預言書 第8話
キャスター「速報です、現、官房長官の谷光央氏と連絡が取れない状況が続いているとの事です。」
コメンテーター「はぁ?どういう事ですか?」
キャスター「えぇぇえええぇええ、ええぇぇえええ、情報として入ってきているのはこれだけなので、何とも言えないのですが? デスク? デスク? えぇ、はい。はい。やはり情報の詳細は不明との事です。」
コメンテーター「行方不明って事ですか?」
キャスター「あ、ああ、いや、ええ。たぶん、そういう事かと?」
コメンテーター「え?じゃあ、国家の危機ですよ? 分かってます?」
キャスター「ええ。ええ。はい。分かっておりますが、情報が何分、不確定な物が多くて、これ以上の、・・・・ええ、なんとも、言えません。」
コメンテーター「まぁ、そうでしょうねぇ。現時点では。・・・・大丈夫なんですか?これ、放送していて?」
キャスター「・・・・いや、どうなんでしょうか? じゃ、次の話題に行きましょうか? オオタニです、今日のオオタニです、どうぞ」
警視総監「でぇ? どういう状況なのか、ご説明いただけますか?五十嵐署長?」
署長「ええええええ。そうですねぇ、阿久津君。君から状況を説明してくれる?」
阿久津「僕ですか?」
警視総監「どっちだっていいのよ! どうでもいいから、なんで、こんな所に官房長官がいるのよおおおおおおおお!」
署長「いやぁ、そ、あのぉ」
阿久津「警視総監、現時点では、自称、官房長官でして。」
警視総監「はぁああああ? なに、言ってんの? どう見ても、官房長官でしょ?あなた、テレビで見た事ないの?」
阿久津「・・・まぁ、あんまり、」
署長「どゆこと?阿久津君」
阿久津「僕、テレビ、持っていないんで。・・・ネットしか見ないんで」
署長「それじゃあ仕方がないよねぇ。テレビ見ないんじゃぁ、今風だね。はははははははははは」
阿久津「そうなんですよ、はははははははははははは」
警視総監「ははははははははははははははは」
バンァァァァァアアアアン!
警視総監「・・・だから?」
阿久津「だからと言われましても、見た事ないものは、見た事ないんで、」
署長「警視総監、お言葉ですが、テレビを持っていない若者は増えているのは事実ですから、我々はテレビの普及率を向上していくために、努力をしていかないと、その為には、優良なコンテンツ作りが必要で、」
警視総監「そうね。その通りね。・・・・・あなた、アホなの?」
署長「いえ、アホではなく、パ」
警視総監「あなたねぇ!どっちでもいいのよぉおおおお!今、テレビ批評している場合じゃないでしょぉぉぉぉおおおおおおお!」
阿久津「警視総監、でも、あの自称官房長官。何も、身分証明するものを持っていないんですよ? おかしいですよ?」
警視総監「・・・おかしいのは、あなたの頭」
阿久津「えぇ? え?そんなにおかしいですか?美容院いったばっかりなのに」
署長「阿久津君、臭うんじゃないの?」
阿久津「え? 臭います?」
署長「ちゃんと頭、洗ってる?」
阿久津「洗ってますよ、はははははははははははははははははははははは」
署長「ははははははははははははははははは」
警視総監「はははははははは はははははははははははははは 死刑!」
署長・阿久津「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええ!」
警視総監「あなた達、死刑です。」
署長「警視総監、幾らなんでもそれは、ちょっと」
阿久津「せめて、警視総監、手順を」
警視総監「私、忙しいの。主人のお弁当、作らなくちゃいけないし、子供の向かえ行かなきゃだし。もう、全部、手順、省略。死刑。はい、死刑執行」
ジャラジャラジャラジャラ カチャ
署長・阿久津「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ! 待って下さい、待って下さい、待ってぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええ!」
