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先生はジャミル大国の王都に入ります。

 森を抜けて、草原地帯を進むとそこには大きな壁が現れた。

 どうやらジャミル大国の王都はとてつもなく大きな城壁で囲まれているようで、外からは中の様子が全く分からなかった。

 城壁が近づくにつれトオルは自分の心臓が激しさを増すのを感じた。


「こんなに大きな城壁は見たことが無い。」


 知らず知らずに目が輝いてきているのは一緒に乗っていたトレイリのみが気付いていた。


「まるで子供ね。」

 

 この時のトレイリは小さな子供を見るようなとても優しげな目をしていたらしい。(ピース談)


「そろそろだな。あれは検問所か?」


 馬車の前は他の馬車などで列が出来ていた。

 門の前で兵士に荷物や乗っている人物を確かめているようだ。


「以外にしっかりしてるんだな。」


「当たり前でしょ。ジャミル大国の王族が住んでるのよ、検問だって厳しくなるわよ。」


 俺としては異世界の検問って賄賂を渡すだけでどんな人や物でも通してしまうザルな検問をしてると思っていたからな。

 何というか異世界って小説で書かれるよりかなりしっかりしてるな。


「検問で罰の対象になるのはどんなのなんだ?」


 率直な疑問をトレイリに聞いてみた。


「そうね。例えば、国で指名手配されてる犯罪者や、違法な奴隷、持ち込みを受理されてない薬物とかかしら。」


「武器とかは検問の対象にならないのか?もし、王族が狙われたらヤバイだろ?」


「武器なんて取り締まったらキリが無いじゃない。冒険者は皆、武器を携帯してる訳だし。それにこの国で王族を狙うなんて出来ないわよ。」


 王族を狙えない?何で?


「何でって顔をしてるわね。良い?王族が人前に出る時には王族護衛隊って部隊が必ず近くに居るのよ。その王族護衛隊が居るから絶対に王族に危害を加える事が出来ないのよ。」


「凄く強いって事か?」


「えぇ。王族護衛隊はギルドとは関係無いからランクとかは無いけど、王族護衛隊のメンバーは全員最低でもギルドランクがBって話よ。」


「最低でランクBか・・・凄いな。それなら安全か。」


 そんなこんなで俺達の順番が回って来た。

 御者の人が兵士に人数を伝えている。


「では、皆様のお名前とこの王都に御越し頂いた目的をお聞き致します。ご面倒をお掛け致しますが何卒宜しくお願い致します。」


 凄く丁寧に聞かれたので誰も文句は言わずに名前と目的を話している。

 多分、この国に入る時は必ず聞かれるのだろう。

 何だか周りの人は手馴れているようだった。


「次、貴方様のお名前と目的は?」


「はい、トオル・カタセです。目的はそこに居るトレイリとデートです。」


 トレイリが顔を赤くして俯いている。


「そうですか、楽しんでいって下さい。」


 兵士さんと他の乗客は優しい眼差しで俺とトレイリを見ていた。


「うっ・・・何か照れるな。」


「なら、言わないでよ。もう。」


 自分で言って恥ずかしくなってしまった。

 でも、トレイリの恥ずかしがった顔を見てドキッっとしてしまった・・・これが萌えと言う奴なのだろうか。

 こうして、俺達は無事にジャミル大国の王都に入る事が出来た。 



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