第14幕 確率②
教授「算数数学でよくある解決方法に、低次元で行う、というものがある?」
生徒「低次元、、、レベルが低いってことですか?」
教授「ニュアンスとしては間違ってきない。ざっくり言うと、条件を簡略化させることだ。アタリが一本、ハズレが一本のクジを考えるぞ」
教授の手に2本の棒が現れる。
教授「この場合、君は先と後どっちでも引きたいかね?」
生徒「えー先に当たりを引かれたら負けちゃうから、先がいいです!」
教授「なるほどなるほど。ただ、そこで外れを引いた瞬間負けが確定するぞ?」
生徒「うーん、悩ましいですね」
教授「ここで、先ほどのようにアタリとハズレを処理してみる。先に引いた人が当たる確率は当然1/2だ。後ろの人が当たるためには、先の人がハズレを引かなくてはいけない。これと1/2だ」
生徒「あれ? どっちも一緒?」
教授「ふむ。2択の時は先でも後でも確率は変わらないとわかったな」
生徒「でもこれは2択なだけで、数が増えると変わるんじゃないですか?」
教授「ではアタリ1本、ハズレ2本でやってみよう。先攻が勝つには1/3を引かなくてはならないな」
生徒「後攻は2本のうちから選べばいいから後攻の方がいいですね!」
教授「これこれ、はやとちりをしてはいかんぞ。後攻が勝つにはまず先攻が2/3のハズレを引く必要がある。そこからさらに自分が1/2を引かねばならん。つまり確率は2/3 ✖︎1/2となる」
生徒「ん? あれ、これ約分すると1/3じゃないですか?」
教授「つまり?」
生徒「先攻でも後攻でもまた、一緒? えーなんか、納得いかない! 先攻がハズレ引いてたら後攻が有利なんじゃないですか?」
教授「ああ、それはまた別の話になるんだよ」
生徒「え、また別の話? 何がですか?」
教授「つまり、『先攻が何を引いたか』を『後攻が知っているかどうかで後攻の確率は変わるんだ』」
生徒「はい?」