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預言書 第5話

瀬能「あ」

皇「おお、杏子も捕まったのか。」

警官「ここで待ってろ」

皇「へいへい。」

瀬能「いやぁ、いきなり逮捕されました。」

皇「いや、こっちもだ。・・・あれ、指名手配だか、身元不明人の死体だったらしいな。」

瀬能「捜索願が出されてたとか、しかも、他殺で。」

皇「殺害された疑いがある、行方不明の人間を、掘り起こしてたら、そりゃぁ、捕まるわな。」

瀬能「いやぁ、ごもっとも、あはははははははははははははははは あはははははははははははははっはははは」

皇「きひひひひひひひひひひひひひひひひひひ きひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」

警官「大人しくしろ!」

瀬能「・・・・・・・・・。」

皇「・・・・・・・・・。」




阿久津「あのぉ、何がどうしたら、こういう事になるんですか?」

瀬能「いやぁ、私共も、何がなんやら」

皇「いきなり逮捕されちゃったんで、まぁ、どうしたもんやら」

阿久津「いきなり逮捕ですよ? そんなの、無いですよ? 一般的に考えて。昨日の今日ですよ? 僕、眠いんですよ?」

瀬能「それはお互い様ですよ。私も眠いです。あんな、イカレポンチクソ女にそそのかされて、公園に行ったばっかりに。」

皇「ホントだよなぁ。・・・でも、あいつ、死刑なんだろ?」

阿久津「死刑?」

瀬能「・・・御影、死刑なんですか? はぁ。惜しい人を失くしました。なぁむぅ~」

阿久津「えっ? は? あの、ちょっと待って下さい! え? 死刑?」

皇「いや、さっき、そう聞いたけど。え? 違うの?」

阿久津「あり得ないでしょ? ご遺体を掘り出した、だけで、死刑? どこの法律ですか? えええ? はぁ?」

皇「阿久津刑事。・・・はぁ?はコッチのセリフですよ。割とマジで。」

瀬能「いつかアレは死刑になるとは思っていましたが、こうも、早く、死刑になるとは。・・・・ショタコンクソビッチ罪ですか?」

阿久津「ショタ?・・・・なんです?」

皇「いや、ネトラレフタナリ足ピン床オナ罪かも知れないぜ?」

瀬能「詰め合わせ!詰め合わせ過ぎるでしょ?・・・キョロちゃんもビックリですよ。」

皇「金なら1枚、銀なら5枚、金もひゃくしゃい、銀もひゃくしゃい、田村でも金、谷でも金、」

瀬能「だから、ボケの詰め合わせは、ツッコミが追いつかないのでやめて下さい。」

阿久津「あの、ちょっと、・・・・ちょっと、ちょっと待って下さい。」

皇「はい?」

阿久津「えぇええっと、皇さん。あの、さっき言った、あいつって言うのは、一緒に、昨日、事情聴取した、火野さんの事ですよね? 死刑、死刑っていったい、何の話ですか?」

皇「ああ。私を逮捕しに来た警察官がそう言ってたんだ。お前と一緒にいた女は、死刑だって。」

瀬能「へぇ。・・・死刑だって。あはははははははははははははははははははは」

阿久津「あのぉ、瀬能さん?」

瀬能「失礼しました。あまりにも愉快なもので。」

阿久津「愉快って、あなた達、お友達なんでしょう? いくら、何でも、死刑? まぁ、死刑っていう話は突飛過ぎて、僕も、笑っちゃう所ですけど、それでも、酷くないですか? その、シャコタンとか、シレトコとか、よく分からないですけど、」

皇「私等はもう、捕まっちゃっててどうにもならないけど、阿久津刑事。あなたも、早く逃げないと、とばっちりを受けますよ?」

阿久津「とばっちり?」

瀬能「だって、普通じゃない事が起きているじゃないですか。たぶん、もう、普通じゃないんです。」

皇「別に逃がしてくれとは言わないけど、あなた、いい人そうだから、忠告しているんですよ。阿久津刑事。・・・まぁ、運が悪かったと思うしかないのかも知れないけど、」

阿久津「昨日、発見された、公園のご遺体。・・・あれに何か、秘密があるって言うですか?」

皇「・・・きっとそうでしょうね。」




草間「ええぇえ。ここに逮捕、拘留しているのですね?」

警官「はっ」

草間「・・・こちらは?」

警官「死体発掘事件担当の、阿久津刑事です。」

阿久津「あ、どうも。・・・阿久津です。」

草間「そう、かしこまらず。私は内閣府政務官を務めております、草間と言います。」

阿久津「内閣府の方が、警察まで、何のご入用で?」

草間「ええ。昨晩、発見されたご遺体。・・・実は、我々内閣府が、数年前から所在を探している人物でして、・・・しかも、殺害の疑義があると伺いまして。」

阿久津「あぁあぁ。あぁああ。」

草間「我々内閣府は、その疑義のある人物を早急に、受け渡しをして頂きたいと思い、直々に伺った次第であります。」

阿久津「・・・はぁ。・・・・しかし、あの、えっ?・・・・・・詐欺じゃないんですか? いや、そんなの、聞いた事、ないですよ? あの、失礼ですが、身分を証明できるもの、お持ちですか?」

