#24 『孤独なトラベラー』
知らないものを知れば また哀しみが増えて
曖昧なもの追えば 寂しさが心奪う
君宛の手紙の文字 「サヨナラ」の一言だけ
終わりない物語に そうさ僕も 孤独だから
メグる世界でまだ 生き残ってるなら
けして後悔はしないよ
旅の果てに見えた 光はきっと
暗闇を引き裂くように
下らない命でも 捨て去れないものなら
理由のない罪でも 赦される日が遠のく
夕凪の空を見上げ 君が泣いていたことも
いつか忘れていくだろう それは生きている証拠
生れ落ちた意味は 誰も知らない
この旅に果てなどなくて
僕も君も独り 死んでいく前に
君の名前を叫ぶから
泣かないで 強がらないでと 差し伸べたその手を払って
明日を睨みつけて 僕は歩き始めた たとえその先に闇があっても
メグる世界でまだ 生き残ってるなら
けして後悔はしないよ
旅の果てに見えた 光はきっと
暗闇を引き裂くように
《ライナーノーツ in 「孤独なトラベラー」》
この曲の歌詞の一部を、拙作「奏世コンテイル」の第六十二話で、登場人物のカレンが歌う「旅人の歌」として引用しています。
漠然とした旅人の歌です。どこへ行くのか、何のために旅立つのか、どうして独りなのか、具体的に明言を避けています。そのため、禅問答のようではありますが、その解釈は、読まれた方に委ねたいと思います。
後にも先にも「死」と言う文字を使ったのはこれが初めてで、重苦しさを添えています。それでいて、楽曲自体も、非常にアレンジを重厚に作りこみました。ロックのテイストがあるものの、ロックではなくバラード的アプローチを行い、非常に印象的なピアノ伴奏が特徴です。