預言書 第9話
火野「”日本の中心に『預言書』を隠した”だぁぁぁああ? 日本の中心って何処よ?」
草間「課長、これは異常事態です。ここから脱出しましょう。」
課長「草間君。・・・君の気持は分かるが、我々は、公務員だ。公務員が警察署から逃亡するなんて、あるまじき行為だ。前代未聞だよ?」
草間「しかし、我々だけでなく、官房長官、ましてや総理大臣までも、所轄の警察署に拘束されているんですよ?これを異常事態と言わないで、何を異常事態と言えましょうか?」
課長「君の言いたいことは分かる。現在、我が国は、官房長官と総理大臣が不在の状態だ。国家の危機と言っていい。だが、」
草間「・・・なんでしょうか」
課長「我々は、身分を証明するものを持ち合わせていなかった。・・・それは、こちらの不手際だ。むしろ、警察は自らの職務を全うしたと言っていい。」
草間「こちらに非があると、課長はおっしゃりたいんですか?」
課長「そうは言っていない。・・・ここは、穏便に、話を進めておきたいところなんだがね、内閣府としては。」
草間「頼りの綱の警視総監も、途中で退席してしまう始末ですよ? もう、我々に手立ては残っていないと思いますが?」
課長「まぁ、待ちたまえ。・・・ここには不幸中の幸いにも、官房長官がいらっしゃるのだ。官房長官と言えば、我ら、公務員のトップ。我々官僚は、官房長官の指示でしか、動けないのだ。」
草間「しかしですね、課長」
課長「官房長官!」
官房長官「偉い事になったね、寺田君!」
課長「申し訳ありませんでした。私が、官房長官に、ご連絡を取ったばっかりに。」
官房長官「それはいいんだけどね。・・・警察署っていう所は、ろくな、メシも出さないのかね?」
総理大臣「いや、私もそれは思った。・・・お茶くらい出しても、バチは当たらないと思うんだけど?私、総理大臣だよ?」
官房長官「占部総理。これは、警察改革を行わないといけませんな。まずは、美味いメシを出す。上手いメシを出せば、それだけで満足ですし、なにより、警察に協力的になってくれると思うんですよ。」
総理大臣「ああ、そうだね。あんな不味いメシじゃぁ、協力する気にならないもんね。暴動おきちゃうよ?」
課長「早速、時期、国会で法案の準備を進めていきたいと思います。」
官房長官「頼むよ、寺田君!」
課長「総理大臣、ひいては、官房長官のご要望であれば、がんばらさせていただきます!」
総理大臣「寺田君と言ったね。名前、覚えておくよ。いやぁ、官僚の鏡だね。がんばってくれたまえよ?」
課長「はっ、よろこんで。」
草間「課長!」
課長「なんだい草間君?」
草間「・・・脱出する話は?」
課長「ああ、ああ、あああああ。そうだった、そうだった、つい」
草間「つい、じゃないですよ、課長!今は一刻を争う時なんですから」
課長「そうだった、そうだった、ここのメシの不味さを改善しないことには、どうにもならんからね。」
草間「違います、」
課長「違う?」
官房長官「何が違うと言うのかね? 君、メシが不味くて、一日、乗り切っていけると思っているのかね?」
総理大臣「谷君の言う通りだよ? 君、官僚でしょ? しっかりやってもらわないと困るよ?」
草間「いえ?そういう事ではなくて?」
官房長官「じゃあ、どういう事だね?」
課長「官房長官、大変、失礼いたしました。私の部下が失礼な態度を。・・・草間君、分をわきまえないか!」
草間「いやいや、十分、分はわきまえているつもりでございますが、課長、官房長官、総理大臣、今は、非常事態につき、ここを脱出しなければならないと思うのですが。」
官房長官「脱出?」
草間「はい」
官房長官「君は何を言っているのかね?」
総理大臣「私達は、国会議員だよ?国民の支持を受けて議員をやっているんだよ?分かる? 国会議員がなんで逃げなきゃならないの?正々堂々と表から、帰りますよ?」
課長「おっしゃる通り、さすが総理大臣」
官房長官「私達は別に悪い事、してないからね? 逃げる必要なんてこれっぽっちもないよ? 分かる?」
草間「いえ、あ、はい。重々承知しております。・・・ですが」
官房長官「え?まだ、何か言いたいわけ? これ、寺田君、君の評価に関わるよ? 私、これでも官房長官だからね?」
課長「草間君、君、自分が何を言っているのか分かっているのか! 君を私の権限で、懲戒処分にする!」
