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その八

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 額を気にせず、お金をつかってみたい。そう思うのも無理はありません。何しろ生まれてこの方、何かを買う時には常に同種の商品の中で一番安いものを買ってきたのですから、わざと高価なものを買うなど、目がちらつき、手が震え、何か自分が他人の物を盗もうとしている泥棒であるかの様に後ろめたい感じがしても、それは仕方がないでしょう。染み付いた習慣というものです。でも幸いにして本当にそういう行動が出来る、事情が許すのであればたまにはやってみれば良いのです。そして事後、告白すれば良いのです。

「贅沢とは、もっと楽しいものであると思っていた」

 その程度の事であれば、実地にやってみて満足の度を量ってみれば良いと思います。高価なものは大抵の場合その値段に見合わないものです。しみじみと心に沁みそして後々までも自分を慰めてくれるものは、金銭的には実に些少のものである事を知って下さい。


6786

 私の小学生の頃テレビでやっていた、夏目雅子三蔵法師の西遊記。その一番最初のシーンでした。野盗が村町を襲い、人を殺し家に火を付け、物を奪う中、殺された死者の前に座り経を唱え続ける三蔵法師の姿。それが五十年近く経った今でも私の目に焼き付いています。それを初めてテレビで見た時、小学生の私も勝手に、意識しない間に三蔵法師と同じ様に胸の前に両手を合わせていました。ピアノだけで歌詞の無いガンダーラの悲しい旋律がこのシーンを私の中で消えない、時の流れに決して摩滅しないものにしたのです。

 人が楽園を希求する気持ち。それは決して好き勝手が出来て、贅沢が出来て、思いのままに我儘(わがまま)を尽くせる環境を欲するものではありません。普通に、人間として当たり前の、愛する家族と共に平和に働いて年老いていく、ただそれだけの事が実現する所を求めたのです。それが人間が求める『あまりに遠い』『遥かな世界』です。それが私の求める西方浄土です。

 私はそういうものを求めず気の狂った様なものに餓えて飽きない人間達に伍し並ぶ事はありません。私の中に在る強く激しい欲求は、必ずガンダーラの歌が歌う様な人間らしいものの極みに()って生まれ、在り続けます。真実に滅びないものはそういう願いです。私はそれを願う私のまま、地上での命が尽きる事を願うのです。


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 立派な事を言う必要はありません。正直な事を言う必要があるのです。自分が感じた事想った事をそのまま表現する事が大事なのです。人の心を打つのは正直が打つのです。立派な事が感動を与えるのではありません。

 若しも自己研鑽をするというのであれば、自分をそのまま表現する事をこそ研鑽して下さい。新しい知識見識技能を身に付ける事などではなく、瀟洒又は華麗に表すその方法を磨く事でもなく、一途(いちず)に自分の心をそのままに表現する事を目指して下さい。本当はその事以外の研鑽など必要無いのです。


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 いつも、いつでも、最も強いのは一途(いちず)です。他の事が目に入らない一途(いちず)です。その中に自分を置いて走る時、人は一番命に満ちるのです。

 論理的思考理性的批判で物事世の事象を厳しく観察すれば良いでしょう。現代に限らず人の世にはこれが必要です。必要でない訳がありません。しかしその厳格な批判には最初から目的があって、自分が正に盲目的に自身を委ねる事が出来る程のものを見出す為なのです。それを見出さずに批判のみに終始したら何も生まれません。『これでもない、あれでもない』で人生が終わります。批判のみに終始してそれで足れりとする志向が本質的に目的に辿り着かない要素を含んでいます。

 目的を、目当てをもって、世界を厳しく批判して下さい。私が言いたい事はそれです。

 ブログは毎日更新しています。

https://gaho.hatenadiary.com/

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