#10 『スパイラル』
窓を流れてく 火線の帯を見つめて
星の瞬きに 似ているなと思ってた
空気が淀む世界から 抜け出す術を知らなくて
見つめる目が触れる悲しみは
螺旋のように連なり
兵器が生み出す終わりの声
悲鳴に変わる時が サヨナラ
並列なものは この世に溢れてるのに
不規則に消える 言葉の数は多くて
本当に正しいものが 人それぞれにあるものか?
握り締めた両手の憎しみ
クルリ渦巻きほどけない
潰える命を救う術は
現実と理想から 生まれる
寂しく泣き崩れる子どもを
抱き上げた手は血まみれ
許しを請うことも許されず
また火の雨が降るよ
見つめる目が触れる悲しみは
螺旋のように連なり
兵器が生み出す終わりの声
悲鳴に変わる時が サヨナラ
《ライナーノーツ in 「スパイラル」》
この曲は、歌詞のとおり、反戦の歌です。この曲は少し異質ではありますが、「兵士」から見た、戦争を描いたつもりです。現段階では未掲載ですが、反戦歌は「スパイラル」までに、二曲ほど書いたことがあります。いずれ、掲載したいと考えております。
思想めいた曲というのは、あまり賞賛されたものではありませんが、歌詞の中にいずれにしろメッセージを込めるものだと考えています。その代表格の一つが、平和へのメッセージ、と言っても間違いではないでしょう。実際、「平和ソング」は、ジョン・レノンに代表されるまでもなく、世の中にたくさん存在します。
この曲は、その末席にしがみつきながらも、他と違い、戦争をしている当事者の目から見た、戦争へのメッセージを込めました。
わたしが「スパイラル」に込めたメッセージが、一体何であるかは、読まれた方の想像にお任せしたいと思います。
曲自体は、ロックテイストではあるものの、かなりマイルドなテンポの曲です。アレンジもスタンダードに行いました。「螺旋のように~」と言うところが、異様にキーが高いのが難点です。