第17幕 立体①
教授が舞台の左から登場する。
舞台の右から生徒と女の子が1人歩いてくる。
生徒「あ、こんにちは」
教授「こんにちは。おや、彼女さんと一生かね?」
生徒「違いますよ! この前に話した従姉妹です!」
従姉妹「は、初めまして! 噂の数学の先生ですか?」
教授「どんな説明をうけているかはわからんが、一応数学を専攻しておる。そして君が噂の従姉妹さんか。確か中学生だったかな?」
従姉妹「はい! 中学生になって数学になったのですが、小学校の時は算数得意だったのに、少し苦手になってきちゃって」
教授「算数から数学に名前が変わるし、具体的思考が中心だったのが、抽象的思考中心に変わることに戸惑う子たちがいることも確かだ」
従姉妹「具体的? 抽象的?」
生徒「実際に物を使って表したりするのが具体的思考、それを数や文字を使って式に表したりするのが抽象的思考って感じでいいよ。低学年の頃おはじきとか使って足し算しなかった?」
従姉妹「ありました! りんごが3つあって、後から5つ増えました。その問題の時におはじきを並べた覚えがあります」
教授「計算を具体化して、結果を導く。やがてはそれを紙と鉛筆だけで行う。理系の学問においてほぼ手ぶらでできるリーズナブルな学問といってといい」
生徒「大学生になると紙はチラシの裏だし、ペンはボールペンになったりしますね」
従姉妹「ボールペンだと間違った時に消せなくないですか?」
生徒「僕の場合はいちいち消すのが面倒だから、間違った数字を黒塗りして書き直すかな。いちいち消しゴムで消してなんて面倒だし、ボールペンでシャカシャカかきたい派だから」
《意見には個人差があります》のテロップが流れる。
教授「まぁ大学レベルになると一つの計算がノートの1ページに収まらないこともあるのは事実だ」
従姉妹「なんだか頭が痛くなってきますね。私には難しいです」
教授「数学の面白さを知っている人間が、苦手な人間にいくら話をしても嫌いが加速してしまうことはよくある。ただ、何かがきっかけになり、好きになることもある。ちなみに今はどんな勉強をしているんだい?」
従姉妹「この間、立体に入りました。体積の勉強は6年生の時にやったのでなんとか頑張れましたが、表面積というのを勉強したと思ったら今度は円すいという形が出てきたんです。でも円すいの展開図が未だにイメージしにくくて」
生徒「あーあれは厄介だよね。底面が円なのはわかるけど、側面の部分が扇型に展開されるのは実物を見ても中々納得しずらいよね」
従姉妹「そして、なんで円錐などの錐体は円柱などの体積の1/3なのですか? 先生が模型に水を汲んで実験してくれたのですが、どうにも納得できなくて、、、」
教授「なるほど、では錐体について少し話をしてみようか」




