先生の服は決まりました。
俺は素直に凄いと思っていた。
外の風景はまるで中世のヨーロッパのような見た目なのに服はパッと見ただけでもかなりの種類が有るようだ。
もしかしたら、昔来た異世界人が服を広めたのかも知れない。
何故なら、まともな服に紛れてメイド服や、ナース服、婦人警官の制服、女子学生の制服<ブレザー、セーラー>などのコスプレ用だろうと思われる服も店に並んでるからだ。
「好き勝手やってるなぁー。」
ある意味、コスプレ衣装を広めた異世界人に良くやったと言いたくなるのは男なのでしょうが無いと思って頂ければ幸いだ。
「あっ、これ良いな。」
俺が手に取ったのは青色のTシャツだ。
何かこう、グッと来るのを感じたのだ。
「お客様、そちら大変お似合いですよ。此方の商品は・・・」
出たな、服屋に居ると気配無く現れる店員が。
奴らは心の中で似合ってないと思いながらも似合ってると嘘を付き、散々煽てて買わせるんだ。
そして、家に帰ってから着てみるとあんまり似合ってなくてがっかりするんだ。
過去に何回もその経験が有るから分かる。
「・・・なので、此方のTシャツはこっちのボトムスと合わせて着るとお客様をより、引き立ててくれる商品に成っております。如何ですか?」
何で、Tシャツ持っただけでボトムスまで買わされそうに成ってるんだ?
「すいません、まだ考え中なので・・・。」
「そうでしたか、何かあれば何なりとお申し付け下さい。」
「は、はぁ。」
グイグイ来ると思ったらいきなり引いたぞ・・・これが販売テクってやつか!?
やはり、異世界でもプロは居ると言うことか。
「あっ。トオル、こっち来て。」
考え事をしてるとトレイリに呼ばれたのでそっちへ向かった。
「これとこれと、あとそれとそれ。サイズ分からないから取り合えずMにしたけどサイズは合ってる?」
「あぁ、良く分かったな俺のサイズがMだって。」
「それはまぁ、見てれば何と無く分かるわよ。だってゴニョゴニョ・・・。」
最後に何て言ったか分からないが、男と違って女性の場合は分かるのだろう。
「一応、着て確かめてみるよ。」
「分かったわ。試着室はあっちよ、行きましょ。」
トレイリにまた手を引かれ、試着室へ向かった。
「どうかな?」
「良く似合ってるわよ。」
似合ってるらしい。
まぁ、似合ってると思ったからトレイリも持ってきたのだと思うが。
「トレイリに頼んで正解だったな。サイズも丁度良いし、よし買うか。」
俺は服を持ってカウンターへ向かった。
何だかんだ、オプションで小物類も買ったのでまぁまぁな値段になったが、まだ所持金の2割ほどしか減ってないので良い買い物をしたと思って良いだろう。
むしろ、俺(財布の中身)の戦いはトレイリの服を買う事から始まるのだろう・・・。
「次は私の服ね!」
トレイリの笑顔に戦慄を覚えたのは気のせいかも知れない・・・多分。




