どこいっても医療班しかいないっておかしくない?」