先生は嫌がらせするついでに報告をします。
部屋に帰って来てからまず、青いブラッドグリズリーはそのままにして他のブラッドグリズリーをギルドに持って行くことにした。
ブラッドグリズリーの討伐部位は耳なのだが、俺はあえて首から上を9個をアイテム袋に入れてギルドにやって来た。
「ミーナさんこんにちわ。」
「あれ?数時間前に依頼で森に行ったのでは?」
ミーナさんが不思議そうな顔をして俺を見ている。
「予想外に早く終わったので帰ってきたんですよ。ギルドマスターは居ますか?」
「そうでしたか。ギルドマスターなら奥の部屋に居ますよ。」
「じゃあ、報告する事があったのでちょっと行ってきます。」
「では、奥へどうぞ。」
俺は奥の部屋へ向かって進んだ。
部屋に居るギルドマスター(悪)を懲らしめる為に。
トントン
「入っていいぞ。」
ギルドマスターから入る許可を貰ったので一応声を掛けながら入った。
「失礼します。ランクEなのに何故かランクBの依頼を受けさせられたトオルさんからお届け物でーす。」
今までした事が無いようなとても良い笑顔をしながらギルドマスターの部屋に入った俺は部屋の中央にある応接用のテーブルの上に討伐確認部位として持ってきたブラッドグリズリーの生首を置いた。
「おっおい!何だそれは!?」
ギルドマスターは酷く驚いた顔をしていた。
「何ってブラッドグリズリーの生首に決まってるじゃないですか?」
ギルドマスターなんだから魔物の顔くらい覚えておけよな、何て使えないギルドマスター何だ。
「違ぇよ!何で生首なんて気色の悪い物をわざわざ持ってくるんだって聞いてるんだよ!」
何だ・・・そんな分かりきった事を気にしてたのか。
「そんなの聞かなくても分かってるだろ?」
「何の話だ・・・俺には全く心当たりが無いぞ。」
心当たりが無い?
笑わせてくれる・・・。
「どっかの馬鹿なギルドマスターの所為で何故かランクEなのにランクBの魔物を討伐する羽目に成り、あげく、討伐対象の魔物の中に他の固体と違う固体が居たりして結構面倒だったのだがそれでも心当たりが無いか?んん?」
俺がそう言うとギルドマスターの額に大粒の汗が出てきた。
「いったい、俺に何をさせる気だ?」
「いや、別に。もうだいぶ気は晴れたし。それにブラッドグリズリーの違う個体についての報告も有るしな。」
「ほっ・・・それで?違う個体ってどんなのだ?」
「あぁ今出す。」
俺はアイテム袋から全てのブラッドグリズリーの生首を出した。
「ふ・ざ・け・る・な!一旦全部仕舞え!」
「しかたない。我がままだな。これが違う個体だ。」
俺は全てのブラッドグリズリーの生首を一旦仕舞い、青いブラッドグリズリーをあたかもアイテム袋から出したかのように見せかけ、自分の部屋から転移させた。
久しぶりの投稿です。
色んなゲームのイベントが重なってあわあわしてますが、投稿は続けます。
これからも異世界先生をよろしくお願いします。




