先生は新しい魔法を開発しました。(使いこなしてるとは言ってない。)
新しい混合魔法の開発を始めた俺は土属性と火属性でガラスレンズの作成に成功した。
元々、考えていた魔法はガラスレンズで太陽光を集めてレーザー光線的なのを考えていたが、ガラスレンズの作成をした事で新たな問題が発覚した。
現在、手元には直径1mほど、厚さが5cmほどの円形のガラスレンズがある。
「これ・・・どうやって太陽光を集めるんだ?」
普通は、ガラスレンズが手元に有るんだからそのまま使って集めれば良いだろ?と思うかも知れないが、剣と魔法のファンタジー世界だからって物理法則を蔑ろに出来る訳が無い。
つまり、このガラスレンズを空中に浮かせる方法が無いのである。
「うーん・・・良い発想だと思ったんだけどな。」
空中に浮かせる方法・・・土属性で重力って操れるのか?
魔法はイメージ力が大事ってグラーフさんが言っていた。
「イメージは引力と斥力。地球と同じく立って歩けるって事は地球と同じだけの重力が身体に掛かってるって事のはず。」
引力は引き合う力、斥力は反発し合う力。
俺は重力に対して反発する斥力をイメージして魔法を発動した。
「土属性魔法リパルションコントロール。」
手元にあったガラスレンズが空中に浮いた。
そして、ガラスレンズは少しずつ上に上昇していった。
「おっ成功した。やっぱりコントロールって言っても反発だから上昇しか出来ないな。斥力が使えるなら引力も使えるか?」
俺は試しに上昇中のガラスレンズに引力の魔法を発動した。
「土属性魔法アトラクションコントロール。」
上昇していたガラスレンズが逆に降下してきた。
「引力と斥力が使えたのはいいけど結構難しいなこれ。絶妙なバランスを保たないとガラスレンズが空中で停止しないな。」
俺は引力と斥力を使ってガラスレンズが空中で停止する様に何度も練習を重ねた。
「ん、もう日が暮れかけてる。」
気付かない内にもう日が暮れようとしていたので一旦魔法の練習を止めて宿に戻ることにした。
グー・・・
「あー今日は朝から何も食べてなかったから腹減った。」
宿に着いた俺は今日の魔法の成果をグラーフさんに伝える前に食事を取る事にした。
「今日は、カリアさんが担当の日か。道理で客の数が多いと思った。」
今日の夕飯はカリアさんが担当の様でその日は毎回、宿に泊まって無い客が飯を喰いにやってくるから客の数がグラーフさんが担当の日より倍近く増えている。
「今日はクリームシチューと白身魚を使ったロールキャベツか。」
俺は空腹に耐えかねていつも以上に注文して全て食べきった。
味?最高に決まってるだろ。




