第1輝 「俺達が生徒会執行部だ」
※ある方から指摘があったため、やはり頑張ってオリジナルの路線で書き直すことにします。もとからあった話を書き直すため、やはりまたどこかで似てしまうかもしれませんが……そこは頑張ります。
―真空高校・入学式―
教員「それでは新入生代表光田君、前に出なさい」
カッ…カッ…カッ…
光田と呼ばれた生徒が体育館のステージの階段を登ってゆく。
そして、スゥゥ~ッ…と深く息を吸い込む。
「え~皆さんこんにちは!新入生代表、光田望です!
突然ですが、僕は生徒会長に立候補して、この学園をよりよいものにするつもりです!
投票よろしくっ☆」
生徒A「おいあいつ…なに言ってんだ?この学校は、確か3年しか生徒会長になれないはずじゃ!?」
生徒B「いや!あいつは中学の頃、『学園の英雄』とか言われてたんだ。聞いた話じゃ、先生からじきじきに特別許可をいただいたんだとか」
生徒C「でも、役員5人も全員1年にするとか言ってたぜ?あいつ」
生徒D「あちゃ~…あいつはたぶん先輩に目ェつけられたな」
教員「はいそこ静かに~」
生徒「う~い」
―――
いろいろあって、入学式終了。
『え~それでは新入生の皆さん、自分のクラスに移動してください。』
望「俺は1―Bか…」
―1―B教室―
ひとりの男が、望に話しかけてきた。
「やぁ、光田君。君、生徒会長に立候補するんだって?すごいね!
僕、六道七夜。ねぇ、僕と友達になってよ」
望「ん…いいけど?」
七夜「じゃあ、これからは望、って呼ばせてもらうね。
僕のことも七夜でいいからさ」
望「あ……、ああ」
そう言うと、七夜は教室の隅、掃除用具入れのロッカーと壁の間の、人ひとりぶんの隙間に入り込んだ。
そして、
「(ふ…ふふ…俺があのウワサの生徒会長を倒せば…
俺は一躍人気者に…♡)」
と、不敵に笑いだしたのである。
望「(なーんか怪しい奴だな…;)」
―――余談だが、その日の下校路にはこんな会話があった。
灯「望、よく僕達と同じ高校に入れたよな」
望「気合いよ、気合い!」
日射「気合いでどーにかできるレベルじゃないと思うけどね」
希「べ、別に、俺はお前が来ても嬉しいワケじゃないんだからなっ!」
望「はは、相変わらずツンデレだなぁ、希は」
希「デっ…!?はぁ!?別にデレてねーし!?」
未来「あたしは…望君が頑張って勉強して、あたし達と同じ学校に来てくれたのは、正直に嬉しいよ」
望「…は?」
未来「いや、違うよ!?別に!ほら、なんていうの!?そう!友達として!ねっ!」
望「いや…俺が言いたいのはそこじゃなくて。
俺、別に勉強なんてしてねーぞ?」
未来「え…?」
望「ほぼカン。」
希・未来・灯「…………。
えぇえええぇぇえ絵A柄江ェェェ!?」
日射「ははっ、おもしれー奴らだな」
―――一ヶ月後。
望は、他の3年生の立候補者に大差をつけ、生徒会長となった。
望「じゃあ今から生徒会室に行くわけなんだが…お前も来てみるか?」
七夜「うん!もちろんっ!」
生徒会室までの廊下を歩行中。
望「たく…なんで生徒会室が第2館にあんだよ…
おかげで、一度外に出なきゃいけないんだぜ」
七夜「仕方ないよ…もともと生徒会長は3年がやるもので、その3年のフロアが第2館なんだもん」
望「まぁ、これからずっとこの仕事をやっていくわけだし、いちいちこんなことも言ってらんねーわな」
会話を交わしていると、生徒会室の前に着いていた。
2人は生徒会室の中に入る。
望「ほー。生徒会室の裏は中庭になってるのかー。
いいねー」
校舎の構造に感心している望。
窓を開けて、ちょっと中庭に飛び出してみる。
と。
七夜が「望…」と話しかけてきた。
望「ん?」
望が振り向いたころには、もう七夜が表情を変えて殴りかかってきていた。
が、
身を屈めて望は七夜の拳を躱し、
体を捻って裏拳を七夜の頬にクリーンヒットさせる。
七夜「う…うう…」
望「やっぱり怪しいと思っていたが…どういう事だよ、七夜」
そんなお取り込みが終わった2人のもとに、日射が駆けてきた。
日射「おーい望ー!そろそろ集まる時かnΣ( ̄□ ̄|||)誰それ!?」
望「ほら、前に俺が話したろ?六道七夜。入学式の日に友達になろうって言われたからしばらく仲良くしてたんだけど、今日急に態度変えたんだよ。どうしよう?こいつ」
日射「ま、ほっといたら?」
望「(相変わらずテキトーやな…;)」
2人は生徒会室に戻っていった。
2人が去ったのち、
七夜が小さい声で「クソッ…俺は諦めねェよ…ッ!!」と吐き捨てた。
―――同刻、校内の別の場所。
灯が不良に絡まれていた。
不良A「よォ生徒会庶務の照咲灯クンよォ!