官房長官「よく言った、寺田君。」
草間「課長も官房長官も落ち着いて下さい。」
総理大臣「私はずっと落ち着いているよ。」
草間「総理大臣は少し、慌てて下さい。」
総理大臣「君ぃ、総理大臣に対して、その言葉は、失礼じゃない?幾らなんでも?ねぇ?」
官房長官「寺田君、どうなってんの?」
課長「草間ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!」
草間「・・・・・あのですね、現在、総理大臣と官房長官が、政府内において、不在なんです。本来あってはならない状況だと思います。由々しき事態だと思うのですが?・・・安全保障の面でも、あらゆる面で、日本の危機だと思います!」
総理大臣「あのねぇ、君、何て言うのか知らないけど、」
草間「草間です」
総理大臣「その、君ねぇ、こういう不測の事態に備えて、副総理大臣がいるんだよ? 安心したまえよ?少しは」
官房長官「総理のおっしゃる通りですな。」
総理大臣「そうだろ、谷君。」
課長「草間君、私は悲しいよ、上長であらせられる官房長官、総理大臣に向かって、無礼の数々。・・・懲戒免職は免れないよ?何が安全保障だよ、君。副総理がいらっしゃるんだから、安全に決まってるだろ?なにをバカな事を!」
総理大臣「なんとか君ねぇ、一国の総理大臣が不在だからって、国が滞るようじゃ、お終いだよ?」
官房長官「我々はみんな、歯車なの。一個、なくなったってねぇ、予備の歯車があるんだから、社会は回るの。わかんないの?」
草間「ええええええぇぇぇえええええええええええええええええええええええええええええええ?」
官房長官「君はバカな事ばっかり言ってないで、牢屋生活を快適に過ごせる案の一つも出しなさいよ? 私達の未来がかかっているんだよ? 分かってる?」
草間「その未来の話ですよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっぉっぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
総理大臣「・・・また、君は何を言っているんだね? 山本未来?」
草間「占部総理は、これから起こる、未来の事を事前に知る事が出来たら、どうなさいますか?」
総理大臣「急になんだね?その子供だましの童話みたいな話は?ジャンプなら打ち切りだよ?」
草間「我々、内閣府は、子供だましの妄想話を、いい大人が真剣に議論した結果、未来を予知すると言われる『預言書』の存在を明らかにしました。」
総理大臣「・・・・なんだい、その『預言書』って言うのは? アメリカの陰謀論とか、秘密結社とか、宇宙人だとか、その手の話かね?」
草間「そんな戯言と一緒にされては困ります! 国家の安全を揺るぎないものにする為、また、他国との有事に備え、経済的、軍事的、外交的、あらゆる安全保障の面で、我が国が優位に立つ為、未来を記した『預言書』が必須なのです!」
総理大臣「君ぃ、本気で言っているのかね? 今からならまだ間に合う?いや、もう間に合わないかも知れないが、病院、行く? 良い医者、紹介するよ?」
草間「私は至って、本気です」
総理大臣「ああ、ああ、そう。・・・・・こりゃ、マズイなぁ。ますます、病院行った方がいいと思うんだけど?」
官房長官「占部総理。・・・・・信じられないと思いますが、『預言書』は存在するのですよ。」
総理大臣「ぇえ? 谷君? 谷君、君まで、大丈夫?」
官房長官「『預言書』の話をするのはもう少し機を熟してからにしておきたかったのですが、こうも政務官が気が短いと苦労させられる。寺田君、君の責任は重いよ?」
課長「・・・申し訳ありません。官房長官。草間君、時期尚早だよ、君!」
官房長官「まぁ、こうなってしまったら仕方がない。占部総理、その夢物語の『預言書』、存在するんですよ。『預言書』と言うよりは、預言書を書いた、預言者と言った方が正確でしょうが。未来を見通す力を持った人間、それが預言者です。・・・・・過去、権力者の傍らには預言者がいて、世界では、リーダーもしくはROMと呼ばれるております。」
総理大臣「預言者?」
