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暴財力の献身  作者: コロリア


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5/8

休日

御影家敷地内の山の中腹にある開けた草原。


御影伊織。


御影 朧。


二人は相対している。


今日は2人共に不定期の休日を頂いたのだ。


〈きっかけ〉奇襲は無しにし、立ち合いと、相成った。


きっかけ奇襲とは、初撃を入れる為の気のフェイントの事だ。


それは人の無意識を利用する技である為に、達人であれば、容易く出来る。


それを無しにし、技のみの応酬をと、朧が言い、伊織があっけらかんと受けた。


朧が八卦掌の制空域を手で描きながら、待ちの姿勢。


後の先。


伊織「いいか?」


朧「無論」


伊織はスタスタと待ちの姿勢の朧を残して、林に近寄る。


朧「?」


伊織「そういう姿勢は、利用されるぜ?ふ!」


伊織は手刀で細長い竹を沢山切ったし、折った。


そしてー。


〈ボキ、バキ、ボキボキ〉


それを15cm程度に折り分けた。


朧「(まさか!)」


伊織は歩き出した。


伊織「これは軽いからなあー、投擲能力は低い、でもなー、至近距離ならー〈スー〈ビ!!!〉」


話しながら折り、話しながら近寄り、ある地点から一気に間合いを詰め、ると同時に朧の顔目掛けて投擲。


朧は顔で受け流すしかない。


伊織を視界から離せば、待つのは死のみ。


だが、伊織は細竹はわざと横に投げていた。


細竹は空中で網状になり、朧の顔に当たった。


朧は目を瞑らず、顎を引き、おでこで受け、伊織を視界から離さない。


が。


伊織は消えていた。


朧「(しま、上!)」


伊織は後ろから朧に抱きついた。


朧「は!?(速!?)」


伊織「勝った!はははは、約束通り好きにさせて貰うぞ!」


伊織の声が朧の耳の直ぐ側で。


朧「は、はい、や、約束ですから!どうぞ!」


朧は真っ赤。


伊織「膝枕!」


朧「……え?」


笹の音、木漏れ日の細々な光。


伊織「ふあああ、眠い、少し眠る」


朧「はい、どうぞ」


伊織「すぅーー、すぅーー」


朧「かわい」





伊織が休日の日は、琉刃は何処にも行けない。


巨大な金庫の中にいつも一人で過ごす。


マンションの77階の真ん中の部屋。


その部屋の中にまた金庫部屋がある。


そこには寝台VR装置がある。


そこに寝て、VRヘルメットを被る。


正確なマイクロ波を脳の各部位ごとに当てる技術により、匂い、音、手触りを再現可能になっている。


いつもはそこで砂漠の横断や、海の深海を旅する。


のだがー。


2つ寝台装置がある。


ビビアン王女「わあ!これ、一度使ってみたかったの!母様がどうしても駄目だって、でも今日は出来て嬉しいです!」


琉刃「本当に宜しいのですか?私が行く場所は多分普通の人は怖いですよ?」


ビビアン王女「あなたが居る、それだけで十分ですわ!」


琉刃「ふふ、分かりました、でも無理なら無理と言ってくださいね?直ぐログアウトしてくださいね?心に傷が残ってしまいますから」


ビビアン王女「はい!分かっておりますわ!では早速!使い方を教えてくださいまし!」


琉刃「はい、それでは、まずここをー」


ビビアン王女「この機械下着を履くんですの?」


琉刃「仕方ないでしょう?人間の生理現象です」


ビビアン王女「う、うう」


琉刃「それ履かないと進みませんよ?私はあちらを向いておりますから」


ビビアン王女「は、はいい、絶対に見ないでくださいね!」


琉刃「はいー」


ビビアン王女「ん、ん〈ガチャガチャ、パチン、パチン〉こ、これで良いですか?」


琉刃は振り返り、きちんと装着出来ているかを観察する。


ビビアン王女「ん、く」


真っ赤。


琉刃「はい、問題無いです、では、始めましょう」


ビビアン王女「はいい(涙)」


まずビビアン王女からログインする。


ビビアン「直ぐ来てくださいね!必ずですよ!?」


琉刃「はいはい、必ず」


ビビアン「絶対にですよ!素早くです!分かりましたか!?」


琉刃「はいはい〈ピ、ピ、ピ、ピ〉」操作中。


設定、天の川銀河。


ビビアン「そういえば何処に飛びますか!?教え〈ガクン〉」









ビビアン「ん………?」



UFOの中。


宇宙船のパイロット席にビビアンは座っていた。


ビビアン「うわあ!?宇宙船?うわあ、綺麗な宇宙船!」


全てが白?銀色よりも白色だ、全てが滑らかな円の設計である。


UFOの中の明かりが消えた。


目の前には大きな窓がある。


室内の明かりが消えた事で、外の明るさが目立つようになった。


ビビアン「うわあ、これがVR?信じられ」









ビビアンは日本文化を学ぶ上において、日本の夜景が何よりも好きだった。


その中でも蛍の群れの光の幻想さが大好き。


ビビアン自宅には蛍の夜景写真がデカデカと額縁に飾られている。





どんな蛍の群れよりも。


どんな幻想的な宝石達よりも。


綺麗。


美しい。


幻想的。


そのどれもチープな言葉に聞こえる。


何を。


何の言葉を言えば、〈コレ〉を言い表せられる?


ビビアンは目を見開き、涙が勝手に流れていた。





琉刃「良いですよね」


気づくと、琉刃が隣の椅子に座っていた。


ビビアンは琉刃に抱きついて泣いた。


鳴いた。


何故かは分からない。


大声で泣き続けた。



end

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