BL短歌
BL短歌ばかりをまとめました。最後の三首は六月一日、プロポーズの日に詠んだものです。
ねばついた肌を舐めればオスくさい汗の匂いにまたもよおして
手のなかに余る愛しい恋人は僕より強い筋肉の束
子をなさぬ腹に吐き出す白濁は意味などなしに愛しい証
宵の間にふさぐ口からこぼれ出る野太くよがる声に煽られ
迂闊にも恋にころんだあのひとは夜にならねば手すらも触れず
陽の下で肩を寄せ合い語り合ういつかいつかと願いし夜に
ネクタイをほどく日まではどのくらい虎視眈々と狙い定めて
くちびると舌先までは僕のもの次は撫でたいワイシャツの下
肩寄せて雨を凌いだ軒先に甘くもなしにむせる肌の香
触れたのは雨がつたった喉ぼとけ舌で撫でたい衝動の果て
《六月一日 プロポーズの日に》
ひざまずきどうかと乞うて約束を僕より太い指に光る輪
約束は意味などないと知ってても今日が僕らの結婚記念日
左手にはめた指輪はふたつずつまさか同時にプロポーズの日