#3 『シリウスの子』
『シリウスの子』
アパートの屋根に上って 夜空を見上げてみたけれども
そういえば今日は曇り 星が見えるはずもなかった
次の日は雨が降って その次の日には嵐になり
なんだか不運と言って 君は星見表を回した
宇宙の果て光る星は 僕らを灯す明かりのように
何百年変わることなく 輝いているのに
コンビニの袋提げて 買出しも準備も万端と
意気込んで上った屋根 街の灯で星が見えない
お手製のプラネタリウム これで我慢するしかないのと
君が悲しそうに言う 僕も少し寂しくなった
写真のような夜空なんて 都会じゃなくても見られない
そんな時に生まれたのが ひどく恨めしいよ
神様がくれた奇蹟 街中が突然の停電
チャンスだと見上げた空 シリウスが一際光った
瞳の奥満天の星 こぼれ落ちた君の涙は
悲しみじゃなくて 少し笑顔交じりだった
宇宙の果て光る星は 僕らを灯す明かりのように
何百年変わることなく 輝いていたんだ
《ライナーノーツ in 「シリウスの子」》
バラード、ロックときたらポップスだろう、と言うことで白羽の矢を立てた「シリウスの子」は、明るいポップソングとして書きました。
シリウスというのは、星の名前です。冬の大三角形を構成する一等星のひとつにして、太陽に次いで明るい天体として知られています。歌詞を書いた当時は、知りませんでした。歌詞が冬っぽくないのは、そのためです。
宇宙や星と言うものが好きで、そういったものをコンセプチュアル・テーマに書いた曲・歌詞のひとつとなります。比較的ストーリー性のある歌詞で、起承転結の物語を歌詞の中に盛り込んだのは、後にも先にも、今のところ、この歌詞しかありません。