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その一

6757

 不本意な拘束は誰だって嫌です。だから仕事を辞めたいと思う人が多い訳ですね。でも、一方で考えてみた事がありますか。では全く拘束の無い自由の中で自分は爽快なのか、と。拘束を受ける場合と全く同じ様に自分が窒息して仕舞うのではないか、と。それを目指して生きる目当てを見失うのではないか、と。そこに不安を感じないでしょうか。では、間をとって適宜拘束を受け適宜自由を得ているそういう状況であれば幸福でしょうか。これは違いますよね。拘束と自由の調和の度合いを調整する事で自分の幸福感が増す事が無いのは、誰でも容易に想像出来る事ですから。

 自分の意志のままに生きるという事が幸福に繋がる為には条件があるのです。その自由を『用いて』自分が目指すものをもっているという条件です。それも無しに一切の義務拘束から逃れても、その後に待っているものは気が違いそうになる倦怠です。誰からも如何なる拘束を受けない事、それでも人はそれだけでは幸福になれません。一生かけて目指すものを見付けて下さい。ちゃんと人の切ない想いが()み込まれた生き甲斐を。


6758

 楽に世の中を渡る人が全部不誠実な訳ではないでしょう。ですが楽に世の中を渡る人の全部が私は深い人ではないと思います。不誠実ではないが深くない。人間の深さとは安楽に暮らしながら机上で何かに『真剣に』没頭する事では得られません。それは殆ど全部、人の苦しみ悲しみが彫りまた削り出すものだからです。人の中に入って他人と接触しなければ深さは得られません。()してや『楽に世の中を渡る』、深さを求めている人間がそんな在り方が出来る筈がないではありませんか。外を一歩歩けば自分が楽では居られない事情が目に飛び込んで来るというのに。

 寧ろみっともない程に足掻(あが)いて、関わって、戦って生きて下さい。そっちの方がずっと人間らしいです。楽に世の中を渡る人が出来ているのは、その人がしている事というのが『世の中を渡る事』だけだからです。渡り終えたらもうその人のする事は何もありません。精々がまた渡るべき何かを探すくらいな事でしょう。何の為に世の中を生きるのか、既にその意義にまで到達している人間が、楽に世の中を渡る事を宣言している人間に対して間違っても楽だから羨ましいなどと感じるべきではありません。可哀想に思うべきではありませんか。あの人はそれで一体何が『出来る』のだろうか、と。


6759

 私が大学生の時高校時代の恩師を訪ねて一緒に喋った際に綱島梁川の話をするとその先生は、

「君は梁川を読むのか!」

と感嘆していました。最早歴史の彼方(かなた)に没した人ですが、その道を志す人ならば必ずその名に行き当たるでしょう。今でも私の中では日本の哲学者というとこの人の名が真っ先に浮かびます。西田幾多郎は私には判らないところが多々あります。けれども梁川や清澤満之には私に判らないものがありません。ストレートに私の肚に落ちてきますから。

 多分私は哲学を求めていたのではないと思います。私が欲しかったのは最初から宗教だったのでしょう。また更に著しく謂うならば宗教でさえもなく、信じ抜く人、その心だったのだと思います。それだけが私の生きてきた歴史にそのまま寄り添ってくれましたから。


6760

 馬鹿は自分が何処(どこ)に向かって進んでいるのか知りません。なのに、

「私はこれだけの地位を獲得した」

とか、

「私はこれだけのものを創り上げた」

とか心に思うのです。或いは他人にそれを言うのです。衷心からそれが何らかの成果であると見做しているからでしょう。

 何に向かって自分の人生が進んで行っているのか。それが確定されていない状況で、地位も創り上げたもないでしょう。船の進路が決まっていないのに『機関、異常無し!』とて本気で喜ぶ愚かさにも似ています。最初に見出しておくべきではありませんか。自分が一生で何をしたいのかを。

 ブログは毎日更新しています。

https://gaho.hatenadiary.com/

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