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先生は念願の依頼を受けます。

 部屋に戻った俺は、飯と風呂を済ませ直ぐに布団の中に入った。

 ブラッドグリズリーの狩りとギルドマスターへの嫌がらせで思っていた以上に体力を消耗していたらしい。


「もう数年で、三十路だしな俺・・・」


 何とも言えない感傷に浸りながら目を閉じるといつの間にか寝入っていた。


チュンチュンチュチュンチュン


 謎のリズムの鳥のさえずりで目が覚めた俺は何となく早くギルドに行った方が良い様な気がしたので直ぐにギルドへと向かった。

 

「あっいらっしゃいませトオルさん。おめでとうございます、昨日ギルドマスターがトオルさんのランクをBにランクアップされましたよ。ランクEからランクBに一気にランクが上がった人はトオルさんが始めてみたいです。」

 

 だろうな。

 というか、ランクEなのにランクBの魔物と戦わせられるのなんて俺だけだ。

 そもそも俺がランクEだったのはあのクソギルドマスターが高ランクのクエストを受けさせる時に上げなかったのが悪い。

 

「そういえば、ギルドの掲示板が更新されたので見に行ってみては如何ですか?」


 もしかして今朝の予感はこの事に関してだったのか?

 俺は少し緊張しながらギルド掲示板まで向かった。


「んー新しい内容は・・・<姿を消す魔法薬を作りたいから材料集めを手伝ってくれ>と<姿を消すマントを作りたいから材料集めを手伝ってくれ>と<女湯覗きたいから手伝ってくれ>・・・下心しか無いのか!しかも依頼主全部同じ奴じゃ無ぇか!何故、これを貼る許可を出したんだギルドは!」


 はぁはぁ。

 朝イチからツッコミを入れる事になるとは思わなかったな。

 それにしても禄な依頼が無いな・・・ん?下心満載の依頼の下にもう一枚依頼が貼ってある・・・ 


「何々、<マクリ王国まで行きたいので護衛を依頼したい。>か・・・これってもしかしなくても赤井達の居るマクリ王国に行くチャンスじゃん!」


 俺は早速、依頼を受ける為に依頼の紙を持ってミーナに声を掛けた。


「ミーナ、これ受けたいんだけど。」


 ミーナは俺から依頼の紙を受け取ると少し考えてから判子を押した。


「はい、これでこの依頼は定員に達しましたね。」


 定員?俺の他にも居るのか?


「俺以外で受ける人が居るのか?」


「はい、トオルさんを入れて3人の方がこの依頼を受けています。依頼が明日からなので明日になれば他の方達に会えますよ。」


 他の人は別に誰でも良いけど、ミーナが大事な事を言っているのに俺は気付いてしまった。


「明日?マジで?」


「はい、明日の朝9時までに村の入り口集合になってますよ。」


「おっと、マジか。なら早く帰って明日の準備しないとな。」


 そう言って俺はギルドを後にした。


お待たせしました久々の投稿です。

何か面白そうな設定を思いついたので新作も書き始めました。

「ドッペルゲンガーに転生にしたけど、どうしよう?」の方も宜しくお願いします。

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