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第1章

深夜のテンションです



白いシーツと鳥の声、このまどろみを手放したくないわ



すーすぅ、すーすぅ


┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄


ううぅ、ここは何処かしら?

私は私室で二度寝したはずよ。なのに此処は真っ白い空間、そしてあるのはなすび畑だけです。それに人影が一つ。


見たところ他になにもございません、関係者と思われる彼に話しかける他、無いようですね



ちょっと、そこの貴方。

此処は一体どこですか?


何ですの、私はただ質問しただけですわ。何故、無表情でこちらに歩み寄ってきますの?


なすびをこっちに持って来ないで

私、その紫が苦手なの。


急に走り出して来ないで!びっくりするじゃない

それと、早くてに持っているなすびを手放しなさい!


あぁっっこっちに来ないで下さいな!

じぃや、早く何とかしてくださいまし。


じぃや?


じぃや!一体何処にいますの!


すうぅぅぅぅぅぅぅっっっ

じいいいいいいぃやあああぁぁぁぁあっ!!!









コンッコンッ



「失礼します、お嬢様。朝にございます、起きてください」


じぃやの声がしますわ、助けに来てくださったのね。早く早く何とかしてくださいまし、変な殿方があの紫色の物体を!


「ンッ、お嬢様それは夢でございます」


夢?あら、本当だわ。私ったら、二度寝したばっかりに、あのような悪夢を見てしまったのね。全く、気分が悪いわ


それにしても流石はじいやね。


幼いころから、じぃやは私の考えがお見通しみたいね

だって私、一言も声に出してないのにじぃやと会話が成立しているのよ


秘密の作戦をたてるときは役に立ちそうよね


「おはよう、じぃや」


「おはようございます、お嬢様。失礼ながら身支度を整えさせていただきながら、本日のご予定をお話しさせていただきます」


ふぅ


「お嬢………のご予…………は………様の…………であ…………ィ様……主催され…………会で…………ます」


でも、残念ながらじぃやの持つ能力は私の得には成りそうにないわ


メイドにこっそりお菓子をもらったとき、気になる本を夜更かしして読んでしまったときや、敷地内にある塔へ肝試しに行こうとしたとき。

そのようなときには、必ず見つかってしまうもの


執事見習いの子と一緒に山へ探検に行ったときとっても心配されてこってりお説教されたわ。

私も、とっても反省したのよ、1週間スイーツ抜きは堪えたもの


「本………お……会………予定………………な……………ります。」


じぃやがお母様とお茶会へ行って、屋敷にいない日に決行したのに何故かしら


「奥…………、《お茶………わったら…………………しなさい》………………とです」


きちんと根回しをしたからバレるはずが無いのに……



「お嬢様、聞いておられましたか」



あら、大変だわ。考え事に夢中になってしまってたわね


「いいえ、聞いてなかったわ」


あら、苦笑した顔もさまになるのねぇ

これぞダンディーって感じね、お忍びで行ったパン屋の女主人がおまけをつけてくれる気持ちがわかるわ


私もそんな歳のとりかたをしたいものねぇ



「では、もう一度お話いたします。本日のご予定は、お嬢様の叔母様のリリィ様が主催されるお茶会です。

本日はお茶会のご予定のみとなっております。奥様からは、《お茶会が終わったら好きに過ごしなさい》とのことです」



では、帰りに新しくできたケーキ屋さんで、屋敷の者たちににお土産を買いましょう

そうね、それがいいわ




「お嬢様、身支度が終わりました」


私の身支度は、おむつの頃こらじぃやがやってくれるの



「じぃや」


今日は、帰りにケーキやさんによって頂戴


「かしこまりました。では、馬車の手配をいたします。


カチャ コポコポコポ ふわぁ カチャカチャ

コトンッ


お嬢様、本日のモーニングティーはアッシュリ領のレディにございます」


私の一番好きな紅茶ですわ!とってもいい香りです、流石は()()レディですわ

私、じぃやなしでは生きていけませんのね。しみじみと実感するわ






しかし今回のお茶会で、仲良くなれる方がいらっしゃるといいのだけれど。心配だわ


こんな心配は本来、私の立場では無縁な筈なのに

辺境伯の長女である私にはね

でも、そうもいってられないのが現実なの


私には、3人のお兄様がいらっしゃいます。客観的に見ても、三者三様に顔立ちが違って性格がとても良いのよ。仕事もできる方々でしてモテない訳がないの。




お茶会などでお会する方々のほとんどは、一言めには挨拶を、二言めにお兄様を褒め称え、その後は、《お兄様にお会いしたいです》《お兄さんにどうかお取り次ぎを》とのこと。私にかける言葉は、挨拶だけですの。しかし、こんな無礼はまだまだ序の口でしてよ。


とある方々などは、お茶会の間ずーっと付きまとってこられますし、いい迷惑です

しかし、あちらもそこそこの家柄のかた

お父様がたは、とても素敵な方々なのにどうしてあのようなご息女に成られたのでしょうか



全く、お茶会という名の情報収集の場を、一体何だと思われていらっしゃるのかしら。お茶会や夜会は戦場ですのに

挨拶一つまともに返せなくては、相手にする価値もないと自分の弱点を親切に教えてあげているようなものですわ




しかし、私に取り次ぐ気が一切ないと理解されたかたのなかには、私の悪評やおかしな噂を広めてくださる方々も。


今の私は、病弱な淑女であったり、素手でワイバーンを討伐した気の強い女戦士だとか


おかげで、仲よくなれる()()ご令嬢がいらっしゃらないのよ。全くこれでも私も年頃の乙女ですわ。一緒に女子会や、恋占いなどやってみたいのです。憧れですの





今回は、叔母様のお茶会ですもの。私の礼儀作法の先生だったかたでもあります。その様な気品のない方々は、礼儀作法の狼と呼ばれた叔母を怖がって、いらっしゃらないと思いますのでとても楽しみにしております。


ふふふっ

主人公 フィデルア·グリリァル 

年齢 10歳

好きなもの ???

嫌いなもの なすび

備考 ???



気まぐれ更新です

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