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ただ残ったのは、矛盾人間だった  作者: 夏城燎
4 『ただ残ったのは、矛盾人間だった』
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 こうして僕は、まあ、一冊本を書く事となった。



 長く辛い物語があって、その先に生まれた決心が、今の僕を作り出している。


 悲劇として終わらせたくないなんてエゴの塊ではあるけど、

 あれから数年経過した今では、一番正しい選択だったと思う。


 不思議と、後悔しそうだと思っていたのに、全く後悔していない。


 あれから彼女は元気にやっている。

 別に一時の感情で死のうとしてしまっただけで、僕と違い何の間違いも犯さなかった。

 だからまあ、普通の人生を送っているだろう。

 そこは今度聞いてみるか。


 ここでの生活も慣れつつある。辛い出来事も、苦しい事もたまに思い出すけど。

 それにも意味がある事だと、信じている。


 僕は今、矛盾しているのだろうか。

 いや、案外普通に矛盾する事はある。

 矛盾しず突き通せる人間がいるなら、きっとその人は苦しい想いをしているのだろう。

 矛盾は人にとって人間性を保つための保険であるからだ。


 間違えてはいない。

 僕ら人間は、きっとこの自己矛盾と永遠に戦い続けなきゃいけない宿命だと思う。

 でもそれも、いずれ終わりが来るものなのかもしれない。

 案外矛盾と戦えば戦うほど、人間的に強くなれるのかもしれないしね。


 さて、誰しも持っている自己矛盾は、無自覚でいるのはとても危うい。

 みんなも出来れば、自分の矛盾を把握して生きよう。

 でなければ、取り返しのつかない罪を犯してしまう――。

 僕のようにね。


 そろそろ終わりの時が来たようだ。

 ここまで、この長い話を読んでくれてありがとう。

 出来ればこの本を君の知り合いに広めて、そして本の内容について考えてみてほしい。

 みんなは間違えないように、生きていくんだよ。それじゃあ。







 報いはあるさ 生きている限り

 だから甘んじよう 己の罰に

 例えそれがただの自己満足だとしても

 例えそれで満たされてしまう何かがあるとしても

 それをへし折るのが報いだから 僕は生きるよ この地獄を
















 終わり。


桜の匂いがした。花びらがふらふらと踊って、最後にへたりと川に浮かんだ。

          それを見届けた私は、春の香を思い出して、一歩あゆんだ。




――――


あとがき


こんな鬱小説を読ませてしまって申し訳ないという気持ちと

最後まで読んでくださってありがとうという気持ちがぶつかってます。

読破、お疲れ様でした。

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