警視総監「あなた達、男でしょ? 見苦しいわよ、最後ぐらい腹、くくりなさいよ?」
阿久津「男、女、関係ないですぅ!」
警視総監「二階級特進で家族も喜ぶわよ? ああ、そうか、懲戒免職で死刑か。死刑で懲戒免職? まぁ、どっちでもいいけど。」
署長「良くないです、良くないです、警視総監、銃、銃、降ろして、降ろして!銃!・・・・警視総監、タイムセール、タイムセール、はじまっちゃいますよ?」
警視総監「え?タイムセール? あ! もうこんな時間?」
カチャ
警視総監「ま、いいわ。今日の所は許してあげる。私、タイムセールに行かなくちゃいけないの。」
阿久津「署長、助かりました。初めて、署長に、心から頼れる人だと思いました。・・・・・感謝します、署長」
署長「阿久津君。いつでも頼ってくれていいんだぜ?」
阿久津「署長・・・・・・・・」
署長「阿久津君・・・・・・・・・」
警視総監「じゃあ、私がタイムセールで帰ってくるまでに、あの人達、なんとかしておくのよ?いい?」
署長「警視総監、私、お供いたしますよ? サラダオイル、幾らでもお持ちします。」
警視総監「いいの?」
署長「ええ。警視総監の為なら、この五十嵐、命を共にする覚悟でございます」
警視総監「署長、サラダオイルは一人3本まで。いい?私とあなたで6本、買えるわ。いい?」
署長「は、よろこんで。」
丹羽「お前、何、やってんの?」
皇「何って言われても。」
丹羽「指名手配犯が堂々、警察官の前に出て来るのもどうかしてるぜ?」
皇「丹羽さん、私、指名手配犯なんですか?」
丹羽「容疑者が、警察署、勝手に帰ったら、指名手配犯だろ?知らないけど?」
皇「じゃ、まだ容疑者じゃないですか?」
丹羽「脱走したんだから、別の容疑者だろ?容疑者は容疑者で変わらないだろ?そんな事はどうでもいいんだけどさ、」
皇「どうでもいいんですか?丹羽さんも、いい加減ですね。」
丹羽「スメラギぃ、お前に言われたかぁないよ? それで、お前、何やったの?公安の連中が騒いでたぜ?」
皇「え?何もしていませんよ?」
丹羽「何もしていない奴が警察に逮捕される訳ねぇだろ?おまけに脱走はするし。」
皇「行きがかり上、成り行きで。」
丹羽「お前はいつも行き当たりばったりだろ?」
皇「そうなんですけど。」
丹羽「お前の友達、スパイかテロリストか、何かなのか? 指定最重要容疑者だってよ? 指定がつくって、なかなかないぞ?」
皇「いや、知らないですよ。こっちが聞きたいくらいで。」
丹羽「で、そいつ。今、どこにいるの?」
皇「あの、別行動なんで、知らないんですよ。」
丹羽「スメラギぃ、友達だからって庇うと、お前の為にならないよ?」
皇「いや、ホントですって。どこ行ったのかも知りませんし。」
丹羽「あぁあぁあ、そうなの。・・・・・お前が言うんじゃそうなんだろうけど。」
皇「単独行動した方がいいんじゃないかって話になって。」
丹羽「ああ。別々に逃げた方が捕まりにくいしな。」
皇「・・・そういう事じゃなくて、一緒にいると面倒だから、っていうだけの話なんですけどね。」
丹羽「まあいいわ。お前、どうする?逮捕するけど。」
皇「私、警察に行っても話すことないですけど、それでよければ?」
丹羽「お前、相変わらず潔いいな。・・・・あたま、おかしいだろ?普通、逃げるだろ?」
皇「別にぃぃぃぃぃぃぃ。逃げるのも面倒だし。・・・ま、それに、悪い事、してないんで?」
丹羽「悪い事してるだろ?警察署から逃げたんだから。」
皇「そうでしたっけ?」
ピー ピピー
タンスジ「長官、うちらが追ってる『預言書』を保持している人間。警察にマークされている様ですよ?」
101号室「ま、当然だろうな。ただし」
タンスジ「ただ、未だ、その行方は不明の様です。」
101号室「何者なんだ、そいつは?」