官房長官「ええ。占部総理は今、混乱されていらっしゃると思いますが、我が国でも、超長期安定政権を樹立した江戸幕府、そして、歴史の転換点となった大政奉還。明治政府樹立を成し遂げた根幹に、リーダーの存在があったとされています。まことしやかに政治の中枢で語られてきた噂ですが、どうやらそれが本当らしいのですよ?」
総理大臣「谷君、君、そんなヨタ話、信じているのかね? 私、一度もそんな話、聞いたことないよ?悪いけど」
草間「それは当然でしょう」
課長「草間君!」
草間「・・・失礼いたしました。何分、総理は、政権の脇道においでになる事が多かったと存じております。まさか、政権中枢に分け入って来るとは思いもしませんでしたから。」
官房長官「私も、リーダーの存在は、代々官房長官の先生から、噂程度には聞き及んでおりましたが、あくまで、噂だと、胸にとどめて参りました。いや、当然でしょう? 預言者がいる? そんな話したら、気が触れたとか、ボケたなど言われかねませんからね。先程、総理がおっしゃられた通りに。」
課長「何も、リーダーは日本にだけ特別に存在している訳ではありません。主要な国家では、リーダーを有しており、未来を透視する力で、優位に外交を行っているのです。時に武力、時に経済。第二次世界大戦でうまく立ち回った国家は、リーダーの存在が大きかったというのが、我々の見解です。」
官房長官「私も、最初は信じておりませんでした。子供の作り話、いや、権力を追われ痴呆症を患った、失敬、認知症を患ったジジイの妄想だと思っておりましたよ、正直な所。・・・彼が現れるまではね。」
総理大臣「彼?」
官房長官「ええ。リーダーです。十年くらい前になるでしょうか、彼は、我が国の行く末を記した『預言書』を書き残しました。」
草間「ですが、そのリーダーは政権に対し、非常に非協力的であり、結果、『預言書』は紛失。現在、内閣府はその行方を追っています。」
課長「ところが先日、十年ぶりに『預言書』が動き出したのです。」
官房長官「行方をくらましていたリーダーが十年ぶりに発見されました。・・・遺体となってですが。どうやら、遺体となったリーダーと接触した人物がいて、その人物が、『預言書』を所持しているらしいのです。」
課長「我々の動きを全てかわして逃亡を続けております。推論ですが、『預言書』の力を使って、我々、内閣府情報調査室の追っ手から逃げているのです。そうでなければ、我々から逃れる術はあり得ません。」
総理大臣「あの、話は、だいたい分かったから、そのローテーショントーク、どうにかならない?」
草間「ここの警察署に拘留されていると情報が入り、その人物を拘束する為やって来ましたが、反対に、この様ですよ。我々の方が、牢屋の中。・・・さすが『預言書』の力と言った所です。」
総理大臣「はははっ 預言書?預言者?ホントにそんな人間がいると信じているのかい?谷君? はははははっ はははははははははははっ 馬鹿々々しくて笑えないよ? ははははははははははっ はははははははははははははははっ 君はもっと優秀な政治家だと思っていたが、どうやら私の目もまんざら節穴のようだ。 ははははははは はははははははははははははははははははは」
草間「貴様! 官房長官の恩前で愚弄な態度を!」
官房長官「はぁぁぁぁぁぁぁ。やはり政権の端っこに長くおられた方は、現実がお見えではないようだ。」
総理大臣「その二人は、君の忠犬というところか?」
官房長官「占部総理。あなたは、神輿櫓の人形に過ぎないんですよ?人形は人形らしく、踊らされていればいいんですよ?そうでないと頭を挿げ替えられてしまいますよ? 寺田君?」
課長「草間君!」
草間「はっ」
総理大臣「現職の総理に向かってぇぇぇええ! 無礼だぞぉおお!」
草間「大人しくしてください、人形総理!」
総理大臣「ええぇぇぇえええい! 離せぇぇええええええええええ!」
官房長官「丁度いい。・・・総理大臣は、このまま、行方不明っていうシナリオに変えてしまうのも悪くないな。 ははははははははははははははははははははは ねぇ寺田君?」
課長「ええ。官房長官 ははははははははははははははははははははははは そうだな、草間君」
草間「あ? ええ。 ははは」
課長「草間君! 笑いが足りないよ!もっと笑いなさいよ!」
草間「はははははは ははははははははは はははははははは ははははははははははははははははは はははは はは は はぁ」
阿久津(署長!、署長!)
