その二
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自分が何を望むのか、自分は何を欲しているのか。これが分からなくなる事を私は恐れるのです。
目標が立ってそれを目指して進む事の困難は、抑々(そもそも)その目標が立たない事の困難と同列に置かれるべきものではありません。前者は人を疲れさせる事はありますが決して破滅させる事はありません。しかし後者は破滅に直結します。何というのか、目指して進む目標が既に論理的に成立しなくなっているなどという境遇に落ちてよいものでしょうか。絶対にいけません。その先には生きる限り永劫続く逃避と倦怠が、更に進めば発狂が待っているのみです。だから自殺したくなるのです。
自分が何を望むのか、自分は何を欲しているのか。それを見失わぬ様にする為には何が必要なのか。私はこの問いに対していつも『澄んだ心だ』と答えます。その澄んだ心を保つには・・・。日常の言動全てで自分を裏切らぬ事です。それしかないと思っています。
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淋しい所に出向いて行って下さい。その淋しい場所で誰か淋しく暮らしている人を見付け、出来れば話をして下さい。そして自分自身とも、しっかり、果てしなく対話して下さい。そういう所でなければ自分と対話出来ないではありませんか。
淋しい所を訪ねて下さい。あなたが人の中でちゃんと生きる為です。その為にこそ時々は淋しい所に出向いて下さい。
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私は『芸術』など特別に欲しくはありません。若しかしたらそれは私にとって『科学』程にさえも必要は無いでしょう。私が必要としているのは人間の心です。人の心の切なさ、あたたかさです。それから切り離され『昇華』したものなど要りません。全然欲しいと思わないのです。
人間の生きる苦しみを語らないものに、抽象的に『美』という観念を追い求めた何かに、人が人を想う切なさを却って嗤う何ものかに、どうして些少と雖も価値を認める事が出来るでしょうか。私はそんな馬鹿な人間ではないつもりです。何が私を生かし導くのか、それは知っているつもりです。
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名が売れると、或いは社会的地位が高くなると、おべっか使いが雲霞の如くに寄り集まって来ます。しかもその全員が自分がおべっか使いであるとバレる、見抜かれる事はないと信じているのです。あなたならそんなものを眼前に見て平気の平左で居られますか。『おえええっ!』と嘔吐を催すのが普通でしょう。
人はそれだけ汚いものです。よくよく知っておいて下さい。それを知った上で世の中で生きて下さい。それを知っていても猶、動かない信念を奉じて生きて下さい。
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