先生はトレイリと服屋デートをします。
王都に入った俺達はまず、門の近くにある喫茶店に入った。
何故かって?馬車に揺られ慣れて無いから少し休憩をしようと思ってな。
いやー慣れてないと馬車ってマジでキツイな、尻が痛いのなんのって。
因みにピースは検問前に帰しておいた。
「さ、服屋って何処なんだ?」
「え?服屋に行くの?」
「だって、トレイリが王都に来たら服屋に行くって言ってただろ?」
確か、そんな事を言ってたはず。
「良いの?私の行きたい所で?」
「あぁ、どうせ俺は何処にどんな店が在るか知らないし、服も何着か欲しいし。いつまでもカイルの御下がりを着てる訳には行かないからな。」
「え?それってカイルの御下がりだったの?」
残念だが、俺はこっちの世界に来てからカイルに服を借りて生活している。
カイルと体格が近くて助かったな、ちょっとカイルの方が体格が良いから少しブカブカだけど。
「そうだ。だから、新しい服も丁度欲しかったんだ。良かったらトレイリに選んで欲しいかな?」
「任せて、トオルに似合う服をバッチリ選んであげるわ。」
女の子に服を選んで貰うなんていつ以来だろうか・・・あぁ懐かしきキャンパスライフ。
社会人になってから服何て無頓着に成っちゃったからなぁ。
あー異世界って良いなぁ。
この世界に来た意味、見失いそう・・・イカン、イカンそろそろマクリ王国の王都を目指さないと。
「トオル?どうしたの?考え事?」
俺はこの世界に来た意味を再確認して、トレイリとのデートを楽しむ事にした。
「いや、何でも無いよ。(明日から頑張ろう。)」
「さ、早く早く。服屋はこっちよ。」
トレイリに手を引かれ、俺達は服屋へ向かった。
「ここがジャミル大国で人気の服屋、《ティンクルシープ》よ。」
ティンクルシープ・・・きらめく羊か?なるほど、分からん。
「いらっしゃいませ。ご自由にどうぞ。」
「へぇ、男性用と女性用の両方を取り扱ってるのか。種類が豊富だな。」
「でしょ。ここは品揃えが良くて、値段もそこまで高くないから凄く良いのよ。」
どうせだから夏服と冬服もついでに買っておくか。
「まずはトオルの服選びからしましょ。」
「うーん。なら、お願いしようかな。」
トレイリの服を選ぶならかなりの時間を使うだろうから、最初に俺の服を選べば後は好きなだけトレイリの服選びをすれば良いさ。
「トオルの服ってどのくらいの数選べば良い?」
んー・・・夏用の服と冬用の服、下着を上下で5着づつくらいあれば良いか?
「夏用の服と冬用の服、下着を上下で5着づつ頼む。」
俺はトレイリに欲しい数量を伝えた。
「分かったわ、少し待っててね。あ、トオルも気に入るのがあると思うから選んでて。」
トレイリに任せつつも俺も商品を見て回った。