署長(どうしよう、阿久津君。今の話 聞かなかった事に出来ないかなぁ?)
阿久津(えぇぇぇ? えぇぇぇぇぇぇぇ?)
署長(私ぃ、まだ、死にたくないよぉぉぉっぉぉぉぉぉおおおおおお)
阿久津(署長、僕もですよぉぉぉぉぉ)
署長(とりあえあず、ここから、逃げよう。話はそれからだ)
阿久津(署長、それ、問題の先送りですよ?)
署長(いいんだよぉぉおおおお、内閣府情報調査室って言えば、スパイだよ?スパイ。人を殺すとか平気でやる連中だよ?関わんない方がいいってぇ!)
阿久津(本当にそんな漫画みたいな人達、いるんですか?)
署長(いるじゃない!目の前に! 私は見なかったことにするからね、あとは、よろしくね、阿久津君!)
阿久津(嫌ですよぉおおおおおお、署長ぉぉおぉおおおおおおおおおおおおおお!)
ピー ピピー ガガガ ピー
101号室「どういう事かね? 日本の総理大臣が行方不明というのは?」
タンスジ「ですから、その通りです。それ以下でもありません。事実、総理大臣と官房長官が行方不明というニュースが飛び交っています。」
101号室「『預言書』が動き出したかと思えば、一国のトップが、行方不明? 日本ではいったい何が起きているというのだ?」
タンスジ「詳しい事は分かりません。ただ、一国のトップが消せる、それだけの力が働いていると考えるべきではないでしょうか?」
101号室「その事件も『預言書』が絡んでいると、君は考えているのかね?」
タンスジ「ええ。」
101号室「だがねぇ、タンスジ君。君の使命は、ROMとして『預言書』を抹消する事だ。ゆめゆめ間違えない様に動いてくれたまえよ?」
タンスジ「それはもちろんです。長官。」
ガー ピピー ガガ ピー
警視総監「今、食器を洗っている所よ?それが何か?」
署長「警視総監!とにかく急いで来て下さい!警視総監!」
警視総監「あのねぇ、私、今、子供を保育園に送り届けて来たばかりなのよ?それでようやく、家の事、はじめたのに、えぇ?警察署に来い? 逆でしょう? あなたが警察庁に来るのがスジでしょう?」
署長「警視総監、警視総監、それは、重々、承知しております。まったくその通りだと思うんですが、今は、緊急事態なんです!警視総監しか、頼れる人がいないんです!」
警視総監「・・・そんなハズないでしょう。五十嵐署長、あなたには優秀な部下がいるでしょう?そっちに話を回しなさいよ?」
署長「警視総監、露骨に面倒な事に首を突っ込むのが嫌な感じで、おっしゃっていませんか?」
警視総監「そんな事ないわよぉぉぉぉぉぉ?」
署長「あるじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁぁ! 助けて下さい!警視総監!」
警視総監「嫌よ!面倒臭い!」
署長「ほら、今、本音言った!」
警視総監「あのねぇ、五十嵐さん?私は全国警察官のトップオブトップなのよ?なぁぁ~んで、一警察署の署長に、指図させて動かないといけないのよ?おかしいでしょ?」
署長「そんな事いわないで助けて下さいよぉぉぉ、警視総監!この事態を納められるのは警視総監しか、いらっしゃいません! お願いです、助けて下さい!警視総監!」
警視総監「・・・・まぁ、いいわ。話だけなら聞いてあげる。それで、五十嵐さん?どんな話なの?」
署長「実はですね、・・・・・官房長官が、総理大臣を人質に取った、と言いますか、」
警視総監「・・・ん?」
署長「えぇ、ですから、警視総監? 官房長官が、総理大臣を拘束して、人質に取っております。」
警視総監「・・・そういう夢を見たのね、五十嵐さん。」