タンスジ「まだ情報が未確定なんですが、『預言書』を書いたROMと接点は無さそうなんですよ。」
101号室「どういう事だね?」
タンスジ「分かりません。ただ、ROMが『預言書』を託した人物ですから、相当のやり手ではないかと。」
101号室「何らかの特殊な訓練を行ったエージェントの可能性もあるという事か。あなどれん。」
タンスジ「実際、日本のスパイ組織から逃れて、逃亡していますから、一筋縄ではいかないと思います。」
101号室「タンスジ君。・・・何か策はあるのかね?」
タンスジ「ええ。幾つか罠を仕掛けました。」
101号室「ほほぉ、流石、タンスジ君。手際が良い。」
タンスジ「奴がどんな特殊訓練をした人間であろうとも、人間である以上、姿を消す事は不可能です。奴が、現れた瞬間、ハッキングしたカメラ映像から、瞬時に居場所を割り出せるようにしてあります。後はネズミを待つだけ。」
101号室「流石な、君に任せて正解だった。・・・・・ところで、君は、目的となる人物の顔を知っているのかね?」
タンスジ「いえ、知りま・・・・・・・・あーあーあー?おかしいな?長官、突然、電波の調子が悪くなったのかなぁ? 声が 遅れて 聞こえて くるよ?」
ピピピピ ピー
101号室「・・・・・切れた」
丹羽「スメラギぃ、お前さぁ、よくこんな状況で、メシ、食えるな?」
皇「いや、ほんと、丹羽さん、ごちそうさまです・・・・・ズルズル」
丹羽「奢るなんて一言も言ってねぇぞ?」
皇「こういうのって警察の奢りじゃないんですか?」
丹羽「なんで税金で犯人にメシ、食わせなきゃならねぇんだよぉ?」
皇「ズルズル・・・・だから、私、犯人じゃありませんって」
丹羽「似たようなもんだろ?・・・凶悪指名手配犯の仲間なんだからよぉ?」
皇「えぇ?心外ですよ?それは。」
丹羽「それはそうとしてさぁ、スメラギぃ、お前の仲間、総理大臣、誘拐した?」
ズボォ
丹羽「きっっっっっっっっっっっっっったねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇなぁぁぁぁぁああああ」
皇「ゲホ ガハ オェ すいません、すいません、失礼しました。あの、丹羽さん、今、なんて?」
丹羽「ああ、総理大臣、誘拐した?」
皇「どういう事ですか? あのバカ、総理大臣を誘拐したんですか?」
丹羽「今、ニュースになってんだよ。総理大臣が行方不明だって。前の晩には、官房長官も行方不明になるしさ。お前達の仕業だろ?どうせ」
皇「いやいやいやいやいやいや、待て待て待て待て待って下さい。知りませんよ、流石に、濡れ衣ですよ。」
丹羽「ふぅぅ~ん。ああ、そうか。まぁ、俺はどっちでもいいんだけどさぁ、そんな事。」
皇「一大事ですよ? 国の首相が消えたって? 無いですよ、前代未聞ですよ?」
丹羽「俺にそんな事、言われてもさ。」
皇「一般人が、首相を誘拐するなんて、無理にも程がありますよ? まず、総理大臣と接触する機会すらありませんよ?」
丹羽「まぁ、そりゃそうだよなぁ。考えてみりゃぁ分かる事だよなぁ。総理大臣一人ならともかく、周りに、秘書やら警備やら、何人もいるんだし、物理的に無理だよな。でもほら、最近は、分からない時代だからなぁ。元総理大臣だって殺されちゃう時代だぜ?」
皇「それこそ発砲されてこっちが終わりですよ。」
丹羽「お前、総理大臣とか官房長官に恨みないの?」
皇「無いですよ、会ったこともないのに。」
丹羽「・・・・・そりゃそうだよな。」
皇「ちょっと待って下さい、今、お前って言いましたよね?私に容疑が移っちゃってるじゃないですか?」
丹羽「お前も、お前の仲間も、一緒だろ?」
皇「丹羽さん!」
丹羽「なんだよ」
皇「何度も言いますが、あんな奴等と一緒にしないで下さい!」
丹羽「凶悪指名手配犯と、総理大臣、官房長官の誘拐犯を一網打尽にしてやれば、出世のチャンスだったのによぉぉぉぉ。・・・・そんな事より、お前が食ってるラーメン。それ奢りじゃねぇからな。後で金、返せよ?」
