青海波 作者: 川進 青海波 地上の模様は、青海波。 風に、寝かしつけられた、 稲が、波打つ。 平らに広がる、灰色の雲。 続いて行く先には、 明け方の闇色をした、山並み。 空と山の境目で。 湧き立つ、真白な雲が、 光っている。 きみらの羽は、深みを増して。 満たされた丸い腹で、飛ぶ。 機嫌良く、翼は、水平。 宙を滑り来て。 落ちるような勢いで、 地面に降り立つ。 澄んだ大気に。 羽も軽いのだな。 虹の柱は、きれいに透けて。 どの色も、はっきり、見えている。