その七
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琵琶湖西岸、風光明媚で穏やかな、しかし冬は比良山系から吹き下ろす寒風にさらされた場所。其処を昔、鉄道が走っていました。国鉄湖西線が開通する前です。小さな鉄道ではなく比較的規模の大きな鉄道で、多くの気動車が走っていました。夏には湖水の海水浴客を多く運んでいました。でも沿線の駅々は古く、その時代らしく古びたものでした。私が生まれた後もまだ走っていましたが、私の家からは遠かったので遂に一度の探訪も叶わぬまま廃止されて仕舞いました。その存在を知った時、小学生の私は自分が間に合わなかった事を悔やみました。でも正にその分、小学生の私はあらん限りの想像を逞しうしてその鉄道ありし日を想像しました。
江若。私にとってこの名は特別なのです。その跡は今も所々に残っていると聞きますが、私が見た、そして愛した、古い小さな駅が樹木や雑草に覆われて在った写真の光景は既に在りません。何より昔其処に生きていた人達にも最早会う事は出来ません。私は五十年も遅れて昔その場所に在ったものを追悼します。屹度納得出来るお話を書く事が出来るでしょう。私にとって特別であるその名を、そのままにタイトルにする心算です。私の想像の記憶を優しく弔うお話になってほしいです。
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「詰まらん、詰まらん」
世の中が悪いからではないと思います。世の中が悪い事は最初から知れ切っています。それは確かにそうです。でもそれが理由であなたが詰まらないと思っているのではないでしょう。自分が目標を見出せていないから詰まらないのでしょう。
そういうものではないでしょうか。見付け出して下さい。大事な事はいつも自分自身に懸かっています。
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一般に、如何に苦しくとも今の自分を助けてほしいと他人に表明してはなりません。世の中の人の全て、否、多くが誠実な人であるならば言い表わしても可いのですが、現実はそうではありません。そこにつけ込んでくるビジネスさえも世の中にはある程です。だからそういう事を他人に言うべきではありません。
苦しいでしょうが、その苦しみを自分が心の中に抱く人にだけ話す事にして下さい。その為なのです。その為に人は自分の大切な人を見付け、胸に抱いていなければならないのです。自分の中にそういう尊い存在が誰も居ない、私ならそれでは生きていけません。そういう人を見付け、創って下さい。その為にも生きなければならないと思います。
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何度も泣けば可いでしょう。世の中の理不尽、自分の腑甲斐無さ、運命の厳粛、世界の非情さに。でもその後で立ち上がらなければなりません。その時にどうしても自分を支える杖が必要になります。
あなたが自分で必要だと思う杖を見出したら良いでしょう。所詮、それは他人からの助言など役にも立たぬものですから。しかし敢えて私は一言だけ言いたいと思います。その時になってからでは遅いのです。その時までに既に自分が永く探し求めてきたという歴史が必要なのです。それ無しにいきなり、誰であっても何んな風に生きてきた者でも必要なものを手に入れられる、そんな事を前提にしていてはいけません。そんな都合の良い事を考える程に馬鹿であって、どうして厳しい運命に相対する事が出来ますか。幼稚でも可いですから普段から誠実であって下さい。私はそれしかないと思います。
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