プロローグ
楽しんでいってください。
「一体、これはどういうことです?」
あぁ、きっと私の声は震えているのでしょう。
私の目の前に広がる光景は、簡単に言えば《有り得ない》その一言でした。
私が大切に育てた花が、全て枯れているのです。肥料も、水をあげる量も、害虫、病気にも気をつけていたのに。
認めたくは、ありませんでしたが、ここまでしっかり枯れてしまっては、少しは認めざる終えないのでしょう。そう、ほんの少しは。
私は、植物を育てる才能がほんの少し無いようです。
くどいようですがほんの少しです。
私はグリリァル辺境伯爵家の長女フィデルア、例えこの花を育てるのが今回で5回目の挑戦だったとしても決して諦めたりはいたしません。
お母様も私の長所は、なかなか負けを認めないところだと褒めて?くださいました。
種を植えても害虫に食べられたり、水をあげる量を間違えて種の段階で腐ってしまったこともありました。しかし、何度も植えては失敗をして、とうとう土に栄養がなくなってしまったときは驚きました
ずーっと種のまま、1度も芽が生える気配のなかった花壇に、まさか栄養が足りないだなんて現象がおこるとは。
隠者様のおっしゃっていた《晴天の霹靂》とは、こういったことをいうのでしょう
今回は芽が出ましたのに、きっとあと少しだけなにかが足りなかったのでしょう。
次は、上手くいくはずです………たぶん
コンッコン
「失礼します」
「どうぞ」
「お嬢様、お時間です」
あら、もうそんなじかんなの?
そろそろ先生がいらっしゃるお時間のようですわ。今日は、一体どんなお話をしてくださるのかしら?楽しみだわ
先生は、現在は隠者様ですがその前には冒険者として名を馳せておいでだったとかで
その頃の体験を面白おかしくお話してくださるの
大空を舞う龍族の里や、空飛ぶ宝石のような花びらは、天界からの贈り物だとか。妖精と精霊の住む森にこの世の全てを癒す泉が、海の底に造られた人魚の国はとても発展しているとのこと
「お嬢様、もうそろそろご支度を」
あら、少し話しすぎたようね
「わかったわ。じぃや、お茶の用意を、そうね今日はテラスにお願い。今回、花が枯れてしまった原因を教えていただきたいのよ」
「かしこまりました」
それでは皆様、このお話の続きはご縁がございましたらまた
このお話はどこから見ても無害なお馬鹿さんと言われる私のお話です。皆様ごゆっくりとおつくろぎくださいませ。
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