第13幕 確率①
生徒と教授が左右から現れる。
生徒は歩きスマホをしている。
生徒「また外れた、、、」
教授「これこれ、歩きながらスマホを触るのは感心せんぞ」
生徒「あ、これは教授。すみません。今やっているゲームで新しいガチャが出たので早速引いたんですが、レアキャラが当たらなくて、、、」
教授「最近の話題のスマホガチャというやつか。因みにどれくらいの確率になっている?」
生徒「えっと、SSRが3%で、URが1%です。さらにその上のSURなんて0.5%ですよ。全く当たりませんよ」
教授「ほうほう、それで君はそれを何回引いたのかな?」
生徒「10連ガチャの一回です」
教授「つまり思考回数は10回ということか。URとかいうのが当たるのはざっとら9%くらいだな」
生徒「そういう確率ってどうやって求めるんでしたっけ?」
教授「全事象から、思考回数で全て外れたパターンの場合の数を引くんだ。ざっくりと50%のクジを考えようか」
舞台下に赤い紙と白い紙が現れる。
教授「赤い紙が当たりとする。当然思考回数が一回だと当たる確率は50%だ。ここで2回チャレンジできるとどうなるか。クジを引くパターンは次の通りだ」
①赤白
②赤赤
③白白
④白赤
生徒「ここで、2回とも外れているパターン、つまり白白を引くとあと3パターンですね」
教授「そう。1回目で当たれば2回目の必要はないし、2回目も50%で当たる。この場合は3/4、つまり75%で当たる計算になる」
生徒「確か昔ゲームで混乱と麻痺を同時に喰らった時を思い出すなぁ。全然動けなかったのはそういうことか」
教授「ただここで大切なのは、いくら思考回数があろうとも、思考回数1回分に行なわれる確率は常に等しいことだ。そして確率は基本的に偏りを見せる。コインを投げて4連続表なんて状況は何も珍しくないんじゃ」
生徒「コインで4連続とは、確率として1/16だから6%くらいですか?」
教授「そのくらいだな。一見遭遇しないように見えるが、それなりに出てくるぞ」
生徒「現実的な感覚とのズレがありますね。あ、そうだ! 気になったことがあるんですよ! クジって先に引くのとあとに引くのどっちがいいんですか?」
教授「なるほど。確かに人によって意見が分かれそうだ。さて、それではどうなるかみていこう」