草間「まあ、そうですね。疑われるのも仕方がないと思いますが。・・・・今、あるものは、ええぇえええっと、マイナンバーカードと運転免許証くらいしかありません。これで、身分を証明できますか?」

阿久津「あ?ああああ。えええええ。ああああ。ま、あなたの、草間さんとおっしゃいましたっけ? あなたがどちらのどなた様かは分かりますけど、ご職業までは、これでは、ちょっと、」

草間「まぁ確かに。ああ、では、内閣府に問い合わせていただけませんか? そうすれば、すぐに、私自身、証明できると思うのですが?」

阿久津「はぁ。・・・・最近、トクリュウって言いましてね、劇場型の詐欺? 組織犯罪が話題になっていますけど、警察官だとか弁護士だとか、そういうのを名乗るんですよ? 我々、警察を名乗るんですよ? いい迷惑なんですけど、本物の私らにとっては。・・・・何が言いたいかと言えば、そのぉ、本当に本物って言える証明って難しいと言いますか」

草間「・・・ええ。おっしゃりたい事はわかりますが、」

阿久津「ま、一応、連絡、してみましょう。それまで、こちらで、ええ。こちらで、ご休憩してて下さい。」

草間「私も、仕事で来ているわけで、遊んでいるわけには、・・・・」

阿久津「そうなんでしょうけども、身元が分からない人を、署内で、ぶらぶら歩かせるわけにもいきませんので、・・・・・ええ。名刺、、、、ぐらいだと、私、本物、見た事ないんで、これが、本当の内閣府?の物か、見当がつかないんですよ?」

