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先生は混合魔法の初級を覚えました。

「混合魔法クリエイトマグマ。」


 駄目だ全然うまくいかない。

 魔力コントロールが難しい・・・例えるなら毛先がボロボロの糸をそのまま針に通す様な難しさだ。

 え?意味が分からないって?そりゃあそうだろう。

 言った本人ですら意味が分かって無いんだから。


「混合魔法クリエイトマグマ・・・いかないな。土と火のバランスが取れてないって事なのか?」


 多分、この混合魔法ってのは寸分の狂いも無くまったく同じ量の魔力を使った二つを混ぜる事で発動する魔法のはず。

 こう言うのは順番で解決していくと良い。

 俺はまず、右手にクリエイトマッド、左手にクリエイトファイヤーを発動させた。


「これは出来るんだよなぁ・・・でも、問題はこの後からだ。片方でも魔力が大きくなるとその時点で霧散して発動しなくなるってんだからキツイよなぁ・・・」


 慎重に魔力をコントロールして両手を重ね合わせた。


「おっ・・・何か良い感じ。いけそう。混合魔法クリエイトマグマ。」


 何処からとも無く足元にマグマが現れた。

 マグマは俺の思う通りに形を変えるので操ってて凄い楽しい魔法だ。

 でも・・・熱い!とにかく熱い。

 術者は発言させた魔法の影響を受けにくいので大丈夫なはずだが、この魔法に関しては術者ですら触れるとアウトな魔法なのかも知れない。

 そんな風に思えるほどシャレに成らない熱さだ。


「流石だな、この短時間で発動させちまうとは。やっぱりお前さんは只者じゃないな。」


「まぁそれほどでもあるかも知れませんね。あははは。」


 グラーフさんのような師匠と呼べる存在から褒められると嬉しく思える自分が居るな。

 今度、グラーフさんの事を師匠と呼んでみよう。どんな反応するかな?


「混合魔法クリエイトマグマ。」 


 取り合えず、クリエイトマグマを完璧にしてから中級に行くべきだと考えた俺はもう一度クリエイトマグマを発現させて様々な形に変えたり、大きな壁のようにした。

 正直、この混合魔法は反則じゃないかと思えるレベルの強さだと思う。

 初級のクリエイトマグマですら攻防一体になっている、何故なら相手は触れるだけで死に直面するからだ。

 火山に住んでいる魔物は何ともならないかも知れないがそれ以外ならほぼ敵にならない可能性がある。


「良し、次は中級をやってみろ。」


 グラーフさんから指示されたので混合魔法マグマランスに挑戦することにした。

 クリエイトマグマと同様に右側と左側にマッドランスとファイヤーランスを発現させて融合させていった・・・

 しかし、結果は左右半分ずつに分かれたマッドランスとファイヤーランスでしか無かった。


「はっはっはっは。中級はさっきのやり方だと出来ないんだ。混合魔法って難しいだろ?」


 グラーフさんがドヤ顔で難しさのアピールをしてくる。

 これはうざい・・・中級に関してはもう少しやり方を考えなければいけないようだ。


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