皇「嫌ですよぉぉぉぉぉ」
警視総監「はぁぁあああ? なんで? なんで買い物から帰ってきたら一人、増えてんのよ?」
阿久津「あ、おかえりなさい警視総監。お目当てのサラダオイルは買えましたか?」
署長「上々だよ、阿久津君。それよりまた何かしでかしたのか?」
警視総監「あなたの部下はいったい何をしているのよ? 説明しなさいよ、見た事あるんだけど?」
阿久津「総理大臣を自称するオッサンが署内に乱入してきましてね、取り押さえて、拘留している所です。総理大臣を語るなんて言語道断ですよ、あるまじき行為だと思います。たぶん、僕の見立てだと、反社会的勢力の一派ではないかと思います。・・・署長が甘やかすから、つけあがるんですよ?」
署長「私の所為なの? 困るよぉ、阿久津君、適当な事、言っちゃぁ、警視総監、ぜんぶ、嘘ですから、ぜんぶ」
総理大臣「等々力君、等々力君、私だよ、私、何回か、会ってるよね?挨拶に来てくれたよね? 私?私、分かるよね?」
警視総監「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、ええ。・・・占部総理大臣。こんな形でお目にかかるとは。」
総理大臣「ねぇ?どういう事か、説明してもらえないかな?ねぇ?占部君。・・・これ、君の部下でしょ? 君の部下、私を逮捕するんだよ? おかしいと思わない?」
警視総監「・・・・・これはどういう事なのか、説明してくれない?阿久津刑事。」
阿久津「?」
警視総監「はぁぁぁぁぁ?」
阿久津「え?今、警視総監にご説明したばかりじゃないですか?もう忘れちゃったんですか?物忘れ、早くないですか?」
警視総監「そういう意味で言っているんじゃぁぁぁぁああなぁぁぁぁぁぁあああい! どうしてこうなったのか、聞いているの?」
阿久津「ですから警視総監と署長が不在の時に、このオッサンが、総理大臣だとか喚きながら所内に入ってきて、」
総理大臣「喚いてないよぉ、誤解だよぉ」
阿久津「官房長官がいるから、出せって言うんですよ? そんな人、いないのに」
官房長官「私、私、私、・・・官房長官!」
阿久津「署内の職員の制止を振り切り、荒らしまわるので、」
総理大臣「誤解だよぉ、制止を振り切ったのは謝るけど、荒らしまわってないよぉ、」
阿久津「興奮状態だった為、制圧し、確保しました。威力業務妨害で逮捕です。この人、あれですよ、違法な薬物をやってますよ?そうでなけば、心神喪失。自分の事を総理大臣とか言っちゃうんですよ?要注意人物だと思います。」
警視総監「お前がな!」
総理大臣「誤解だよぉ、等々力君、君の力で、どうにかしてよぉ?」
警視総監「阿久津刑事。色々省略、死刑!」
阿久津「えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
カチャ カチャ カチャ
警視総監「罪状は追って伝える。はい、死刑執行!」
阿久津「死んじゃってから、罪状を伝えられてもぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお」
警視総監「ご家族には、五階級特進の名誉を報告しておく、安らかに眠れ」
阿久津「待って下さい、この人、人参の詰め放題がどうとかっておかしな事、言ってるし、」
警視総監「・・・人参の詰め放題?」
総理大臣「おかしな事じゃないじゃない、家内に頼まれたの、帰りに、買ってきてって。今日は特売日で、人参の詰め放題やってるからって。・・・ほら、スタンプカードも持ってる。」
警視総監「自称、占部総理大臣のオッサン? それはまだ間に合うの?」
総理大臣「えぇぇぇぇぇぇ、行くの?」
カチャ
警視総監「阿久津刑事、今度の件は大目にみてあげるわ。・・・私は、その、人参の詰め放題に行かなければならなくなったの。そして、その後、子供の迎えの時間。五十嵐署長。今後の対応はあなたに一任するわ。よろしく、頼むわね。」
