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先生はジャミル大国の王都を目指します。

 俺達はジャミル大国の王都に行く為、馬車の乗合い所の来ていた。

 乗合い所には俺達の他にも結構な数の人が集まっていた。


「えっと・・・ジャミル大国の王都行きの馬車は・・・有った。後、20分位で来る見たいね。」


 トレイリが何か掲示板の様な物を見て呟いた。

 あれは何だ?馬車の時刻表か?俺はトレイリに聞いてみる事にした。


「なぁトレイリ、あれって馬車の時刻表か?」


「えぇ、そうよ。トオルは馬車に乗るのは初めて?でも、隣村に依頼で行って来たんじゃないの?」


「あぁ、馬車に乗るのは初めてだ。隣村へは歩いて行ったからな。」


「良く、無事だったわね。魔物に遭遇しなかったの?」


「コイツのお陰で道中は運の良い事にほとんど魔物と遭遇しなかったんだ。な?ピース。」


「むー!ビシッ」


 ピースは呼ばれたと同時に綺麗な敬礼をして出てきた。


「あぁもう!ピースは本当に可愛いわね。王都に行くまでピースを借りてても良いかしら?」


「別にトレイリなら全然良いぞ。トレイリの事は信用してるし、ピースも嫌がって無いしな。」


「むー。むーむー。」


「ピースもトレイリとは仲良しだって言ってるぞ。」


「フフッありがとう。」


 何だかんだ話をしてる内にジャミル大国の王都行きの馬車がやって来た様だ。

 乗合い所に居る何人かも俺達の様に馬車に乗る為、動き出した。


「金はいつ払うんだ?」


「目的地について降りる際にお金を払ってから降りるのよ。」


 日本にあるバスとほとんど同じだな。

 時刻表とかもだけど、時間どうりに乗合い所に来るってのが異世界なのに凄いな。


「良く、時刻表通りに来れるな。道の具合とか馬の調子とかでズレそうなものだけどな。」


「乗合い馬車の御者は国で定められた試験に合格した人しか就けないある意味エリートの人ばかりなの。」


「試験って?知識とか?」


「知識もだけど人柄、性格、緊急時の対応が出来るかどうかかしらね。かなり厳しい試験だとは聞いたわ。

人柄なんかはさり気無く家の近所や友人達に聞き込みをして問題無いと判断された人が合格を貰えるって言うし。」


 うわ、日本の試験よりよっぽど厳しいんだな。


「着きたいと思う人ってかなり居るのか?」


「えぇ、やっぱり給料も王宮で働いてる人と余り替わらないくらい貰えるって言うし乗合い馬車の御者を目指す人はかなりの人数居るみたいよ。」


「へぇー。まさか乗合い馬車の御者にそんな成りたい人が居るとは・・・」


「トオルは乗合い馬車の御者に成りたいと思わなかったの?」


「俺は冒険者に成りたいと思ったからなぁ。ハハハッ(てかこの世界で乗合い馬車の御者に人気が有るとは思わなかったからな)」


「トオルらしいのかな?フフッ」


「むー。」


 俺達は笑いあいながら馬車に揺られてジャミル大国の王都を目指した。


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