第1幕出会い
算数数学の世界について劇調で書いたものです。
学校で習うものとは少し違った見方、と思ってもらえると幸いです。
数学と言うものは聞く人によって印象がまるっきり変わってしまうものである。毛嫌いする人もいるだろうし、はたまた興味を持って聞き入る人だっているだろう。そんな立場である数学だが、近代の私たちの身の回りにある物の殆どが、その数学と何らかの関わりを持って出来ていると言っても過言ではない。
それでは数学とはなんなのか、どんなところに役立っているのか。それを教授とその生徒に会話の中で見ていこう。
(幕が開き、教授と生徒が現れる)
教授「ところでだが、君にとって数学とはなんだね?」
生徒「なんだ、と言われても。ただ興味を
持って勉強している分野としか言いようが無いです」
教授「ならばその興味とは何かね?」
生徒「何と言われても。そうですね、いろんな現象を数字で捉え、表現するところです」
教授「まぁ確かにそうだろう。世の中の大体の事が高等数学を応用する形で成り立っている。君も持っているであろう携帯もパソコンも言ってしまえば数学の集合体だ。うん、では君の言う数字と言うものは元々はどこから発展したか分かるかね?」
生徒「原始的なところから言えば、物を数えると言ったところですか?」
教授「その考えもあるな。今ある数え方でないにしても、物を数えると言う発想は原
始時代の獲物の数を数えていた歴史などから推測できる。だがな、この数え方には今の数字とは少し変わっている。その時には正の数は存在しても、負の数、または0という数の概念が無かった」
生徒「確かに物を数えるのに0から始めるわけには行きませんかね」
教授「ならば0と言う数はどんなもなのか、そこから始めて行こう」