赤井達視点~異世界に行く前の話2~
「じゃあ、これでホームルームは終わりだけど部活やって無い奴は早く帰れよ。」
放課後になり部活をやってる奴は部活へ行き、他の生徒は帰ったが、赤井達はまだ教室に残っていた。
「どうする?今日もどっか寄るか?」
「俺は本屋に行きたいな。昨日は新刊の発売日だし。」
「昨日発売したのを今日買いに行くの?」
「分かって無いな澪は、田舎は一日遅れで新刊が入るんだよ。月曜日発売のはずの週刊ニャンプは土曜日には並ぶけど・・・。」
「あっそ。じゃあ本屋に行くって事で良いの?」
「あっ私、新しい下着を買いたいのですが。」
「下着・・・下着売り場・・・俺達男は入れないから本屋に行ってる間、澪と二人で行って来なよ。」
「そうね。私は本屋で買うものは無いし桜に付いて行くわ。」
「じゃあ澪ちゃんも新しいの買いましょう。ね?」
「じゃあ今日の予定はそういう事で。」
話がまとまり教室から出る準備をしていると足元が突然青白く光出した。
「うわっ眩しっ!」
「これは!まさか!」
「キャー!何なの!」
「何で床が光ってるんでしょう?」
皆がパニック状態で居ると廊下から担任の先生が見えた。
教室のドアは開きっぱなしになっている。
「先生!」
先生は教室に入ろうしているが何故か入れないように見えた。
「やばい・・・先生!助けてくれ!」
大吾が手を伸ばしながら先生に助けを求めていた。
こんな時、ヒーローならどうするんだろう・・・。
俺がそんな事を思っていると突然意識が途切れた。
「ここは・・・?はっ!皆は!」
辺りを見ると皆が倒れていた。
「大吾!澪!桜!大丈夫か!」
俺が呼びかけると皆はゆっくりと体を起こした。
「ここは・・・?」
「何よ、ここ。さっきまで教室に居たのに。」
「真っ白ですね・・・。」
皆がそれぞれ別の反応をしていると突然、背後から声がした。
「ほっほっほっほ。驚いているようじゃの。」
振り返って見ると、上半身裸で筋骨隆々のたくましい老人が立っていた。
「えっと・・・誰?いや、まさかと思うがこの状況から察するにあんたは神様か?」
「え?大吾、冗談だろ。神様がこんなにマッチョな爺さんである筈が無い。」
俺は認めたくなかった。
大吾から借りて読んでいた小説に出てくる神様は皆、外見は(・・・)美しい女神様ばかりだったからだ。
「これが現実じゃ、諦めるんじゃな。」
「所で、何故俺達はここに?」
「それは異世界召喚をされたせいじゃよ。異世界を渡る時は一度この”異世界の狭間”と呼ばれる空間を経由してから異世界を渡るのじゃ。」
俺達は異世界召喚をされていたようだ。
知りたい事が沢山あるので、神様に皆で質問をしていった。




