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その六

6777

「一生、つらいところを通ってきた」

 その通りでしょう。でも、大事な事を言っておきます。つらいところを通ってきたのは実は殆どの人がそうなのです。それは何も珍しい事ではありません。苦労の種類が違っていただけです。金持ちでもやっぱり一生の間ずっと苦労するのです。

 だから『一生、つらいところを通ってきた』だけでは、回顧して今の充実を感じる事は出来ません。それだけでは足らないのです。自分の信念をげなかった、貫いたのだという自覚の無いところに、本当の意味での満足安らぎは起こりません。それを目指して下さい。この世を去るのも近い、そうなった時には是非共この自覚が自分の隣に居てくれなければなりません。


6778

 真実に自分の事を愚かであると人が感じる時というのは、言語を絶して苦しい筈です。何故ならそれまでも自己の信念に基づいて懸命に頑張ってきたというのに、その信念指針が間違っていた、誤っていた事を、それは認める事に他ならないからです。そんな事は一つ間違えば気が狂う程の事態ではありませんか。だから息が詰まり、目が回り、正気で居られるか怪しい程の事態であると私なら思います。

 それをあたかも衣服を着替える様に軽々と、事務的に、新しい指針に従って自分の人生を計画し始めるなどと、私が信頼する筈がないではありませんか。そんな人間は最初から信念や自覚的な指針に従って生きていたのではありません。何も無かったのです。だから新しいものを極めて容易に『採用』出来るのです。いや、その新しい何事かも時が来たら簡単に脱ぎ捨てるのでしょう。そういうのを節操が無いと謂うのです。それでどうして一生の間に何事かが創り上げられるというのですか。そんな事はあり得ない話ではありませんか。


6779

 人間らしさと或る程度の貧しさ。両者は必ず調和します。この二つは互いに助け合うと言ってもい程に調和しています。逆に一番人間らしさと一致しないものが金銭的に裕福である事です。これは水と油よりももっと相和あいわする事がありません。互いに互いを害し合うのです。

 質素に暮らして下さい。そうです、質素と呼べる程度の貧しさが一番人間には良いのです。そして、そういう事情の中で見出す生きる理由を掴んで下さい。そういう中で見付けるものはその後何があっても崩れる事がありません。永く自分を支えてくれます。余分なものが一切混じっていないからです。幸運を祈ります。


6780

 投資家というと、溢れる程お金をもっていて、結構な豪邸に住んでいて、食べるものも朝から十品くらいあって、いつも身綺麗にしていて、心配らしい心配も無く、挙動に必ず余裕があって・・・と、んな風に想像する人が多いのではないかと思います。でも、これは間違いです。単純に、事実と異なります。投資家はいつも結構心配しています。それに多忙です。目覚めてから眠るまでずっと情報を処理し決断し、そして結構敗ける事があります。同時に幾つかの投資をしているから、敗けてもその被害が緩和される事情があるだけで、実態はかなり大変な『仕事』です。勿論今日明日の食べるものにも苦しんでいる、雨露をしのぐ家も無い、それよりは財産をもっている分、楽でしょう。でも投資家の事を地上の楽園に住んでいる人間の様に見做すのは誤解の極みです。決してそんな事はありません。一つ間違えたら自分の財産の多くを失うのです。また一発に敗ける事は少ないにしても、じりじりと資産が目減りして行く時の焦燥は何とも謂えぬものでしょう。

 私が言いたいのは、決して失われる事の無い、その心配の皆無な資産をもって、真実に安楽に満ち足りて暮らしている人間などそうそう居るものではないという事です。人間の幸福は最低限の物質的経済的要因が満たされた後は、卒然として精神的要素にその充実を求めるものです。そちらが揃わないと本当の幸福には届きません。だから投資家は皆どことはなしに空虚な顔付きをする様になるのです。その投資の為の直接的な行動に出ている時以外は。尤もその時の『空虚でない顔』も、決して自分の幸福の為に直接資する懸命を表しているのではありませんが。

 自分の幸福の為に何が必要なのかよくよく考えてみて下さい。そして目標を定めたらその為に力を尽くしてみて下さい。私であれば、尽くし喜んでもらうに値する人間を探す、そういう行動をとるでしょう。それが私が空虚でない顔をする為に一番必要な事だと思っているからです。

 ブログは毎日更新しています。

https://gaho.hatenadiary.com/

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