署長「いえ。・・・あの、留置場の中で、官房長官が、総理大臣を縛り上げております。」
警視総監「あ、そ。」
ガチャン ツーツーツー
トゥルルルルルルルルル トゥルルルルルルルルルルルルル トゥルルルルルル ガチャ
署長「警視総ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ監!切るなんてヒドイじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
警視総監「夢なら休み休み言いなさいよ?こっちは風呂掃除もしなくちゃいけないんだからぁぁぁぁぁぁぁ!」
署長「本当なんです!信じて下さい! 官房長官と、内閣府の人間、二人が、総理大臣を縛り上げているんですよ! さっきから、ガチャガチャなんかやってるし、騒いでるし、怖いんです!いつ牢屋から出て来るか、怖いんです!早く来て、なんとかして下さい!警視総監!」
警視総監「・・・・・・ホントにホント? ホントにホント?信じていいの?」
署長「警視総監に嘘なんか言いませんよおぉぉおぉぉおお 今、部下の阿久津君が、留置場の様子を見てくれています。他の人間が、留置場に近づかない様に、緊急配備を書内に引いていますけど、これから、どうなるか!」
警視総監「にわかには信じがたい状況ねぇ。官房長官が、総理大臣を?」
署長「お願いです、警視総監、早く来て下さい!助けて下さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあい!」
警視総監「分かったわ、食器を洗って、お風呂を掃除したら、行くわ。」
署長「あの、私がそういうの家事、一切やりますので、先に、こっちに来て下さいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいい!」
警視総監「あのねぇ! 私は、警察の仕事も大事!家の事も大事!家族も大事なの!だから、家の事もおろそかに出来ないのよ? 分かる? 家の事もろくに出来やしない嫁とか、クソ姑に言われるのよ? すぐ結婚させるんじゃなかったとか言うのよ?口説いてきたのはお前のバカ息子じゃねぇかよぉおおおおおお! 五十嵐さん。私、日本の平和より家族の平和が優先なの。そして、有事になったら、他国の兵隊を殺すより、姑を先に殺すの。」
署長「はぁ。」
警視総監「水仕事が終わったら、行くわ。」
署長「警視総監、なるべく急いで来て下さいねぇ!待ってますからねぇぇえええええええええええええええええ!」
ツーツーツー ツーツー
総理大臣「ん゛ん゛んん゛む゛ん゛ん゛ん ん゛ん゛」
官房長官「何をやっているんだね、君達は? まだ開かないのかね?」
課長「はっ、只今。 どうなんだね、草間君。」
草間「まるっきり、開きません。こんな旧式の牢屋、簡単に開けられるはずなんですが? 何か、最新のロックがかかっているようで。」
課長「急いでくれよ、草間君。」
官房長官「こういう時に役に立ってもらわないと困るんだよ? 寺田君?」
課長「承知しております。 草間君、急ぎたまえ!」
草間「・・・・」
マーチバンド「『預言書』レースも、日本政府は仲間割れか。ククク。・・・総理大臣行方不明事件で表向き、空路、海路は、完全封鎖。大手国家のスパイ共も容易に入国は出来まい。・・・ククク。『預言書』を手に入れるのは俺だ。ククク。」
火野「幾つ日本の中心があると思ってんのよ? オラが村が日本の中心って名乗っている所が多いのよ? ふざけんなよぉぉっぉおおおおお!」
※本作品は全編会話劇です。ご了承下さい。




