先生はカドトスさんを思い出します。
ギルドから帰った俺はカイルの家に向かった。
ドンドンッ
「カイル!開けてくれ!」
俺が呼びかけて数秒すると扉の鍵の開く音がした。
「なんだ?どうしたんだ急に?」
「明日、護衛の依頼を受けるんだけど何を準備したらいいか分からないから教えてくれ。」
俺は腰を90度に曲げて頭を下げる。
「分かったからもう顔は上げてくれ。俺も丁度、新しく受ける依頼の準備するつもりだったから一緒に行くぞ。」
俺は何て良い友達を持ったんだ・・・と思ったが思っただけにした。何か、カイルが頼もしく見えるついでに少しイラッとしたからだ。
そんな訳でカイルと俺は買い物に出かけた。
「まず、依頼の内容はともかくお前の場合は装備が必要だな。正直、お前はありえない格好で依頼を受けてる事を自覚した方が良いぞ。ギルドの連中は依頼を受けた後に着替えて、終了した時は着替えてから報告に来てると思っているが、本当は部屋着のまま依頼を達成してるなんて全く思っても無いだろうよ。」
確かに、俺も装備はカイルから貰った?服で依頼を受けてる。そういえば、カドトスさんの店にカイルと行くって約束してたなぁ。すっかり忘れてた。
「そういえば、カイルが気絶してる間にカドトスさんと約束したんだった。後でお前と俺の二人でカドトスさんの店に行くって。」
俺がそう言うとカイルは驚いた顔をした。
「おい、あのカドトスさんと約束しただと?それは本当か?」
あのカドトスさんって多分、俺の言ってるカドトスさんのはず。
「あぁ、本当だ。」
カイルは目をキラキラとさせて俺に詰め寄って来た。うん・・・キモイ。
「カドトスさんってそんなに有名なのか?」
「有名も有名だぞ!王都から国王直属の騎士がわざわざ来て装備を作って貰うほどだぞ。」
王都からわざわざ来るって凄い人だな。
「ぐずぐずしてられない、早く行くぞ!」
カイルは凄い張り切って外に出て行ったので俺はカイルの後を付いて行った。
カイルと共にカドトスさんの店にやって来た俺たちは店の中に入った。カドトスさんの店はレンガで造られた外見で、扉の上には木で作られた看板が取り付けられている。中はシンプルな作りで、様々な武器や防具が展示してある。
「カドトスさん居るか?」
俺がそう呼びかけると奥からカドトスさんがやって来た。
「何でぇ誰かど思っだらトオルでねぇか」
「カドトスさん久しぶり、武器と防具を作って欲しくて来た。」
俺がそう言うとカドトスさんは少し間を置いて話した。
「おめぇ来るまで随分時間が掛かったな。防具はともかくおめぇに合いそうな武器は作って置いたぞ。」
「マジで?ありがとう!」
「おい、トオルだけずるいぞ。カドトスさん俺のもお願いします。」
「ん?おめぇはカイルか?おめぇの分もあるど。」
どうやら、カドトスさんはカイルを知っている様だと思ったが俺と違って昔からこの村に住んでいるカイルをカドトスさんが知っていても可笑しく無いと気づいた。
「カドトスさん!ありがとうございます!」
カイルは余程嬉しいのか目に涙を溜めながら90度のお辞儀をした。
めちゃくちゃ久々の更新で申し訳ありません。
ニコニコでクトゥルフ神話TRPGの動画を見まくってたらいつの間にか3月中旬になってました・・・
これからはちょっとずつでも更新するので申し訳ありませんがお待ち下さい。