署長「不肖、この五十嵐。命に代えて警視総監の命を全うしたく思います。」
総理大臣「ちょっと、ちょっと、等々力君、等々力君、待ってよ、待ってよ、待ってよぉぉぉぉぉおおおお」
官房長官「占部総理。せめて奥様に、今日は帰れない旨、伝えてもらった方がよろしいんじゃないんですか?」
総理大臣「えぇぇぇぇ? 今日、帰れないの? 困るよ、まだ、人参だって買ってないのに、うちの怖いんだよ? ええぇぇぇぇえぇ?」
アルバトロス「おかしい。日本に、入国できないなんておかしい。
おい、キャビンアテンダント?」
GS「はい?」
アルバトロス「どうして、日本に入国できないんだ?」
GS「あの、制服をよくご覧になって下さい。私はグランドスタッフです。キャビンアテンダントではございません。」
アルバトロス「そんな事はどうでもいいんだよ、」
GS「どうでもよくありません! お客様はよく我々を、若い女だからと差別的な目で見て、一同に、なにか性的なサービスを行う、そういう仕事をしている人間の様に見ているかも知れませんが、」
アルバトロス「見てないって、そんな事」
GS「空勤務と陸上勤務では、大きく、サービスの内容が異なるんですよ?私達は、陸上の仕事に誇りをもっております。」
アルバトロス「悪かった、悪かった、キャビンアテンダントと誤解して悪かった」
GS「・・・お分かり頂いて幸いです。では、私は、これで」
アルバトロス「待て待て待て」
GS「写真撮影は困ります。規則で撮ってはいけない事になっておりますから。たまに、おかしなファンがいて、困っております。」
アルバトロス「撮らないって。そんなマニアじゃないから、こっちは。」
GS「?」
アルバトロス「日本に入国できない理由を聞いている。」
GS「・・・おかしいじゃないですか、日本に入国できないなんて? お客様、違法な物を密輸しようとしているとか、あとは、国際的な指名手配犯とか、そういう、
キャヤャャャャャャャャャャャアァァァァッァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
アルバトロス「ぇえ?」
GS「あなた、犯罪者なんですね!あなた、助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええ!」
アルバトロス「えぇぇぇ? 待って、 えぇぇ? 誤解、誤解、誤解! そんなんじゃないから、見てる、見てる、他の人、見てる
すみません、すみません、私、怪しいものじゃないんで、本当です、本当です、どうぞ、どうぞ、お先に、お先に、
あんたの所為で、おかしな目で見られたぞ?」
GS「いやぁぁぁっぁぁぁあ、やめてぇぇぇぇぇぇぇ、見ないでぇぇぇぇぇええええええええ!」
客「キャビンアテンダントさん、お取込み中、申し訳ないんだけど、入国できないんだけど、どうなってんの?」
GS「はぁ?」
アルバトロス「あ?やっぱり、あなたも?」
客「困りますよ、空港まで来て入国できないとか、あり得ないですよ?」
アルバトロス「困りますよね?」
GS「お客様、私、キャビンアテンダントではございません」
アルバトロス「だから、グランドスタッフだって言いたいんだろ?」
GS「ええ、まぁ。・・・・日本に入国できないっていう話は信じます。でも、まだあなたが犯罪者かどうなのかは、分かりませんのでぇ!」
アルバトロス「どうでもいいから、早く、調べてよ?」
GS「気安く話しかけないで、この犯罪者風情がぁぁあぁぁぁぁああああああああああ」
アルバトロス「もう、どうしたらいいの?」
客「あ、あれじゃないですか? これ、今、ニュースになってますよ?」
アルバトロス「なんです? ”総理大臣が行方不明”?」
客「どうなってるんだ、この国は?」
※本作品は全編会話劇です。ご了承下さい。