第5幕 ラマヌジャン②
教授と生徒登場
生徒「なるほど。もしそのハーディがラマヌジャンを見出さなかったらその多くの偉業は埋もれていったと言う事ですね」
教授「そうかもしれんし、また別の誰かが彼の才能を見抜いたかも分からん」
生徒「その才能なんですが、今の話だとよく伝わってこなかったんですが。独学でケンブリッジ大学に招待されると言われても」
教授「では君、1729という数字はとてもつまらないものだろう?」
生徒「1729?ん~ちょっと分からないですね」
1729が現れる
教授「まぁ普通はそうだろう。だが彼は違ったんだ」
生徒「どう答えたんですか?」
教授「晩年、床に臥せっていた彼は今のような問いをハーディにされてこう答えた」
(二人からスポットライトが外れ、横にいるラマヌジャンたちに向けられる)
ハーディ「1729はなんてつまらない数字なんだ」
ラマヌジャン「ハーディ先生、それは違います。1729は、3乗された数を2つ足すことによって、2通りに表すことができる最小の数です」
生徒「ヘイヘイ!!ちょっと待ってください!!」
(スポットライトが生徒たちに戻る)
教授「なんだね突然」
生徒「1729が2つの3乗数の和で2通りに表される最小の数って、そんなの一瞬で分かったんですか?」
教授「それが彼の並外れた計算力だ。因みに1729はそこにあるよう、10の3乗+9の3乗、それと12の3乗+1の3乗で表される。最小性と、2通りであることはあとで個人的に調べて欲しい」
(それぞれの計算が舞台下で行われる)
生徒「そんなことが出来るんですか?」
教授「やってのけるのが彼の才能だ。結果、彼によって1729は大変面白い数字になったと言う事だ」
生徒「なるほど。やっぱり数学の世界は奥が深いなぁ」
教授「そう言っている君もここにいると言う事はそこに片足を突っ込んだも同然なんだぞ?」
生徒「分かってますよ。これからも数学をがんばって勉強していく気に鳴れました」
教授「その意気でがんばってくれ」
多少でも数の世界に興味をもっていただけたら嬉しいです。
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