俺達ゃ生徒会みたいなエラソーだったり正義の味方気どりだったりするのが嫌いなんだよ!
でも明るい奴は嫌いじゃないから会長はまだ許せるんだよな」
不良B「じゃあ俺等がいちばん嫌いな奴はどんな奴か知ってるか?
お前みたいな!大人しく澄ましてる奴だよォ!!」
不良A&B「つーわけで……
死ねェェェェェ!!!」
不良の2人が殴りかかってくる。
灯「……。」
灯は無表情無言のまま、刹那にも満たないほど一瞬で剣を抜く。
そして音もなく不良の2人を峰打ちした。
不良A&B「えっ…ぎゃああああ」
一悶着が治まったのち、望と日射が駆けてきた。
望「灯ー!お前も絡まれてたのか?」
灯「望、日射」
望「どーやらあんまり人気じゃないみたいだな俺達…
まぁ生徒の頂点に立つわけだからな、仕方のないことか…
恨まれ役を買って出るのも生徒会の仕事さ!!(たぶん!)」
―――
―生徒会室―
未来「全くもう!3人とも遅い遅い!」
希「俺を見習え!15分前に来てたわ!」
望「悪ィ悪ィ」
そんな話をしていると、生徒会室の扉が開き、ひとりの教員が入ってくる。
教員「どうも。今日から生徒会執行部顧問になった、鳴滝竜也だ」
望「へェー。あんたが顧問の先生か。
…ん?…?…?」
竜也「どうした、望君。なにか言いたそうだね」
望「いや…なんか先生、うちの父ちゃんに何かが…雰囲気とか?が似てるなと思いましてね」
竜也「あぁ、君、光田光輝の息子君か」
望「! うちの父ちゃんのことを知ってるのか」
竜也「いや、俺や彼と同年代の人で、光田光輝の名を知らない人はいないと思うよ。
中竹男子高の光田光輝。彼の生徒会人生は立派なものだった…
俺もあいつとは仲が良かったが…『こいつには一生かけても追いつけないな』と思い知らされたよ」
望「先生も中竹男子高ってことか。じゃあ、運動すげーできるんじゃ」
竜也「いや…まぁ確かに『中竹男子高と言ったら運動部』というほど運動部が超盛んで全運動部においても強豪校、まるでスポーツの聖地ともいうべき中竹だが…残念ながら俺は文化部です。運動は全くできません」
望「そうか…」
話が終わったところで、ん、と望が何かを思いつく。
望「さて、こうして一年間一緒にやってく仲間が揃ったわけだ。
ここでひとつ、円陣を組もうぜ」
日射「おっ、いいね~」
未来「さんせー」
希「まぁ、やってもいいかも」
灯「うむ」
望「おし、じゃあ集まれー。ほら、先生も」
望達6人は、がっちりと円陣を組む。
望「じゃあみんないくぜ」
呼吸を整え、一斉に。
望「俺達が!!!」
6人全員「生徒会執行部だ!!!」
―――
希「…なぁ。今気付いたが、このくだり、打ち切り漫画の最終回みたいじゃないか?」
望「言うな…何も言うな」
かくして彼らの高校生活、そして生徒会生活は幕を開けたのである。
第2輝へ続く