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先生はギルドマスターに報告をします。

トントン


「開いてるぞ。」


 中からギルドマスターの声がした、中でまだ仕事をしている様だ。

 良かった、もしギルドマスターが出かけていたら報告が出来なかったからな。


「失礼します。依頼を完了させたのですが依頼の内容に誤りが在ったので報告しに来ました。」


「そうか。だが、依頼の誤りの報告なら受付で十分のはずだが、何故わざわざ俺の部屋に?何か受付では問題がある内容なのか?」


 このおっさんは何を言ってるんだ?ギルドマスターに直接言わないといけないような内容だから来たんだ。

 それくらい察しろよ。

 とは心の中では思うが俺も良い大人なので表情には出さないようにした。


「はい、依頼の内容はゴブリンの巣の壊滅と目撃されたボブゴブリンの討伐のはずだったんだが行ってみるとゴブリンの巣はボブゴブリンの棲家でその奥にゴブリンエンペラーと自分で名乗るゴブリンが居た。実際に強さは多分ゴブリンロードの上位種だと思う。ランクで言ったらランクA相当の強さだったからな。」


「それは本当か?本当なら何でお前達は生きてるんだ?まだランクCとランクEだろ?それにゴブリンエンペラー何て魔物は聞いた事が無い。もし仮に居たとしてランクAはドラゴン並みって事だろ?そんなのがゴブリンで生まれたとしたら世界の脅威になるぞ。」


 まぁ、仕方ないとしてやっぱりこんな反応だろ。

 ランクCとランクEの二人パーティがドラゴンを倒したと成るとギルドとしても厄介な事に成るかも知れないからな。


「じゃあ、この素材達を見てくれ。」


 俺たちはアイテム袋に入れていたゴブリンエンペラーの素材に成りそうな部位をギルドマスターの部屋に次々と出した。


「この素材達がゴブリンロードの素材に見えるか?」


「これは・・・本当にゴブリンなのか?まるでドラゴンの素材のような禍々しい気配が漂ってくる。おい、ミーナ!カドトス爺さんを呼んで来い!鑑定して貰う。」


「はい!了解しました!」


 カドトス爺さん?誰だ?


「カドトス爺さんって誰なんだ?」


「トオルはハジス村に来て浅いからまだ会った事が無いか。カドトス爺さんってのは本名カドトス

・デデリケルって鍛冶師兼鑑定士だ。世界でも数人しか居ないダブルAの人だ。」


「ダブルA?初めて聞くな、ランクか?」


 Aランクの上って事か?


「ダブルAってのは二つの職業を持っていて両方ともAランクの人の事を言うんだ。因みにカドトス爺さんは冒険者としてもランクBはあるからダブルAの人の中でも一番凄い人なんだ。」


トントン


 俺がギルドマスターから説明を受けていると部屋の扉がノックされた。


「ミーナ、カドトスさんを連れて戻ってきました。」


 まるでビシッっと聞こえて来そうな敬礼をして部屋の端に移動した。

 ミーナが部屋の端に移動するとミーナの後ろには多分、ドワーフと呼ばれる種族の人が立っていた。


職業ごとのランクについてはいつか設定まとめみたいな回の時に書きます。

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