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先生は村長さん達にお別れをします。

 ターニャさんに呼ばれて夕飯をご馳走になった俺達は何かする気力も無いのでそのまま寝ることにした。


チュンチュン


「もう・・・朝か・・・」


 朝の日差しと鳥の鳴き声で目を覚ました俺は顔を洗いに一階に下りた。

 すると、一階にはカイルが既に出発の準備を終え、お茶を飲みながら窓の傍に座っていた。


「老後の爺さんか!」


 俺は思わずツッコんでしまった。


「お?トオルおはよう。」


「あぁ。おはよう。もう準備は終わったのか?」


「おう、昨日は早く寝たからか早起き出来てな、準備をしてお前が起きて来るのを待ってたんだ。」


 何だ、待たせてしまったのか。


「スマンな。今、準備するからもう少し待っててくれ。」


「良いって事よ。そんな急ぐ時間って訳じゃないからゆっくり準備してくれ。」


 前から思ってたけどコイツって本当に良い奴だよな。

 異世界にきて最初に会った奴がコイツで良かったと本当に思う。

 俺はカイルをこれ以上待たせるのは悪いと思い、急いで準備をした。


「よし、二人とも準備が終わったから村長に挨拶してハジス村に帰るとするか。」


「そうだな。」


トントンッ


「はーい。どちら様ですか?」


 扉を開けて出迎えてくれたのはターニャさんだった。


「おはようございますターニャさん、村長さんは居ますか?」


「はい、祖父なら窓際に椅子を置いて座りながらお茶を飲んでますよ。」


 朝のカイルと同じ行動してる。

 まぁ、こっちはカイルと違って本当に老後の爺さんと言っても可笑しくない年齢だけど。


「今からハジス村に帰ろうと思って挨拶をしに来たんですけど。」


「あらあら、寂しくなりますね。」


「ターニャさんには4日間お世話に成りっ放しで、本当にありがとうございました。」


 俺がターニャさんにお礼を言って頭を下げると、つられる様にカイルも頭を下げた。


「いえ、此方こそお二人にはゴブリンを退治して頂いたのに大したお持て成しも出来ませんでしたから。是非、また入らして下さいね。村人全員お待ちしてますから。もちろん私も・・・」


 ターニャさんが俺達の間に来て、耳元でそう囁かれた俺達は即座に


「「はい!是非!」」


 と顔を上げて直立姿勢で返事をした。

 そこには顔を真っ赤に染めた男の冒険者が二人居た。


「えっと・・・ターニャさん、村長さんは・・・」


 もう、ターニャさんの顔を見れなくなってしまった俺は早く村長さんに挨拶を済ましてしまおうとターニャさんに呼んで来て貰おうとした。


「ふふっ顔が真っ赤ですよ。今、祖父を連れて来ますから少し待っていて下さい。」


 はぁ、ターニャさんって俺より年下の筈なんだけど・・・からかわれたな。

 顔が熱い・・・さっきは本当に年下かって位の妖艶さが在ったな。


「お二人とも待たせてしまって申し訳ない。もう行くそうだね?」


「ええ、挨拶をしたら直ぐに。」


「この近くを通ったらいつでも寄って行って下さい。歓迎しますから。」


「「はい。」」


 少し短いと思うかも知れないがその言葉の奥にはまるで旅立つ息子に宛てた言葉のような心が温かくなる別れの言葉だった。

 日本に居る田舎の父さんは元気かなぁ・・・いや、多分元気だな。

 猟銃持って熊でも狩ってるだろ、近所に熊が出たら毎回呼ばれてたし。


「じゃあ、俺達はこれで。二人ともお元気で。」


「お世話に成りました。お元気で。」


 まず、カイルが挨拶をし、その後に俺が挨拶をして俺達は村長さんの家を出た。

 家を出る際に見たターニャさんの顔は悲しげな表情をしていた。



 <二人が家を出た後>


「寂しくなるな。」


「うん。でもまた直ぐ会える様な気がするから・・・」


 ターニャは上を見上げながらグレイにそう話した。

すいませんでした。

また、睡魔に勝てませんでした。

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