草間「はぁ?」




ガチャ

瀬能「あ」

皇「お」

火野「ほら、行くわよ」

瀬能「え? 行くって」

皇「今、私等、逮捕されてんだけど?」

火野「知らないわよ、そんな事」

皇「お前、相変わらず、無茶苦茶だな」

瀬能「あなた、死刑だって。」

火野「私が? 死刑? ははははははははははははははははははは はぁ。 死刑でも何でもいいわよ ほら、急いでんのよ、行くわよ」

瀬能「御影、あなた、もう少し、人の都合とか、予定とか、考えて下さいよ。」

皇「公園で死体を掘って? 次は脱走か?」

火野「掘ってないでしょ? 見つけただけで。」

皇「あ、そうか。」

火野「歩きながら、説明するから、ほら、行くわよ。」

瀬能「・・・仕方がないですね。」

皇「まあ、いいけどさ。でも、お前、死刑だってよ?」

火野「だから、その、死刑って何よ?死刑、死刑って?」

瀬能「御影が、ネトラレショタコンだから死刑だって、瑠思亜が。」

皇「言ってねぇだろ!」

火野「いい、部屋を出たら、左。左、奥に更衣室があるから、入って。」

皇「・・・入っていいのかよ?」

火野「知らない。・・・入れって。そういう指示なの。」

瀬能「新しいプレイですか? ほら、よく、荒川の河川敷で、人間の散歩している女王様いますけども。」

皇「よくはいねぇだろ、よくは。」

瀬能「でも見ますよ。」

火野「私、そういう趣味はないの。ネトラレショタコンはまぁ、分からないでもないけど。」

瀬能「ほら!」

火野「分かるだけで、そういう趣味はないって言ってるでしょ?」

皇「じゃあ、どんな性癖なんだよ?」

ガチャ

火野「ほら、あそこ。・・・・コスチュームがあるでしょ?あれに着替える。」

皇「どんな性癖だよ?」

火野「私の趣味じゃないって言ってるでしょ?」

瀬能「・・・」

皇「・・・」

火野「・・・」

瀬能「なんで私、パーデンネンなんですか!」

皇「私、ブラックデビル。」

火野「私なんか、アミダばばあよ!」

瀬能「・・・二人は似合ってますよ!」

ガチャ

皇・火野「お前もな!」

瀬能「・・・コスチュームっていうか、コスチュームですけど、」

皇「これ、やけに凝ってるよな。」

火野「本物らしい。」

皇「本物? えっ? じゃぁ、これ、さんまの?」

瀬能「なんで警察に置いてあるんですか?」

火野「だからそれは、私は知らないけども。」

皇「・・・やけに目立つな。」

火野「いや、そういう衣装だし。」

瀬能「でも、誰も、そんなに、驚いていませんよ? 木を隠すなら林かな、的な?」

皇「森だろ、森。それに、隠れてないからな。目立ってるからな。相手にされていないだけで。」

火野「そのまま玄関に向かって、正面突破よ」

瀬能「堂々と、正面から脱出とは。相当の軍師ですね。孔明ですか?」

皇「怖いくらい無視されてるんだけど、日本の警察、大丈夫か?」




阿久津「じゃあ、こちらの方は本物の、内閣府の職員さんって事なんですね」

署長「いや、だから、そう、さっき、言ったでしょ?阿久津君!」

阿久津「いや、まぁ。・・・・にわかには信じがたい事なんですが」

署長「私だってそうだよ。副総理大臣から電話があったんだから。」

阿久津「署長、その電話、オレオレ詐欺じゃないんですか? 大丈夫でしょうねぇ?」

署長「えええぇええ? いや、そんな事、言われても、困るよ! 警察署に、しかも、私、署長だよ。署長宛てに直に電話してくる、詐欺、いる?」

阿久津「だから、さっきも話していたんですけど、最近は分からないじゃないですか? 信用できるんですか?その電話。」

署長「え?じゃ、どうするの? 電話、かけなおすの?」

阿久津「別にいいんですけど。私は、責任を署長が取ってくれるなら、何でもいいんです。ほら、署長、上司じゃないですか。私、責任、取りたくないので。」

署長「私だって責任、取りたくないよ。困るよ、そういうの。」

阿久津「ですから、あの、その人、草間さんでしたっけ?その人の身元を署長が責任を持って、証明していただけるのであれば、何の不足も私はないです。それだけです。」

署長「じゃあ、待ってよ。阿久津君。今、電話してみるから。」

阿久津「あ、署長、リダイヤルは駄目ですよ。ちゃんと、内閣府の電話番号を、確認してから、電話しないと。トクリュウにかかっちゃいますから。」

署長「そんな事は知ってるよ!・・・・・で、で、阿久津君!内閣府の電話番号って何番? 君、知ってる?」

阿久津「知る訳ないじゃないですか! 一生、関係ないと思って生きて来たんですから!」

署長「私だって、そうだよ!」

警官「大変です!署長おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!脱走です!」

署長・阿久津「脱走?

はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ?」

警官「拘留中の女、二人が脱走しました!」

署長「なんで?」

警官「わかりません!」

阿久津「ああああ、瀬能さんと皇さんだ」

警官「二人の脱走に、手を貸したと思われる、もう一名もいる事がわかりました!」

阿久津「脱走を誘導した、って言う事?」

警官「はい」

署長「はい、じゃないよ!どうなってるんだよ!」

草間「どうやら逃げられたようですね?」

署長「あ、草間政務官! ああ、今回は、大変、お見苦しいところを。」

阿久津「この人、本当に政務官なんですか?」

署長「君、まだそんな事、言ってるの?」

阿久津「いや、だって」

草間「副総理大臣から電話が入ったと思うんですけど。」

署長「入りましたけど。入りましたけど、それ、本当に、副総理大臣?って話になりまして。私、副総理大臣と話したことないんで?」

草間「あなた達は、どうしたら信用していただけるんですか? それとも、私の仕事を邪魔したいんですか?」

署長「いや、だから、そういう訳では」

阿久津「何度も言っている通り、身元が証明できなければ、どうにもならないと、お伝えしていますよね?」

草間「では、警視総監から、あなた達をクビにしてもらえば、私の身元を証明できますか?」

署長「ちょっと、ちょっと、それは困ります! クビ? ええ?」

阿久津「いや待って下さい。あの、仮に、警視総監からクビを言い渡されても、あなたが、内閣府政務官であるという証明にはならないと思うんですが?」

署長「あ、そうか。冴えてるね、阿久津君。」

阿久津「いやぁ。そうでもないです。しっかりして下さい、署長!」

署長「はっはっはっはっはっはっは、君には敵わないね。」

草間「じゃあ、クビで。」

署長「だから、待って下さい!草間さああああああああああああああああああああああああああああん!クビにしないでえええええええええええええええええええええええええええええええ!」

草間「こんな、ふざけた格好で、みすみす脱走を許すなんて。」




火野・瀬能・皇「ひょうきんだな。」




草間「どっちにしろ、あなた方には、責任を取っていただきますからね。」


※本作品は全編会話劇です。ご了承下さい。

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